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受動喫煙防止条例がスタート、ホテルや飲食店に戸惑いの声/神奈川県

2010年4月2日

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 民間を含めた公共的施設での喫煙を規制する県受動喫煙防止条例が1日、施行された。規制対象のホテルや飲食店には戸惑いの声がなお残るが、愛煙家には冷静な受け止めも目立つ。肩身の狭い思いを一層強いられ、紫煙とともにはき出すのはあきらめか、それとも…。

 銀幕の向こう、たばこをくゆらす名優たち。喫煙者なら、そんなシーンについ一服いきたくなるのが映画館。横浜市中区のシネマ・ジャック&ベティにとって、だから館内2カ所の喫煙コーナーを撤去するのは苦渋の決断だった。「年配客が多く、本当は喫煙所を設置したかったが、設備投資費もスペースもなく、全面禁煙にした」。梶原俊幸支配人はそう話す。

 ただ利用者はむしろ冷静だ。都内在住のフリーカメラマン(59)は「都内でも駅周辺の路上など、たばこを吸えない場所は多い。吸うなら喫煙所で気兼ねなく吸いたいから。条例はいい流れだと思う」。観賞後、館の外に出てプカリとやりながら話した。

 昼時、横浜駅西口の喫煙所は、食後の一服を口にする愛煙家であふれていた。

 横浜市に住む男性会社員(29)はほとんどあきらめの風情だ。「仕事先にある喫煙所は何カ所か頭に入っている。場所が限られているから1カ所で2、3本吸いだめしなければ」

 駅近くのレストランで昼食をとったが、店内は禁煙。携帯灰皿を手に人目につかない路上で吸う機会が増えた。条例を機に禁煙も頭をよぎったが、「値上がりする今秋からと思っている」。

 一方、都県境の周辺からは「死活問題」の声も聞こえてくる。

 県旅館生活衛生同業組合(箱根町)は「旅館にとって宴会場は”生命線”。宴会でたばこが吸えないとなれば、県外に客が流れる可能性もある。熱海市に隣接する湯河原町の旅館は特に危機感を持っている」という。

 「100メートルも歩けば町田市。禁煙にすれば、たばこを吸いたいお客さんは相模原側の店に来なくなる」。そう話すのはJR町田駅南口で居酒屋を営む女性経営者(61)。川を挟んだ向こうは規制のかからない東京都町田市。小規模店だから、禁煙、分煙は「努力義務」だが、釈然としない思いは募る。「居酒屋は一日の疲れを癒やす場所。たばこを吸えないのはおかしい」

 この日も開店とともに2人の客が来店し、酒を飲みながらたばこを吸い始めた。常連の男性(71)は「分煙は時代の流れかもしれない。ただ、神奈川だけではなく全国で規制をしなければ、不公平じゃないか」と話していた。

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