No.20
おっちゃんの仕事場探検
おっちゃんのお仕事の内容については、リストの方でよく分かっていただけてると思います。なのでここでは、それらのお仕事をどんなところで、どんな風にやっているのか、ご紹介していこうと思ってます。おっちゃんから写真やリポートが届くたびに、少しずつ更新していきますので、楽しみにしててくださいね♪
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536 映画ポケモン「幻影の覇者ゾロアーク」(宮崎慎二)
2010年5月30日。映画ポケットモンスター「幻影の覇者ゾロアーク」の音楽録りのために、ビクターの301スタに行きました。音楽はもう皆さんご存じの宮崎慎二さんです。2月に行なわれたこの映画の予告音楽録り(レポはここ)には無事に参加できたおっちゃんですが、実はその後さだまさしさんのツアーサポートが入ったので、本編の音楽録りへの参加はどうなるかドキドキでした。でも、ほんとに上手くツアースケジュールの合間を縫ったところに録音が入り、こうしてこの日を迎えられたことをとても喜んでましたし、私もほんとに嬉しく思います(^o^) さて、本題に入る前にちょっとした当日のエピソードを…。この録音の前々日に待望のiPadが日本でも発売され、この現場に来てたエンジニアの中村さんや代棒の多田さんもしっかりゲットしてたんです。そらもう、中村さんや多田さんのツイッターはイマジンのマネージャーさんであるマサルさんも含めて、ちょっとしたお祭り騒ぎでしたよ〜。誰かが「うちは届いた!」って書けば「うちはまだ…もうすぐそこまで宅急便のトラックが来てるのに〜!」なんて感じでね(^^ゞ だから、録音当日も「今日は黒と銀の大きな板を持っていきます」「私も持っていきます」みたいなやりとりがあったので、おっちゃんと「こりゃあ、現場でいっぱい並べて見せ合いっこになるんかなあ」「そうなったら面白いけど、皆そんな発売当日に買うとるやろか?」なんて話したもんです。
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で、いつものようにおっちゃんが早めにスタジオに着くと、コントロールルームで多田さんと中村さんがiPadを出してて、それを皆で囲んで楽しくお話してたそうですよ。 それにしてもこの中村さんの嬉しそうな顔はどうでしょう〜?(*^^*) |
これ、買ったときから既に色んなアプリが入っているそうですが、下の写真は中村さんがあとから買ったというギターのアプリです。で、その場に居合わせた中では一番ギターが得意な丸尾さんが弾いてみてる(?)ところだったりします。 |
弾いてみた丸尾さんの感想としては「弦やフレットの感触がないから、画面から目が離せない〜」とのことでした。そりゃまあ、どう言っても平面ですもんねえ。 でも、楽しそうです(^o^) |
こうして楽しいiPad談義の時間は終わり、それぞれの持ち場に行って録音の態勢に入り始めました。このころから徐々に映画関係者の方々も集まりだし、やがてコントロールルームは人でいっぱい。すごい熱気にあふれてたようですよ。ポケモンの映画って毎年すごい大所帯でのロケハンや大々的な宣伝が行なわれてますが、それだけ多くの方がこの映画に関わってるし、世間の関心も高いってことですよね。 この日の現場には取材用のテレビカメラっぽいのも入ってて(メイキング映像とかを放映するのかな?)事前に「顔が映ると都合の悪い方は申し出てくださ〜い」なんてアナウンスもあったようです。最近はもうプライバシーの保護という観点のみって感じですが、ちょっと前までは学校やオケの関係でスタジオのお仕事をしてるのを伏せてる方もけっこういたようです。 さて、録音のお話…にいきたいところですが、夕方6時に始まるって聞いてたはずなのに、6時すぎにヴァイオリンのタジタジさんこと田尻 順からメールが来たんです。あ、ほら、当日のマサさんのブログにもアップされてるマサさんの足の写真をつけてね(ここ参照)。で、折り返し「あら、6時からでなかった?」って聞くと「実はまだ始まってなくて…(^^ゞ」というお返事が来ました。どうやら、何かコンピュータがトラぶったみたいです。そういや、2月に行なわれた予告編の音楽のときも始まる前にトラブルがありましたよね…。あれはかなり大きなトラブルで、そのときの恐怖の様子をエンジニアの中村さんが当日のレポ内から別枠でつづってくださってるので、合わせて読んでみてくださいね(^.^)b とにかく、今回のトラブルについて、それから実は作曲の段階でも宮崎さんから「作曲してるよりパソコンと格闘してる時間の方が長い気がする」なんてメールをもらってたので気になってたんですが、それについてもまたまた中村さんが詳しく説明してくださったんで、どうぞ読んでみてください。エンジニアさんの視点による今回の音楽についての感想なんかもあります。専門用語だらけで難しい部分も多いかとは思いますが、そこがまた現場の生の声であり、この録音レポの醍醐味でもあると思うんで、ぜひぜひ♪ → CLICK |
こちらは作曲の宮崎慎二さんと代棒の多田彰文さんです。写真にマウスを乗せると同じ2ショットの別バージョンになりますが、そっちの方がお2人の表情がいいかな? あ、この際なんでお話しますが、多田さんってほんっとに面白い人なんですよ〜。常にオヤジギャグを言ってるっていうか…あ、ご本人はオヤジギャグのつもりではないのかな? とにかく、5月からツイッターでお話させてもらうようになって、そうした多田さんの魅力にいっぱい気づけて、とても嬉しく思ってます(^O^) |
で、ようやく録音のお話です(^^ゞ 指揮者は予告音楽の録音に引き続いての多田彰文さんで、宮崎さんはコントロールルームにあるディレクターの席から諸々の指示を出したり、質問に答えたりしてらしたそうですよ♪
ではここで、その多田さんの棒を振る姿を動画でお見せしましょう☆彡
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ね〜?いい感じだったでしょ〜?
ところで、この日の宮崎さんの音楽は例年のポケモンの音楽とはちょっと違って、全体的にサスペンスっぽいものが多かったようです。いつものように本当に生き生きと躍動感に溢れたメロディでありつつもどこか緊迫感がみなぎってたりしたもんで、ほぼ毎年この映画ポケモンの録音に参加してるおっちゃんも「おっ…何や今年はちょっと違うぞ」なんて思ったそうです。反対にすごく田園的な癒し系もあって…そう、おっちゃんのホイッスルを使った曲なんかまさにそんな感じで、吹きながらおっちゃんも癒されてたそうです(^^ゞ そのホイッスルの曲ですが、全部で3曲あったそうです。どれも同じテーマなんだそうですが、サイズが少しずつ違ってたんだとか…。キーはホイッスルでは一番やりやすいというDのキーだったそうで、いつも以上にのびのびと気持ちよく吹けたそうですよ。ただ、途中1カ所だけ半音あがってE♭になるところがあったんだそうですが、そこは「いつかのときのために…」とちょっと前に仕入れてたE♭管でやったそうです。仕入れてた楽器が日の目を見て、おっちゃんも嬉しそうでした。ちなみに、おっちゃんはこれでほぼ全てのキーのホイッスルをそろえてることになったみたいですよ(^O^) あと篠笛の曲も何曲かあって、そのどれにも能管や龍笛でよく使われる「ひしぎ」という奏法を意識した高い音があったそうです。この「ひしぎ」って多田さんは「雄叫び」なんて言葉で表現してましたが、ほんとにそんな感じなんです。何ていうか…「ピィーッ!!」って感じでけたたましく響くんです。私は和田 薫さんが手がけた「犬夜叉」というアニメが好きだったんで耳なじみがあったりするんですが、それにしてもああいう音があのポケモンの中でどんな風に使われるのかは、すご〜く興味があります。
その「ひしぎ」らしきものを吹いてるおっちゃんとフロア全体の動画もあるんで、どうぞ♪
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この動画の説明としては、ブラスや弦が一気に鳴ってぐぁ〜っと盛り上がったところにおっちゃんの篠笛がとどろくって感じでしょうか…私の勝手な想像としては、すごい強敵と対峙してるときのような雰囲気だなあと思ったんですが、はてさてどんなシーンで使われるんでしょうね〜。
あ、おっちゃん曰く「ひしぎはもともと能管や竜笛のための奏法で、それを篠笛でやったらちょっと細い音になってしまうんやけど、そのあたりは中村さんがうまいこと処理してくれるんちゃうかと思うとる」ってことでした〜。ふふっ、映画を観ながら、こういうところもチェックせんと…! |
この3ショットは、チューバ奏者であり、イマジンの名カメラマンでもある大塚さんが撮ってくださったそうです。 写真にマウスを乗せると、今度はフルートの金子奈美さんとバストロンボーンの山城純子さんの麗しい2ショットになります。おっさ…いえいえ、素敵なオジさま方とは対照的な写真ですね……って、あれ?フォローになってない?(;^_^A 冗談はさておき、みんなほんとにいい笑顔です(*^^*) |
