元日本ランカーの武本康樹(左)とジムを開設した武本在樹会長=神戸市東灘区のZボクシングジム
神戸市内にボクシングジムを新設した元世界ランカーの武本在樹会長(31)が6日、自らが果たせなかった世界王者の夢をジム会長として成し遂げることを誓った。
昨年2月の試合を最後に引退した武本会長が選手育成に乗り出した。7月29日に六甲アイランドに「Zボクシングジム」をオープン。近日中に日本プロボクシング協会への加盟申請を行う。
現役時代の最高位はWBA世界フェザー級6位。07年8月には同級王者クリス・ジョン(インドネシア)に挑み、王座奪取はならなかったが、現在も無敗を維持する強豪王者に果敢に立ち向かった。「世界を獲った選手より獲れなかった選手の方が指導者には適していると思う。自分のキャリアを通じて何が失敗だったか伝えることが僕にはできる」と育成への自信を見せる。
プロ1号生には実弟で元日本ランカーの武本康樹を予定。現在、康樹は千里馬神戸ジム所属だが、同ジムの千里馬啓徳会長から今後数試合を経た後に移籍することの了承を得ている。「まずは康樹を鍛えて世界の舞台に立たせる。3年で結果を出したい」と武本会長。康樹は「兄貴が届かなかった世界をつかみたい」と力を込めた。世界戦から3年、武本が再び世界の夢を追う。
(2010年8月6日)