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ASEAN:外相会議 東アジアサミットに米露参加で合意

 【ハノイ西尾英之】東南アジア諸国連合(ASEAN)は20日、ベトナムの首都ハノイで開いた外相会議で、ASEANと日本、中国、韓国など16カ国首脳が参加する東アジアサミット(EAS)への米露両国の参加について正式合意した。両大国の参加でASEANの地域協力や広域的な安全保障体制の核としての地位は高まるが、一方でEASの「東アジア」首脳会議としての位置付けはあいまいとなり、会議が単なるセレモニーになりかねない恐れもはらんでいる。

 ASEANは10月の首脳会議で米露のEAS参加を最終決定。来年以降、EASに合わせて毎年両国大統領がASEAN入りすることになる。

 ASEANの域外対話の枠組みには、日本、中国、韓国が加わるASEANプラス3と、さらにインド、豪州、ニュージーランドが参加するEASがある。中国の影響力拡大を懸念する日本は豪州などが参加するEASを推し、同盟関係にある米国の参加を求めてきた。一方、中国は「プラス3」中心の枠組みを重視し、EASにはロシアの参加を要求してきた。

 ASEANにはEASに超大国である米国を呼び込むことで、地域で一層影響力を強める中国をけん制する狙いもあるとみられる。一方、昨年誕生したオバマ米政権も、中国の影響力への懸念からASEAN重視を鮮明にし、EAS参加にも積極姿勢を示している。

 だが「東アジア」とうたいながらインドや豪州が参加し位置付けがあいまいなEASは、これまで具体的な成果に乏しい。米露参加で地域の枠組みが完全にはずれ、これまで以上に「何を協議するのか」が問われる。

 外相会議で採択された共同声明では、今年20年ぶりに総選挙が実施されるミャンマー情勢について、民主化運動指導者、アウンサンスーチーさんの選挙参加などは求めず、スーチーさん抜きで実施される同国総選挙を事実上容認。一方で各国はミャンマーに、ASEANによる選挙監視団の受け入れを求めた。

 また、韓国哨戒艦沈没事件について共同声明は、北朝鮮の国名には触れず、23日のASEAN地域フォーラム(ARF)に外相を派遣する北朝鮮に配慮する形となっている。

毎日新聞 2010年7月20日 21時37分(最終更新 7月20日 21時59分)

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