編成は、弦(マサさんのグループ:66442→6442→4422→1111)、フルート&ピッコロ&ホイッスル&篠笛&アルトフルート(おっちゃん)、フルート&ピッコロ&アルトフルート(金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(菅坡雅彦さん他2名)、トロンボーン(中川英二郎さん他1名・山城純子)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(草刈とも子さん・藤井玉緒さん)、オペレータ(丸尾 稔さん)、指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。 レポの中盤でも書きましたが、こうした劇伴録音のときは最初に大きな編成で録って、そのあと少しずつ編成を小さくしていくことが多いんですよね。でも、今回は見ての通り弦が4段階になってます。あんな感じでだんだん編成を小さくしていって、最後は弦カルと木管でやって、パーカッションはさらに居残ってダビングがあったようです。 また、今回の弦の編成って、最初が「66442」で編成が減り出した2回目が「4422」と、ファーストヴァイオリンとセカンドヴァイオリンの数が同じになってるでしょう。このあたりに何かサウンド的な狙いがあるのかなあと思って宮崎さんに聞いてみると「打ち込みリズムが入ってなかったり、ストリングスメロがメインなどクラシカルで壮大な感じにしたい時は人海戦術に頼りたいこともありますが、今回は低域での厚みが欲しい局面が多かったものですから、マックス66442で必要充分。良いプレイをしていただいて感謝してます。」というコメントをいただきました〜! なるほどなるほど、ここで先におっちゃんが言ってた「今回はサスペンスっぽい曲が多かったように思う」ってのとがつながりましたね。これについては中村さんからも「今回はコーダイがシリアスなのと、敵方のハイテクが活躍するシーンも多いので、それにつくBGMも少しハイッテックな冷たい感じの曲、重い曲が多いかも」との情報もいただきました(^O^) この日の録音は開始がちょっと遅れたものの、終わったのはほぼ予定通りの時間。映画ということで曲数もすごく多いのに、短時間でこんなにもスムーズに進めたのはその場にいらした全員の頑張りによるところが大きいのはもちろんですが、代棒の多田さんの的確な棒のおかげも大きいと思う…と、おっちゃんは言ってました、おっちゃんや奈美さんのおかげで多田さんの指揮姿の動画は見えるようになりましたが、いつか生で振ってるところを見たいなあ…だって、多田さんの指揮姿って、こう全身で音楽を表現してるっていうか、演奏者と1つになって駆け上がろう…みたいな雰囲気があって、すごくかっこいいんですもん(*^^*) この映画は、2010年7月10日(土)から全国でロードショーされます。どうやら今までとはちょっと違ったストーリー展開、キャラ、そして音楽…どうか映画館の大迫力画面&サウンドで楽しんでくださいねo(^-^)o |
535 アニメ「黒執事」第2期(岩崎 琢)
2010年5月9日。岩崎 琢さんによる、アニメ「黒執事」の第2期の音楽録りのためにサウンドインのAスタに行きました…なんですが、この第2期のための音楽録りは、冒頭に書いた5月9日と6月22日の2回に分けて行われたんです。で、その2回の録音をまとめて1つのレポにしよう…なんて思ってたら先にオンエアが始まっちゃったんで、私自身が第1回のオンエアを見ての感想も含めて書きたいと思います。そうすると、私に文章力がないために時系列とか話題とかがもうぐちゃぐちゃになってしまったんですが、そこはどうぞご了承ください(;^_^A さて、この「黒執事」というアニメは枢やなさんが描かれたマンガが原作で、第1期シリーズは2008年10月から2クールでオンエアされました。前半は原作に忠実に、後半は原作のストックがないことからアニメオリジナルのストーリーが展開されましたが、最後までとても人気があったようです。私も見てたんですが、とにかく細かいところまで丁寧に描き込まれてて、おさえ目の色合いがとても綺麗な映像だった印象がありました。 |
また、岩崎さんのクラシック調の音楽があの作品世界にとてもよく合ってて、たまに映像や脚本の方が「おいおい…」って感じで作品の世界観から脱線しそうになったときも、岩崎さんの音楽がうまくバランスを取ってくれてたように思いました。 あ、基本はクラシック調ですが、渋いブルースっぽいのやジャズ風の、それに岩崎さんお得意のラップ調のもあったりして、2枚組で出されたサントラは(キャラソンCDもついてたから実は3枚組)もうそれだけで1つの芸術作品って感じでした。 その第1期シリーズの録音レポはこちらにあります。 |
で、今回の第2期のための音楽ですが、第1期のときのもそのまま使うこともあってか、この日は2時間拘束で12〜3曲のみだったそうです。公式サイト見ると、もう「これがあの黒執事?」ってくらいキャラもストーリーも全くのオリジナルっぽいんですが、あのダークな作品世界は同じようなので、こうして音楽をそのまま流用することも可能なんでしょうね。しかしまあ、過去に何かありそうな少年と謎だらけの執事って設定以外は完全に原作からかけ離れたオリジナル。はてさて、どんな展開になるのやら? …とオンエア前まではこんな感じでレポを作ってて、しかもオンエア直前にはブログにこんな記事までも書いてたんですが、実際にオンエアを見てビックリ。ちゃ〜んと前の主役の少年と執事も出てるじゃないですか〜。しかも、第2話の予告を見ると、前のシリーズの他のキャラもいっぱい出てました。ちなみに、その予告のときの音楽は、前のシリーズのときに作られたものでしたよ(^O^) その第1期の録音にも参加したおっちゃんが受けた今回の音楽の印象は「前はちょっと昔のヨーロッパ風で、重厚・上品・貴族的って感じやったけど、今回はガラッと変わって、ショスタコービッチやプロコフィエフみたいな旧ソ連の作曲家…日本で言うたら芥川やすしさんの音楽をもっとカッコようしたような軽快な音楽が多めで新鮮やったわ」だそうです。 すみません…私が不勉強なもんで、その「ショスタコービッチ風」も「プロコフィエフ風」も「芥川やすしさん風」もサッパリ想像がつかんのですが、とにかく前とは随分と違った雰囲気みたいですね。また、半音でぶつかりまくりの…あのおっちゃんでさえ「何や気ィつけとらんと、自分の音が合うとんかどうか分からんようになりそうやったわ」なんて言うコミックタッチの曲があったり、バックにハバネラのリズムがチラッと顔を出すロマンチックな曲なんかもあったそうです。木管それぞれのソロが楽しめる木管大活躍の曲もけっこうあったそうなので、これはオンエアで聴けるのがほんと楽しみですo(^-^)o |
↓これは、岩崎さんと今野さんとの間で何やら打ち合わせをしてるときの様子です(^.^)b 正確に意うと、今野さんが「ここ、ちょっと難しいんだけど、テンポはどれくらい?」って聞くと、岩崎さんが「うん…けっこう早い(^^ゞ」って答えてたり、今野さんが「ここはこんな感じでいい?」って曲のニュアンスを訊ねたり…ってところでしょうか。
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ちなみに、この動画の中で今野さんが弾いてるフレーズは第1話では流れなかったんですが、曲の感じからして新執事のクロードが一気にお部屋の模様替えをしてたシーンで流れてた、ちょっとバロック風の?音楽の一部じゃないかと…これは今後のオンエアに期待&いつかは発売されるだろうサントラで確認ですねo(^-^)o |
あ、この「黒執事」の音楽にはYuccaさんと新南田ゆりさんがヴォーカルで参加されてるようで、Yuccaさんのブログのこちらにもレコーディングの様子が書かれてます。岩崎さんの写真もあるんですが、これがまた…ぐふふふ♪ で、岩崎さんがご自身のブログのこちらで大絶賛されてる新南田ゆりさんのアリアは第1話では使われなかったようですが、Yuccaさんの歌は流れましたね〜。あの新しい主人公(?)アロイスの着替えをクロードが手伝ってるシーンです。 第1期の第1話にも同じような着替えのシーンがありましたが、こちらは優雅で朗々としたイタリア歌曲が流れてました。でも、今度は何とも物悲しげな…どこか謎めいたような感じの曲で「うわ、今度はこう来たか!」と、前のとの違いにドキドキしたところです。いやまあ、そのあとのシーンがものすごくグロかったし、思わずドン引きしてしまうような新しい主役(?)アロイスの壊れっぷりが至るところにあったんで、そのリード的な音楽としてほんとによく合ってたと思いました。できれば、あの歌詞の意味をちゃんと知りたいなあ〜!
