2010/08/07
和田清明「商標変更してのイラク占領」
メディアの関心と興味は全部アフガンに注がれている中、 イラクの独立は今始まったばかりであるという主旨の記事 がガーディアン紙に出ている。 ガーディアン紙コラムニストS.Milne氏の意見に耳を傾け ることにする。 アメリカはオバマの撤退宣言もむなしく撤退はしない。 むしろ永久統治の方向に向かっているのではないか。まだ 石油の産出地域としての魅力は減じてはいない。傀儡政権 を上手にコントロールして、しかも宗派対立や民族対立を うまく活用して植民地化らしきものを望んでいる。それも 駐留軍隊5万人のかなりの部分を傭兵に依存しているように、 アウトソーシング統治を目指しているかに見える。それでも アメリカ兵の死者は月に六人程度は出ている。先月イランの 市民死者535人に比べたら物の数ではない。 アメリカが長期統治に軸足を据えた理由とおぼしきは、バ チカン国の面積よりも広い大使館の存在に見て取れる。これ じゃ、どうしてイラクを手放しなどしようものか。 http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2010/ aug/04/us-iraq-rebranding-occupation/print 石油が出るというばかりに欧米の餌食となっているように見 えるイラン。宗派対立が災いしているのか欧米への国民的抵 抗運動も構築しえない歴史的悲劇―餌食。 傀儡政権はうまくコントロールされ続け、ベトナムに見る敗 北的撤退の悪夢を経験せずに長くイラクという地に居座りが 可能となるアメリカ。それはアルカイダとの抗争が、占領が 続く限り続くことを意味する。