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高齢者の犯罪、10年で3倍 白書「孤立が再犯の要因」

2010年5月14日11時1分

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 政府は14日、2010年の「高齢社会白書」を閣議決定した。独り暮らしの高齢者の3割以上は終日、周囲と会話をしないことが日常的になっており、高齢者の社会的な孤立が進んでいる。一方、高齢者による犯罪が増えており、社会的孤立がその要因になっているという。

 白書によると、65歳以上は過去最高の2901万人で、全体の22.7%を占める(09年10月現在)。10年時点の独り暮らしの高齢者は465万人と推計される。

 内閣府の調査(08年度、60歳以上の3398人が対象)では、周囲との会話が電話やメールを含めて2〜3日に1回以下という人が、独り暮らしでは35.2%(男性41.2%、女性32.4%)だった。未婚の人の場合も3人に1人の割合で、健康状態が悪い人や暮らし向きが苦しい人も、周囲との接点が乏しい傾向にある。

 困った時に頼れる人がいるかどうかでも、独り暮らしや暮らし向きが苦しいと、「いない」という割合が大きい。特に未婚者の2割は、頼れる人がいなかった。

 一方、高齢者による犯罪は年々増加。08年には5万件近くになり、10年間で3倍になった。高齢者全体に占める犯罪者の割合も2.3倍に。万引きなど窃盗が約3分の2を占める。高齢者の犯罪者のうち3割が再犯で、社会的な孤立が犯罪を繰り返す要因だと指摘している。

 白書は孤立化を防ぐため高齢者同士の連携を強めることを提言。高齢者の8割が「手助けをしたい」と考えているという調査結果をもとに、サポート役の高齢者の養成を促している。(中村靖三郎)

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