こちらは、フルートの金子奈美さんが撮ってくれたスタジオの様子です。奥の方に小さくですが、岩崎さんも写ってるでしょ〜? 実はデジカメのズームとかのテストを兼ねた撮影だったんですが、これがなかなかいいんで使わせてもらいました♪
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こうして1回目の録音はほぼ時間通りに終わり、その編成は、弦(今野 均さんのグループ:64422)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ&イングリッシュホルン(庄司知史さん・浦 丈彦さん)、クラリネット(山根公男さん他1名)、ファゴット(?)、トランペット(2)、トロンボーン(小田切寛之さん)、ホルン(西條さん他2名)、指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(Yoshi Tamlaさん)でした。 |
続いて、6月22日にサウンドインのAスタで行われた2回目の録音のお話です。今回も拘束時間は2時間と同じですが、録った曲数は7〜8曲と前回よりは少なかったとか…。でも、1曲の尺が長いんで、これでも結構ギリギリのスケジュールだったみたいですよ。その証拠に、今回は写真だけで動画を撮るような余裕はなかったそうです。あうぅ〜ちと残念。ちなみに、この日の録音はまず弦と木管7人だけでやって、木管さんの帰ったあとでブラス隊のダビングをやり、そして更にそのあとで小編成の弦の録音もあったようで、全てが終わったのはかなり遅い時間になってたそうです。 あ、この2回目の録音ですが、まずテンポが速い…どことなく勇ましい雰囲気の曲からやっていったそうです。で、このレポの上の方でお見せした動画で今野さんが苦笑してるように、今回も弦と木管の両方に難しいところがあって、差し替えになる部分も多かったそうです。まあ、演奏する方々はほんとに大変でお気の毒さま…って気もしますが、ただ聴いてる方としてはそこがまたカッコ良くて惹かれるんですよね〜。特に今野さんのヴァイオリン。前シリーズでもあのソロにやられましたが、今回もまたすんごくいい感じです(^O^) |
こちらは録音当日のブログにアップしたものと同じですが、副調室での岩崎さんです。手前にいるのはエンジニアのYoshi Tamlaさん。 岩崎さんは何やら楽譜とにらめっこしてる様子ですが、こういうときって、この場でどんなことを考えてるんでしょうねえ…楽譜に間違いがないかとか、どの順番で録ろうかな〜なんてことを考えてるのかな? |
そんなこんなで差し替えなんかを丁寧にやってると少し押し気味になってきたので、岩崎さんの方から「後半はできればぶっつけ本番でいきたい」オーラが出てきてたそうです…が、どの曲もそれほど易しいものはなかったんで、この日に限っては1曲もぶっつけ本番で録ったってのはなかったようです(^.^)b
ではここで、岩崎さんの指揮姿の動画をどうぞ♪…って言っても、これは1回目の録音のときのものなんですけどね。でも、相変わらず素敵です(*^^*)
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ところで、岩崎さんのブログのこちらの記事がアップされたのがちょうどこの2回目の録音のあった日で、せっかくの5月のNY行きの後こんな大変なことがあったと知って心配したんですが、スタジオでの表情はとても良くてホッとしました(*^^*) 写真にマウスを乗せると、さらにいい感じの2ショットになりますよ(^.^)b ふむ、できることなら、その製品になる前の音ってのも聴いてみたいなあ…って私の耳ではその違いが分からんやろなあ(;^_^A |
そうそう、ちょっと余談になりますが、この日おっちゃんがスタジオに入ると、メインのフロアに86442の弦、そしてドアで隔てられた奥のブースに木管って感じでセッティングされてたそうです。で、そのブースに入っていくと、すでに来てた木管の人たちが何やら騒いでてたそうです。何と、このクソ暑くて蒸し蒸ししてるときに、エアコンの調子が良くなかったんですって。しかも、他は冷えすぎてるくらい冷えてるのに、おっちゃんたちのブースだけが効いてないという…そこに追い打ちをかけるように普段でも頭がクラクラするような難しい曲が来て、ある意味ものすごくハードな録音だったみたいですよ(^^ゞ でも、録音中は音の回り込みなんかを避けるためにドアを開けるわけにもいかんしねえ。で、休憩中やプレイバックの時間になったらドアを開放して、ほかのブースから冷気を取り入れる…なんてこともやってたようです。これはまあ本当にご苦労さまって感じなんですが、音楽は半端なく良かったみたいです。ブースの中でも「うへぇ〜と思うくらい難しい部分もあるけど、出来上がった音楽がほんとに良いものだって分かるから"やったろやないかい!"って思うよね」なんてことも言ってたようですよ。 2回目の録音の編成は、弦(今野 均さんのグループ:86442)、フルート(おっちゃん)、フルート&ピッコロ(金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん、浦 丈彦さん)、クラリネット(山根公男さん他1名)、ファゴット(井上俊次さん)、指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(Yoshi Tamlaさん)でした。
あ、ここで岩崎さんからいただいた素敵なコメントをご紹介します。せっかくなんで、岩崎さんのメールをそのまんま載せさせていただきますね(^.^)b 「2回目の録音の時は、木管隊がとても良かった。井上さんは、今一番安定感のあるファゴット奏者だと思う。それから、今回特に金子奈美さんのピッコロが秀逸だった。同じことをエンジニアの田村氏も言ってた。Flの2ndって、あまり目立たないパートなんだけど、目立たないパートがちゃんと気にならないで聴こえるというのは、実は大事なことなんだよね。」 だそうです。こ…これは是非とも奈美さんに伝えなければ…! その後日談→CLICK また、おっちゃんは今年さだまさしさんのツアーで全国を回ってるんですが、この日の弦にはそのツアーで一緒にやっているチェロの徳澤青弦さんと、昨年のさださんツアーで一緒だった同じくチェロの結城貴弘さんがいらしたので、3人で「やあやあ(^O^)」なんて感じでわずかな合間を縫って話したりもしてたそうです。 このアニメ、2010年7月1日からすでに全国で放送されています。キャラは前と同じで相変わらず綺麗な顔してますし、その背景なんかも細かいところまで描き込まれてて惚れ惚れしますし(でも色合いは第1期より少し明るくなったような…)、アニメオリジナル執事と原作の執事とのバトルっぽいのもありそうなんで、これからどんどん面白くなっていきそうです。そこに岩崎さんの音楽がどう乗ってくるか…ぜひぜひオンエアを楽しんでくださいねo(^-^)o |
534 OVA「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」第2期(和田 薫)
2010年4月27日。和田 薫さんとのお仕事で、AVACOの301スタに行きました。この日の録音に関しては、2月くらいの時点で和田さんご本人から「4月に去年もやった聖闘士星矢ロストキャンバスの録音がある」って教えてもらってたんで、録音の数日前から「もうすぐ和田さんやなあ。楽器はどんなん持っていくん?」「何やフルートのほかにリコーダーやらケーナやら色々と持ってきてって言われとるわ。楽しみなこっちゃ♪」「ああ、聖闘士星矢ってことは、多分また中世ヨーロッパ風なんやろなあ。私、前のシリーズの1巻だけ見たけど、しっとり系の曲がえらい良かったわ。今度もそんなんがあるんかな〜?」な〜んて感じで、おっちゃんと色んな想像をして楽しみにしてました(^o^) |
で、録音当日の朝は、和田さんやヴァイオリンのマサさんと、前にブログのこちらに書いたようなやりとりがあったわけですね(^.^)b 写真はおっちゃんに配られた楽譜の表紙です♪ |
さて、現場ではまず、この日のお題である「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」について、和田さんの方から全体に「去年やったのが好評だったので、続編をやることになりました」というようなお話があったそうです。その前のシリーズの録音レポでも書きましたが、おっちゃんやマサさんは1986年当時に放送してたテレビアニメの録音にも参加してるので(そのときの作曲は横山菁児さん)、この「聖闘士星矢」とは20年以上のお付き合いになるわけです。そのあたりについて、おっちゃんも何やら感慨深いものを感じてるようでした。 |
副調室での和田さんとエンジニアの山田さん。 写真にマウスを乗せると、ちょっとだけ違うカットになりま〜す♪ |
