【ハノイ=四倉幹木】東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議が20日、ベトナムの首都ハノイで開かれ、米国とロシアに、東アジアサミット(EAS)への参加を認めることなどを盛り込んだ共同声明を採択した。韓国の哨戒艦沈没事件やミャンマー(ビルマ)の民主化については大きく踏み込まなかった。
ASEAN諸国と日中韓など16カ国が加わる東アジアサミットへは、米国とロシアも参加する意向を示していた。米国の参加は、同盟国の日本にとってもプラスだ。
ASEANも、地域で強まる中国とインドの影響力に対し、バランスをとるために両国の参加を歓迎。10月のASEAN首脳会議に提案された上で、正式に決まる見通し。米ロは来年、インドネシアで予定されるEASへの参加が見込まれる。
一方で、地域でのASEANの主体性が相対的に薄まるとの指摘もあり、東アジアを含む枠組みとしては、日中韓が加わった「ASEANプラス3」を主体とし、EASは補助的な役割にとどめることを確認した。また、2回目となる米・ASEAN首脳会談が9月に米ワシントンで開かれることになった。
北朝鮮に対しては、核問題を話し合う6者協議へ早期に復帰するよう呼びかけた。ある外交官によると、参加国の一部からは、ベトナムなど北朝鮮と比較的関係が良好な国が直接、復帰を働きかけるとの案も出たが、今回は声明だけにとどまった。
今年中に総選挙を実施する予定のミャンマーは、今回の会議でも具体的な選挙日程を示さなかった。外交官によると、インドネシアが、ミャンマーの反発に配慮して選挙監視団ではなく「訪問団」の受け入れを打診した。ミャンマー側は本国の選挙管理委員会に伝えると約束したという。