米国では Bing が SearchMonkey の統合を検討していると伝えられているが(注:決定はしていないうえ、最近はこの件についての報道もない)、日本では Google と手を組んでしまっている。
Google はリッチスニペット(Rich Snippets)という、検索プラグイン相当の機能を有していること、検索プラグインはYSTと連携している部分があることを考慮すると、もしかしたら消えてしまうのかもしれない。
◎ Yahoo! 検索サイトエクスプローラー
これまでは YST という米国 Yahoo! の検索技術を採用していたことから、掲載状況を確認するためのサイト運営者向けツールが提供されていたわけだが、Google 採用となると、不要、つまりなくなる可能性がある。Google は「ウェブマスターツール」を提供しており、Yahoo! 検索サイトエクスプローラー以上の機能を有しているからだ。Yahoo!JAPAN自身が独自に提供する意味も薄い。
◎ Yahoo! 検索向けの XML サイトマップ
クローラに Web サイトの URL 構造を効率よく伝達するための XML サイトマップは、YST が消滅する以上、対応する必要はない。Google に XML サイトマップが送信できれば、自動的に(Google 採用の)Yahoo!JAPAN に対応できることになる。
◎
忘れ去られた感もあるが、YST 独自の機能として、Web ページの主内容と関係ない要素を伝達するための robots-nocontent というものがあった。これは2010年8月時点において Yahoo! にしか対応していない。YST が消滅する以上、robots-nocontent も利用できなくなると考えてよい。
◎ ページインデックス数やバックリンク数を検索する式
Google に変更となるため、SEO において頻繁に利用される、インデックス済みサイト数やバックリンク数を調べるための各種検索式も、当然 Google に準じることになる。つまりYahoo! で利用可能だった特殊検索式は使えなくなるであろう。
(執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広)