で、いよいよ録音に入るわけですが、当日のブログに書いたように、この日は最初の2時間で20曲を録るというタイトなスケジュールだったわけですね。しかも、そのあとにはダビング組が控えてるということもあってか、サウンドチェックが済んだあとは最初っからぶっつけ本番。もちろん何か問題があったら、やり直したり差し替えたりはするんですが、20曲のうちの半分以上は最初のテイクがそのまま採用になってたそうです。それにしても、すっごい飛ばしっぷり…和田さんのテンションも、最初っからずっと上がりっぱなしだったようですよ♪ おかげで、テンポが60くらいと遅く、しかも尺も長めの曲が何曲もあったにもかかわらず、20分を残して…つまり1時間40分くらいで録り終わっちゃったそうです。これにはスコアミスや写譜ミスがなかったことも大きいかと思いますが、それにしてもミュージシャンさんもエンジニアさんもすごく緊張したでしょうねえ。とにかく、おっちゃんも「さすがとしか言いようがないわ」との褒めっぷりでした(^o^) |
全体録音が終わったあとにおっちゃんが入ったブースから、モニター越しに見た和田さんです(^.^)b ちょっと挿絵が欲しかったんで、先にここで使っちゃいます(^^ゞ |
まあ、そんなわけでプレイバックをほとんどしなかったようなので音楽の全体像はつかめなかったそうですが、おっちゃんには全体的に低音楽器が活躍する重い雰囲気の音楽が多かったように感じられたそうです。私はこのレポート作成時にはまだ前のシリーズの2巻までしかDVDを見れてないんで分からないんですが、この2期シリーズで物語が何かしらの完結をするって感じなんでしょうか…だとしたら、クライマックスに向けて重厚な音楽が多くなってくるのもうなづけますし、和田さんならではのあの重厚なサウンドにいよいよ興味が出てきています。早く前のシリーズを次々とレンタルしなくっちゃあ! ところで、その前シリーズですが、私が見た2巻までの感想としてまず思ったのが「音楽と絵がとてもよく合ってる」ってことなんです。絵の雰囲気と曲想が…ってことももちろんですが、絵と音楽の尺がよく合ってるなあと思ったんです。でも、これってテレビシリーズと同じ溜め録り方式で、単発ドラマや映画のようなフィルムスコアリングではないはずなんです。だから不思議に思って、そのあたりのことについて和田さんに質問してみました(^O^) 以下、和田さんからのお返事そのまんまです。 これはフィルムスコアリングではないのですが、本編がかなり原作に忠実であって、コミックスに沿って音楽作りが出来たのと、音響監督からの音楽メニューがかなり具体的であった(つまり使用するところが明確であった)というのが幸いした結果ですね。勿論、今回のスタッフは音響も含め、「D.Gray–man」と同じスタッフなので、気心が知れていて信頼関係があったと言うのも大きいですね。 …なんだそうですよ(^.^)b 編成は、弦(マサさんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ&ケーナ&リコーダー&パンパイプ(おっちゃん)、オーボエ&イングリッシュホルン(庄司知史さん)、クラリネット&バスクラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、ハープ(朝川朋之さん)、トランペット(大倉さんのグループ3名)、トロンボーン(3)、チューバ(1)、ホルン(吉永さん他2名)、ティンパニ(安藤芳宏さん)パーカッション(小竹満里さん・梯 郁夫さん)、ギターいろいろ(田代耕一郎さん:後半のダビングから参加)、打ち込み&指揮(和田 薫さん)、エンジニア(山田正弘さん)でした。 |
こうして、ものすごい緊迫感のみなぎる「ぶっつけ本番」だらけの全体録音が終わったところに田代耕一郎さんがいらして、おっちゃんと田代さんと梯さんで例の「民族楽団」となりました。 その後半の録音ではセッティングもがらりと変わり、おっちゃんと田代さんがブースに、そして梯さんが弦のいたフロアになって色んな楽器を並べだして、まさに「店開き」状態になったそうです。 |
あ、後半は曲数がそれほど多くなかったこともあってか、かなりゆったりとした進め方になったそうですよ。うん、やっぱりここは曲数の問題というよりは、全体録音が予想以上に早く終わったという安心感の方が大きいのかもしれませんね。何はともあれ、ゆっくりと曲に向き合う時間が取れることは、おっちゃんたちミュージシャンさんにとって嬉しいことだと思います♪ |
その1つがこれ…このいっぱいあるお鍋のようなものは「サテライトドラム」と言うそうで、和田さんはこのところのこの楽器がお気に入りなんだそうですよ。 写真にマウスを乗せると、画像が切り替わります。 ちなみに、取っ手(?)のようなところを叩くらしいです。どんな音がするのかなあ? |
民族楽団でやったダビングのうち、おっちゃんが参加したのは3曲。その1曲はパンパイプを使ったもので、サラッと楽譜を見ただけでは「こんなんパンパイプで無理やろ…」と思うようなものだったそうです。でも、ちゃんと見てみると管の配列なんかをしっかり考慮して書いてくれてたので、見た目ほどは難しくなかったそうです。このあたりはもう長年おっちゃんとお付き合いのある和田さんだからこそ…って感じで、何だか聞いてる方も嬉しくなりますよね(*^^*) ただ、音の並び方(?)はよくても音域的にちょっと高すぎるかなあと思うところがあったそうで、和田さんに「これって低めの方がいいですよね」って言ってみたそうです。そしたら和田さんの方からも「そうなんですよ〜!」という反応があって、下の写真のように、普段の組み方からその下の方に低い管をつけたして対応したそうです。こういうことができるのも、自作の楽器だからこそ…ですよね〜。で、楽譜自体はそんな感じでしたが、曲の途中では「エスニックな感じのバックが流れてるところでは、即興的にやっちゃってください」なんて指示があったようで、けっこう自由に楽しく演奏できたそうですよ(^o^) |
左端に太くて長い管が付け足されてますよね? 写真にマウスを乗せると、この日に使った笛系の楽器の写真が見られます。また、レポの冒頭でご紹介した録音当日のブログ記事にて右のパンパイプの大きいサイズの写真が見られますよ♪ |
| このあとケーナの曲はC管のソプラノリコーダー相当の楽器で演奏、そしてリコーダーの曲はアルトリコーダーで演奏したあと、和田さんの方から「同じことをケーナでも出来ますか?」と聞かれたので、そのアルトリコーダーの楽譜をF管のケーナでも演奏したそうです。これ、こうしてサラッと書いてますが、こんなふうにその場ですぐに違う楽器でも対応できちゃうって、とんでもなくすごいことなんだと思いますよ〜。
で、そのケーナの曲にもリコーダーの曲にも田代さんと梯さんの音が被せられてるそうなんで、また面白いサウンドになってるんじゃないかな…とのことでした。ふふ、早くDVDで聴きたいですよね〜。 この2期の発売日に関する情報が入りましたらこちらのレポかブログでお知らせしますので、どうぞお楽しみにo(^-^)o |
533 ミュージカル「黒執事 〜千の魂と堕ちた死神〜」(岩崎 琢)
2010年4月18日。岩崎 琢さんのもとでミュージカル「黒執事 〜千の魂と堕ちた死神〜」の音楽録りが行なわれました。この「黒執事」という作品ですが、原作は枢やなさんが描かれた漫画で、2008年10月から2クールの枠でテレビアニメとして放送されました。そのテレビアニメのときも岩崎 琢さんが音楽を担当され、うちでも「初回録音」はレポさせていただきましたね。で、このアニメ「黒執事」は大変な人気となり、放送終了後には声優さんたちがたくさん出演されるイベントが開かれたり、舞台化されたりもしました。 その舞台「黒執事」ですが、2009年5月28日から6月7日までの間「音楽舞踏会 黒執事 〜その執事、友好〜」というタイトルで上演され、これまた大好評を博したそうです。それこそ、最初は「あの悪魔やら死神やらが出るアニメをどうやって舞台化するの?」「やっぱり実写にしちゃうとダメなんじゃない?」なんて声も多かったそうですが、いざ上演されると俳優さんたちの演技力や歌唱力の素晴らしさに圧倒され、繰り返し劇場に足を運ぶファンも多かったと聞きます。まあ、そのときの音楽は別の方が手がけられてたんですが、その勢いのままアニメの第2期の制作が決まり、第2期をスタートを前にこうしてまた舞台化されるようですね。 それにしても、キャストがすごい…あ、ミュージカルの公式サイトの「CAST/STAFF」のところにキャストの皆さんが写真つきで載ってるんですが、どの方もマンガまたはアニメのキャラの雰囲気とよく似てるんですよね。あえてそういう写真を載せてるのかなあ。何はともあれ、一度こういう舞台ってものを観てみたいものですo(^-^)o |
こちらは我らが岩崎さん♪ 写真にマウスを乗せると、録音当日にブログに載せた(ここ参照)おっちゃんとの2ショットになります(^_-)-☆ |
そうそう、岩崎さんといえば2010年1月から月に1回のペースでオンエアされてる「刀語」の音楽も手がけられてるんですよね。で、毎月のようにおっちゃんに「関東は○日にオンエアじゃよ」「関東は明後日オンエアじゃよ」なんて言ってたんですが、どうも見忘れちゃうみたいなんですよね〜。まあ、かなり深い時間ですからねえ…。でも、やっぱりあの音楽は一度はオンエアでちゃんと聴いてほしくて、4月は「今夜オンエアじゃよ」って、もうオンエア直前に言ったんです。そしたらやっと無事に見えたらしくて、しかも音楽にかなり感激したらしくて、オンエアの2日後にこうして岩崎さんに会えたこともあって、現場で岩崎さんに「音楽いいね!」みたいなお話もしたそうです(^o^) さて、この日の録音ですが、弦と木管でのダビングで、先に弦がやっているところに木管が入って、一緒に数曲やったあと弦が終わって木管が残る…という段取りになっていたそうです。また、おっちゃんたち木管さんのダビングのあとにはピアノのダビングをやることになってたそうですが、そのピアノは岩崎さん御自身が弾かれるんだそうです。そういえば、私が持ってる岩崎さんのサントラを見る限りでは、ピアノは全て岩崎さんご自身が弾いてらっしゃるような…岩崎さんのピアノってすごく繊細で情熱的で、素敵ですよね(*^^*) まあ、そんなわけで、おっちゃんたち木管さんがいた時間…しかもイヤフォンから部分的に聴いただけの感想ではあるんですが、おっちゃんがいままでに参加した岩崎さんの劇伴の音楽とはハッキリとカラーが違ってたようです。何というか、あまり自己主張しすぎず、でも岩崎さんらしい美しい雰囲気のアレンジはそのままにって感じだったみたいですよ。 あ、これは劇伴を書かれる作曲家さんからときどき聞かせてもらうことなんですが、実写のドラマに比べてアニメはどうしてもキャラの表情や表現力が乏しくなるので、実写ドラマの劇伴に比べてアニメの劇伴は少し大げさなものにすることが多いそうですね。そう、あの「刀語」も音楽のインパクトがとても強いですよね。特にあのアニメはキャラの目をはじめ全体的に絵本のように平面的に描かれてるので、音楽による演出の力がとても大きいように思います。そういうのに比べて今度はミュージカルという「歌」でお芝居をするわけですから、音楽は陰からそっと支えるっていうスタンスのようです。 |
| これ、分かりますか? 指揮台のところに設置されてたカメラなんですが、これはエンジニアのYoshi Tamlaさんの私物だそうで、 ちょっと前のソニーのものなんだそうです。 それからTamlaさんは「同じ型番のマイクでも使ってるうちに微妙に特性が変わってくるので、自分で性質が分かってるものを使って録音したい」とのこだわりをお持ちで、この日もマイクも全て自前のを持ち込まれてたそうですよ(^o^)b 写真にマウスを乗せると、もうちょっとカメラが大きくなります♪ |
あ、このレポと同じページにある「おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」の録音レポの中で「指揮が綺麗に見えないブースの中の人のためにこのカメラで指揮者を撮って、それをブース内のモニターで流すらしい」というようなことを書きましたが、実はこれがそのためのカメラなんだそうです。でも、こんなにも指揮台の真ん前から指揮者をドアップで撮るのはけっこう珍しいんだとか…。だってほら、その「おおきく振りかぶって」のレポにある写真を見ると、弦セクションの後ろくらいから撮影してますもんね。 とにかく、このカメラ位置のおかげで、岩崎さんの手の動きや細かい表情までバッチリ分かって良かったそうです。ああ、おっちゃんのデジカメが大丈夫だったら、ぜひその映像を動画で見たかったよ(>_<) 弦(今野 均さんのグループ:3322)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(山根公男さん)、ピアノ(岩崎 琢さん:後入れ)、打ち込み&指揮(岩崎 琢さん)、エンジ ニア(Yoshi Tamlaさん)でした。 この録音の当日(つまり録音直前までってこと?)、岩崎さんはご自身のブログで「あまりに疲れたんで、気分転換に10時間くらい寝た」と書かれてますが(ここ参照)、このあとまた「刀語」のマスタリングでNYに行かれたり、この「黒執事」のアニメ第2期用の音楽を書かれたり…と、怒涛の日々が続くようです。こうなるとちょっと岩崎さんの体が心配だったりしますが、やっぱり次にまたどんな音楽を聴かせてくれるのか、楽しみですよね(^o^) さあ、まずはこのミュージカル「黒執事」です。東京の「赤坂ACTシアター」で5月3日から上演されるようなので、お近くの方はぜひ足を運んでくださいねo(^-^)o |
532 CM「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」の音楽(山下宏明)
| 2010年4月16日。サウンドインのAスタに行きました。実はこの録音の10日ほど前だったか、たまたま山下さんから別件でメールをいただいたんです。で、そのやりとりの中で「そういや、来週また録音で旭さんにお会いできると思う」というようなことを教えてもらったんで、早速おっちゃんに「来週、山下さんに会うんちゃう?」って聞いたんです。そしたらおっちゃんが電話口で手帳をめくりながら「あ、ほな、これかな…CMってのが1つあるわ。ほかは劇伴とか演歌やし…インペクからしても、これちゃうかな?そうか、山下さんか♪」なんて言ってて、2人で録音当日を楽しみにしてました(^O^) さて、そのお仕事ですが…え〜っと、まず「三菱UFJフィナンシャルグループ」と「アメリカ モルガン・スタンレー」が国内証券事業を統合することとなり、社名も「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」として、新たなスタートを切ることとなりました。で、それに合わせてCMも新しくすることとなってこの録音というわけなんですが、実は2006年に山下さんが作られた「三菱UFJ証券」のときのものをベースにすることとなったようです。その2006年当時のものはうちでもレポさせていただいたんですが(ここ参照)、映像と音楽のどちらもほんとに綺麗でしたよね〜♪ ちなみに↓こちらです(^.^)b
何回も続けて聴きたくなる、ほんとに綺麗なメロディですよね〜。実は15秒バージョンの方だとおっちゃんの音色は聴こえないんですが、これは30秒バージョンなんで最後の方にチラッとおっちゃんのフルートも聴こえるでしょ?(*^^*) この曲に今回はブラスとハープを加えて、さらに深くダイナミックなサウンドになったようです。その編成ですが…弦(マサさんのグループ:64321)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(星野 正さん)、ファゴット(前田正志さん)、ハープ(早川りさこさん)、トランペット(数原 晋さん)、フリューゲルホルン(?)、トロンボーン(フレッド・シモンズさん)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン・(南 浩之さん他1名)、エンジニア(小幡幹男さん)でした。 この編成に対しておっちゃんは「最近のCM音楽はプライベートスタジオに呼ばれて1人でダビングとか、せいぜい数人の編成でやるってことが多いのに、今回はテレビアニメの劇伴くらいの編成でちょっとビックリしたわ。新しい会社やし、このへんにも力が入っとるんが分かるよなあ」なんて話してました。 また、山下さんは「メンバー集めは基本的にはプロデューサーの方にお願いしてるんですが、こんな最高のメンバーに集まっていただいて感激でした。最初からものすごい安心感があって、CM1本分なんでアッという間に終わってしまったのがもったいない…もっとずっと聴いていたい、しびれるような音色でした。」と、おっちゃんたちのことを嬉しそうに語ってくださいましたよ(^o^) あ、↑の動画は映像と音楽…それぞれ独立しているものが一緒になってるって感じですが(何かうまく表現できん)、山下さんは劇伴のようにきっちりと絵の動きに合わせて音楽を作り込むというのもお好きなんだそうです。だから、いつか山下さんの書くフィルムスコアリングっていうのも聴いてみたいなあと思ってる私です。もちろん、そのときのフルートはおっちゃんでね(^_-)☆ |
こちらは録音当日のブログにアップしたものと同じですが(ここ)、左から山下さん・おっちゃん・小幡さんです。写真がこの構図になったいきさつなんかは、そのブログ記事を読んでみてください(^^ゞ あ、山下さんの当日に日記には、今回の録音で初めて扱った楽器のことやスタジオ録音だからこその作曲の際に気をつけたことなどがつづられてますので、ぜひ合わせて読んでみてください(^.^)b |
| 今回は60秒バージョンと30秒バージョンを録ったそうですが、おっちゃんやマサさんたちの頑張りがあったことはもちろんのこと、楽譜に間違いがなかったことや読みやすい楽譜だったこともあってとてもスムーズに運び、先の山下さんのお言葉に「アッという間」とあったように、約40分で全ての録音を終えたそうです。
そのCMですが、2010年5月1日からオンエアされています。とりあえず15秒バージョンの動画を見つけましたのでどうぞ(^.^)b
早くこのCMの長いバージョンも聴いてみたいものですo(^-^)o |
531 アニメ「ぬらりひょんの孫」(田中公平)
2010年4月14日。ビクターの301スタに行きました。ヴァイオリンのマサさんと公平さんはお酒の席でよく会ってるようですが、おっちゃんが公平さんにお会いするのは公平さんの30周年記念コンサートぶりだとか…。で、ほぼ毎日のように公平さんのブログを拝見してる私は、おっちゃんからの「4月はイマジンの仕事が2〜3つあるんよなあ」って言葉に対して「それに公平さんのお仕事はないんやろか…あったら絶対に‘ぬらりひょんの孫’ってアニメの音楽やと思うんじゃ。あの音楽、私ごっつい気になっとるけん、おっちゃんが入れとったらいいのに〜!」なんて話してました。だから、本当に公平さんの録音があって、しかも「ぬらりひょんの孫」って聞いて、すっごい嬉しかったです(^o^) …とは言っても、実は私はこの原作は読んだことがないんです。ただ、公平さんのブログで初めてそのタイトルを見たあと本屋さんで平積みされてるコミックを見つけ「あ、これか〜♪」と嬉しくなり、しかも「テレビアニメ化」って書かれてる帯を見て「みんなっ、この音楽は公平さんがやるんじゃよ〜♪」と心の中でつぶやきながら1人にやにやしてました(^^ゞ |
そんなわけで、ちょっと原作について調べてみました。椎橋 寛(しいばしひろし)さんが描かれた少年漫画で、現在も週刊少年ジャンプで連載中です。 物語の舞台となっているのは現代の日本で、「妖怪軍団」の総大将「ぬらりひょん」の孫である「奴良リクオ」という少年を中心に、人間と妖怪の日常を描いたものなんだそうです。この妖怪たちはいわゆる現代のヤクザのような集団を形成してるらしいので、その組同士の争いみたいなものもあるんでしょうか…何やら四国八十八ヶ所霊場を思わせる「四国八十八鬼夜行」なんてのも設定にあるようで、実際の1番から5番札所までがわりと自宅の近くにある私としては、そんなところからも興味津々ですo(^-^)o |
| さて、その音楽ですが、おっちゃんには事前に篠笛とティンホイッスルのオーダーがあったそうです。で、冒頭に書いたような会話のあと、イマジンのお仕事の1つが公平さんのものだと分かったときに、おっちゃんと「やっぱり妖怪系ってことで、和風でおどろおどろしくいくんかなあ?」「そういや公平さんって、いままで思いっきり和風ってのはなかったよなあ」なんて話しつつ、どういう使われ方をするのかとても楽しみにしてました。
その気になる篠笛やティンホイッスルの使い方ですが、予想してた「おどろおどろしい感じ」とはちょっと違って、公平さんらしい骨太で明るい音楽の中に和風のテイストを加えるって感じで、しかもどこか異国情緒的な感じもあって、なかなか面白かったそうです。そのあたりのことをおっちゃんは「増二度を含むジプシー的な音階を使った」なんて言ってましたが、私にはその「増二度」とやらがよく分かりません。でも、公平さんのブログのこちらにも書かれてるように、新しい公平さんの音楽であることは間違いないようです(^O^) |
こちらは録音当日のブログ(ここ)とはまた別の公平さんです♪ もうちょっとあとでは、この角度から撮影した公平さんの動画をお見せしますよ〜! |
また、楽譜に「ホイッスル」と指定があった曲は、テンポが速い上に臨時記号もいっぱい出てくるので、楽器を取っ替え引っ替えしながら別録りにしなければいけない感じだったそうです。で、公平さんに相談してみると「特にホイッスルでなくてもいいですよ♪」って言ってもらえたそうで、この曲はリコーダーでやっちゃったそうです。ここで大事なのは、おっちゃんはリコーダーをホイッスルっぽく吹いたりできるので、公平さんが作曲されたときのイメージをそう崩すことはないってところでしょうか…♪ それにしても、テンポが速くて臨時記号もいっぱいのホイッスルって、どんなんだろう。おっちゃんの話では「ソロヴァイオリンとまるまるユニゾンで、同じフレーズを4回くり返すようになってる」とのことだったので、出だしは劇場版「ワンピース デッドエンドの冒険」のサントラの2曲目「地下の酒場,大ホール(試聴はこちらで)」みたいな感じなのかなあ。とにかく、この曲は最初こそ譜面どおりですが、最後はかなりハチャメチャなアドリブになって大いに盛り上がって終わるというとても面白い曲らしいので、オンエアが楽しみです。何せ、演奏したおっちゃん本人が「インドとかアジアのお祭り騒ぎを思い出させるようなノリで、面白かったわ〜!」と声を大にしてた曲ですからね〜。でも、4回も繰り返すってことは、テレビだと途中で切られたりするのかなあ…できるだけ長く、その盛り上がるところまでテレビで聴かせてほしいものですo(^-^)o では、先にご紹介した指揮をする公平さんを動画で2つ続けてどうぞ〜。あ、やっぱり今回も音は消してあるんですが、下の方の動画の後半では、ちょっとまた別の動きがありますよ(^.^)b
[高画質で再生]
[高画質で再生] どうでしたか? 編成は、弦(マサさんのグループ:64422)、フルート&篠笛&リコーダー(おっちゃん)、フルート&ピッコロ(金子奈美さん)、オーボエ&イングリッシュホルン(石橋雅一さん)、クラリネット&バスクラリネット(元木瑞香さん)、ハープ(斉藤 葉さん)、トランペット(西村浩二さん・横山 均さん・木幡さん)、トロンボーン(中川英二郎さん他2名)、チューバ(佐藤 潔さん)、ホルン(藤田乙比古さん・萩原さん他女性1名)、パーカッション(草刈とも子さん・高田みどりさん)、ピアノ(松田真人さん)、指揮(田中公平さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。 また、この日の配置としては、おっちゃんたち木管セクションはオーボエとクラリネットは弦と同じフロアに、おっちゃんと奈美さんのフルート2人は、普段はラテンパーカッションが入ってるブースに入ったそうです。おっちゃん曰く「多分、篠笛やホイッスルを分離しておきたいっちゅうことなんちゃうかなあ」とのことでした。こういった配置のこととかは、またいつかエンジニアの吉田さんにもお話を伺ってみたいものです♪ |
こちらは公平さんとおっちゃんの2ショットです♪ どうです、この公平さんの満面の笑顔は…何かもう、見てるこちらも一緒に笑ってしまうような、ほんとに素敵な写真でしょ? そんなわけで、写真にマウスを乗せると、もうちょっとアップで見られます。それにしても、これは誰が撮ってくれたんだろう…カメラマンさんとの信頼関係も見えるようですね(*^^*) |
ところで、このところのイマジンさんの録音現場では多田彰文さんが代棒をされることが多いんですが、この日は公平さんご自身が振ってらしたそうです。でも、多田さんもちゃんと現場にいらして、なぜかネクタイにスーツ姿で「今日は公平さんのマネージャーです」なんて言って笑ってらしたそうです。多田さんって、何気ない会話やメールの中にもサラッとジョークを入れてたりして、とても面白い方なんですよ(^o^) このアニメは、2010年7月から「TOKYO MX」「BS11」「中京テレビ」「読売テレビ」などでオンエアされます。実は録音があった4月14日の段階では「TOKYO MX」と「BS11」でのオンエアって情報しかなくて「うちでは見えんわ…」としょぼくれてたんですが、その後4月19日に読売テレビでも放送することが決まったようで、嬉しく思ってるところです。まだ各局の詳しいオンエア日時は発表されてないようなので、これから公式サイトをマメにチェックしててくださいね(^.^)b |
530 ポケットモンスター 新シリーズ「ベストウィッシュ」の音楽(宮崎慎二)
2010年4月12日。朝から強い雨の降ってたこの日の夕方、おっちゃんはサウンドシティのAスタに行きました。おっちゃんはインペク屋さんから「14日は宮崎慎二さん」って聞いてて、私は3月ごろに宮崎さんから「いまポケモンの音楽を書いてる」って聞いてたんで、2人で「今日は絶対にポケモンやな♪」なんて言い合ったんですが、案の定ポケモンの音楽録りでした。で、ポケモンって、テレビアニメに映画にゲーム…と色んな種類がありますが、今回は2010年秋から放映予定のテレビ新シリーズ「ベストウィッシュ」のための音楽です。 |
こちらは左から、代棒の多田彰文さん、オペレーターの丸尾 稔さん、作曲の宮崎慎二さんです(^O^) 丸尾さんってこちらのレポ内の写真を見ていただくと分かりますが、カメラを向けるといつも面白いポーズを取ったり、変な顔をする楽しい人なんですが、今度もそんな感じです。 写真にマウスを乗せると画像が切り替わりますが、やっぱり丸尾さんが面白いです(^^ゞ |
そうそう、この録音に関しては、お仕事が決まった時点でおっちゃんの方に「フルートは2人」というオーダーがあったので、いつものように金子奈美さんに来てもらうよう連絡したんだそうです。そしたら録音の2日くらい前になって急に「リコーダーを2人でお願いしたい」という連絡が入って、おっちゃん焦る焦る(@_@;) …というのも、実は奈美さんはリコーダーの実績がないんだそうです。スタジオミュージシャンの中には、おっちゃんのように色んな楽器を持ち替える方から1つの楽器で通される方まで色んな方がいらっしゃいますが、そういえば奈美さんは今までフルートとピッコロだけだったような…? でも、ここでフルートを奈美さんからリコーダーも吹ける別の人に代えたりせず、むしろこれを奈美さんの新たな一歩のチャンスにしようと思ったおっちゃんは、インペク屋さんに「リコーダーは奈美さんにやってもらいたい。で、もし、すごく難しいキーだったり、やりにくいフレーズだったら、そのときは自分がダビングで重ねるってのでもいいですか?」とたずね、その了承を得た上で、そのまま奈美さんに「手元にある楽器を持ってきて」と連絡して来てもらったそうです。 だから、スタジオに入ってまず気になったのはリコーダーの楽譜。実際にはリコーダーの楽譜は2曲あって、そのどちらもそれほど難しいという感じではなかったので「これならいけるかな?」と、とりあえずはホッとしたとか…。で、奈美さんの方もやっぱり不安だったのか、いつもよりずっと早めにスタジオに来ていたので、録音開始までスタジオのロビーで2人で一緒に練習してたそうです。このことを振り返っておっちゃんは「長いことスタジオの仕事しとるけど、事前に分奏したんや初めてちゃうかなあ」なんて笑ってました(^o^) |
こちらは、おっちゃんとエンジニアの中村さんです。写真にマウスを乗せると、今度はフルートの金子奈美さんと中村さんとの2ショットになります。 ふむ…心なしか(いやもう、見たまんま?)中村さんはおっちゃんとの2ショットよりも奈美さんとの2ショットの方が、でれぇ〜っとしてるような…? 中村さんにはこのあと当日の現場でのビックリどっきりハプニングについてお話をしていただけてるので、どうぞお楽しみに♪ |
あ、この日は事前のオーダーでは聞いてなかったオカリナの曲が1曲あって、もし電車で行ってたら「頼まれてなかったから持ってこなかった…楽器がないからできない」ってことになるんですが、この日は大雨だったせいで車で行ってたので楽器はバッチリ。楽譜を見た感じでは、音域の問題から2種類のキーのオカリナを使って、分けて録音すればいいかなあ〜なんて思いながら始めたそうです。 ところが、いざ始まってみると、思いっきり中国風な音楽の上にマサさんの二胡まで入ってる…これを聴いた瞬間におっちゃんは「こりゃ、オカリナで分けて録るより、篠笛でそれらしく吹いた方がいいかも?」ってことで、オカリナと一緒に持ってきてた篠笛の方でやることにしたそうです。で、とりあえず試しにやってみて聴いてもらうと「OK」が出たそうで、結局オカリナでなく篠笛でやったそうです。まあ、おっちゃんの本音としては明笛の方がいいなあって思ったそうですが、また車に取りに行くような時間がなかったので、そこはもう諦めることにしたとか…(^^ゞ で、このマサさんの二胡とおっちゃんの篠笛と石橋さんのオーボエによる曲がほんとに素敵だったそうで、代棒の多田さんからは「旭さんのフルートも絶好調でしたが、マサさんの胡弓と石橋さんのオーボエと共に奏でる旭さん篠笛の音色に、とても癒されました!」と、フルートの奈美さんからは「マサさんと石橋さんとおっちゃんがコラボするアジアな曲、素晴らしかったさあ。このところお疲れ気味の私は‘なぁ〜んか高級スパにいるみたぁい〜’とすかさずおっちゃんに話して、おっちゃんに苦笑されたよ」なんてコメントもいただきました。この曲、どんなキャラの…またはどんなシーンで使われるんでしょうね〜。ものすごく聴きたいです! ところで、もう何十年もアニメにドラマに映画、そしてCMや舞台音楽に至るまで様々なジャンルの録音に参加してるおっちゃんが、今回あらためて「テレビ用の音楽とフィルムスコアリングの映画用音楽との違いがよう分かった」って言ってました。あ、フィルムスコアリングの場合…特にアニメ映画のフィルムスコアリングの場合はとても細かい絵合わせがあるので、テンポも拍子も目まぐるしく変わり、それこそ「これぞ作曲家さんの腕の見せどころ」ってものがあるようですが、テレビ用の場合は色んなシーンに応用できるように少し長めに作られることが多いんですよね。だから、今度は「これぞ作曲家さんの聴かせどころ」とでも言うべきか、とにかく音楽的にはまとまったものが書けるようです。 で、そういうことをおっちゃんが改めて口にしたって言うのは、ほぼ毎年のように劇場版ポケモンの録音に参加し、宮崎さんの書くフィルムスコアリングの音楽をよく理解してるおっちゃんだからこそ、何か今回の音楽には特別に感じる宮崎さんの新たな魅力があったのかもしれませんね(^o^) |
こちらは楽譜か進行表らしきものを見ながら何やら調整してるっぽいエンジニアの中村さんです。 こういう写真を見せてもらうたびに思うんですが、ほんっとこんなにたくさんボタンがあるのに、よく素早く的確に操作できますよねえ…私は田中公平さんの作家生活30周年記念コンサートのときに中継車見学をさせていただいて、そのときに間近でこの調整卓を見たんですが、目がチカチカして大変でしたよ(;^_^A |
あ、こうした劇伴録音の場合、スタジオで録音する生オケ・生楽器のほかに、作曲家さんやアレンジャーさんが作った打ち込みの曲をエンジニアさんがスタジオで使えるように事前にご自宅などで何かしらの処理をしてくるんだそうですが、今回そこに大きな落とし穴(?)があって、エンジニアの中村さんの身の上に大変なアクシデントが降りかかっていたんです。 …まあ、ものすごく簡単に、しかも身近なものにたとえるとすると、中村さんのご自宅にあるブルーレイのデッキで録画したDVDをスタジオに持ってきて、「さあ、もうすぐ皆の前で再生するぞ!」ってときになってスタジオにはそのブルーレイで録画したものは再生できないような古いデッキしかないことが発覚。いまさらスタジオのデッキの買い替えはできない…どうする、中村さん!?って感じのお話なんです。 そのあたりのことを中村さんからのメールをそのまんまお見せしますので、ぜひご覧ください。ベテランエンジニアさんらしく専門用語も多いんですが、そうした専門的な部分よりも、むしろ中村さんの焦り方が笑え…いやいや、一緒になって背中に嫌な汗が流れるようなドキドキのメールですよ〜。こちらです→CLICK |
こちらは録音当日のブログ(ここ)に載せたものと同じですが、冒頭の写真におっちゃんも入った記念写真です。お…珍しく、丸尾さんが普通にカメラ目線になってますね〜! |
この日の編成は、弦(マサさんのグループ:6442→2222)、フルート&リコーダー&篠笛(おっちゃん)、フルート&ピッコロ&リコーダー(金子奈美さん)、オーボエ(石橋雅一)さん、クラリネット(十亀正司)さん、トランペット・(菅坡雅彦さん・横山 均さん他1名)、トロンボーン(中川英二郎さん・松本 治さん、山城純子さん)、ホルン(藤田乙比古さん他1名)、オペレータ(丸尾 稔さん)、指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。 テレビ用ってことで、少し小さめな編成なんでしょうか。中村さんはこの録音の直前に映画「クレヨンしんちゃん」の録音(録音レポはこちら)でホルン4管編成を聴いたところだったので、ちょっと寂しく感じたそうです。そりゃ、半分ですもんねえ…。でも、テレビ版ならではの魅力っていうか、ほら…おっちゃんの言ってた「これぞ作曲家さんの聴かせどころ」ってのがあるようですし、これは目が離せませんよ〜! あ、代棒の多田さんからは「毎回、スタジオミュージシャンの方々からはどこか勝負師のような並みならぬ気迫を感じます。19時から4時間近くの録音にもかかわらず、初見演奏で100%近く完成された演奏をたたきだしてくるあの理解力はサスガ超一流な人々だと思います」という素敵なコメントもいただきました(^O^) まだ正式な放映開始日は公表されてませんが、今秋スタートの新しいポケモンをどうぞお楽しみにo(^∇^o)(o^∇^)o |
529 映画クレヨンしんちゃん「超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」(荒川敏行・多田彰文)
2010年3月20日。ビクターの301スタに行きました。この日は映画クレヨンしんちゃん「超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」の音楽録りで、作曲は劇場版の1作目「」からずっと通して担当されてる荒川敏行さんと多田さん…そう、うちのレポでは近年では「桃華月憚」「異世界の聖機師物語」などで取り上げさせていただいた多田彰文さんです(^.^)b 多田さんとは去る2月に行なわれた「劇場版ポケモン」の音楽録りのときから直接メールでお話させていただけるようになり、そのころに「いま、私がとても好きな作品の音楽に取りかかってます」「ほんとにこの作品が好きで、愛情いっぱい詰め込んで書いてます」というようなお話を聞かせてもらってましたし、多田さんのブログでも「いまはまだ話せないことが悔しいけど…」という書き出しではありますが、その作品への思いをつづられてました。そうかぁ〜それがこの「クレヨンしんちゃん」だったんですね〜! |
こちらは多田さんが持ってらした今回のチラシ(?)で、まるで結婚式の招待状のようなしっかりした紙でできていて(実際に結婚式の招待状をイメージして作られたものだとか…)、皆で見せてもらったんだそうですよ。 公式サイトを見ると、今回はしんちゃんのお嫁さんだと名乗る女性が未来から現れて「夫(つまり、大人になったしんちゃん)を助けてほしい!」って頼んでくるんだそうです。 何でも、悪いやつらに捕らえられた大人のしんちゃんを助けるには、5歳のしんちゃんの力が必要なんですって。で、そのしんちゃんがタイムマシンで未来に行くときに風間くんたち「かすかべ防衛隊」皆も巻き込まれて一緒に未来に行って、しんちゃんと一緒に悪いやつらと戦うみたいです。 |
あ、この映画に連動させてるのか、3月末現在にオンエアされてるテレビシリーズのしんちゃんも「未来に行って自分のお嫁さんに会ってくる」みたいなお話になってますね。最近こういう連動スタイルって多いですよね? で、テレビシリーズでは、タイムマシンがしんちゃんちの洋式トイレで、しんちゃんを含むかすかべ防衛隊の皆が便座の周りに並んで座って吸い込まれていったり、未来で出会った自分のお嫁さんが「みさえ」とそっくりだと知った瞬間(結局しんちゃんの勘違いだったけど)「オラはこんなとこ、来とうはなかった!」なんて、どこぞの大河ドラマのセリフを真似たようなのがあって大笑いしたんですが、映画はどんな感じかな〜? この日の全体での録音時間は3時間。おっちゃんからは「40曲くらいある…こんなん3時間で終わるんか!?」なんて声が上がってたんですが、その内訳としては荒川さんの分が8曲、多田さんの分が29曲だったみたいです。ですから、全部で37曲ですね。また、多田さんやエンジニアの中村さんから教えていただいた情報だと、このほかに多田さんによる打ち込みの曲が10曲、荒川さんによる打ち込みの曲が17曲あった上に、荒川さんにはさらに先行配信された「アラサーソング」っていうのがあったみたいなんで、映画全体としては全部で65曲にもなるみたいです。 あ、おっちゃんと多田さんは「Twitter」をやってるそうで、その中で事前に多田さんから「フルートのソロをご用意して、お待ちしてますよ」なんて聞かされてたそうです。で、半分ドキドキ半分ワクワクな気持ちでスタジオ入りしたおっちゃんですが、荒川さんのを含めて3曲ほど素敵なソロがあったそうです。ほんとにとっても綺麗なメロディだったそうで、吹いたおっちゃんも「どんなシーンで使われるんやろか」と興味津々のようでした。 ところで、この録音が行なわれた翌日にブログの方にも少し書いたんですが(ここ)、今回の劇場版「クレヨンしんちゃん」の作曲は、テレビシリーズからずっと音楽を担当されている荒川敏行さんと、今回初参加の多田彰文さんです。劇場版クレヨンしんちゃんは、いままで荒川さんとともに宮崎慎二さん、浜口史郎さん、澤口和彦さん、丸尾 稔さん、若草 恵さん…と、色んな方が音楽を手がけられてきたんですよね。で、18作目にして多田さんの登場です。多田さんは「クレヨンしんちゃん」という作品が大好きだそうで、冒頭に書いた私へのメールだけでなく、録音現場でもおっちゃんたちに「ぜひ自分もやりたいと思ってた」って、それはそれは嬉しそうに話してらしたそうですよ(^o^) |
こちらは多田さんとマサさんの2ショットですね♪ 多田さんと同じイマジンに所属されてる大塚さんというアシスタントさんが撮ったものを、多田さんが送ってくださいました(^o^) 写真にマウスを乗せると、今度はおっちゃんが撮った多田さんとコントラバス奏者の一本茂樹さんとのお話し中の様子になります。 うちの過去のレポを見ていただいても分かるんですが、多田さんは作曲のほかにご自身でも色んな楽器を演奏されるんですよね。なので、これはもしかしたらコントラバスの奏法とかについて聞いてるところなのかな…。そういえば、この現場には一体どんな楽器を持ち込んでらしたんでしょ〜? |
さて、この日の音楽ですが、作曲された多田さんご本人が「愛情いっぱい込めた」のお言葉通り、幅広く重厚なサウンドからテンポの速いもの、変拍子を含んだスリリングなものにしっとりしたもの…と曲想がバラエティに富んでいるのはもちろんのこと、各楽器の特性をとてもよく生かした充実した内容だったそうです。で、そうした多田さんの愛情は楽譜にもあふれてたようで、おっちゃんは「ほんまにこの作品が好きなんやなあってのが見えるような、すごい楽譜だったわ」と、感心しきりでしたよ。あ〜あ、私に楽譜が読める力があったり、もっと音楽の知識があったら、私もそういうのを少しは感じられたかもしれないのに…こうやってレポを作らせてもらってて悔しく思うのが、こういうときなんです(>_<) そうそう、冒頭に書いた「桃華月憚」と「異世界の聖機師物語」で言えば、私は「桃華月憚」は映像は見えてないけどサントラは持ってて、逆に「異世界の聖機師物語」は最初の何話かはDVDで見たけどサントラは持ってないって状況なんです。でも、この2つはかなり作風が違っていて、こんなたった2つの作品からも、多田さんの引き出しの多さを実感できます。しかも、「異世界の聖機師物語」は音楽の流れるシーンが多くて、しかもしかも流れるたびにガラッと曲想が変わることがあって、あの1つの作品の中だけでも随分とビックリしたものです。さあ、今回の「クレしん」はどんな感じなのかなあ。私も早く、多田さんのしんちゃんへの愛情を感じたいです(*^^*) そんな多田さんの音楽に参加したのは、弦(マサさんのグループ:66442)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、トランペット(菅坡雅彦さん・横山
均さん・河東伸夫さん)、トロンボーン(松本 治さん・山城純子さん他1名)、ホルン(藤田乙比古さん・萩原顕彰さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん)、打ち込み(多田彰文さん・荒川敏行さん)、指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村さん)でした。ん?ホルンが4本ってすごくないですか?今回の音楽には、ホルンが目立つところがあるんかなあ。 |
こちらは指揮をしてる多田さんです。 2月5日に行なわれた劇場版ポケモン「幻影の覇者 ゾロアーク」と2月23日に行なわれたアニメ「おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」の録音レポで多田さんの「代棒」について触れさせていただきましたが、今回は「代棒」じゃなく本物(そんな言い方あり?)です♪ この多田さんの指揮の様子は、あとで動画でもお見せしますね(^_-)-☆ |
あ、先ほど「この日に録った曲の内訳は、荒川さんの分が8曲…」みたいなことを書きましたが、その荒川さんの分も多田さんが振ってらしたそうです。私の勝手な想像ですが、きっと「先に荒川さんの分、それが終わったら多田さんの分…」みたいに分けて順番に録るんではなく、編成とか録音の機械の都合なんかでお2人の曲をごちゃ混ぜにした順番で録るんだと思うんで、途中で指揮者が入れ替わりまくらなかったっていうのも、短時間でたくさんの曲を録ることに成功した要因の1つかもしれませんね♪ |
こちらは副調室での荒川敏行さんです。 荒川さんはテレビ版と劇場版の「クレヨンしんちゃん」の音楽をずっと担当されてるほか、アニメ「少年アシベ」や「サイボーグ クロちゃん」の音楽なども担当されてる方で、前々からおっちゃんに「どんな人か知りたいけん、写真をお願い〜!」って言ってたんですが、いつも上手くタイミングが合わなかったんです。 で、今回ようやくその願いが叶いました(^o^) |
荒川さんは、ここからモニター越しに多田さんの指揮を見てたりするんですかねえ。で、もし多田さんの方から何か質問があったりしたら、ここからマイク越しに?または直接フロアにまで行って?答えたり、何かしらの指示を出したりするんでしょうか…。 |
こちらもまた大塚さんが撮ってくださったスタジオの写真を、多田さんが送ってくださったものです。 写真にマウスを乗せると、弦セクションの…しかもコントラバスの様子になりますよ。 大塚さんという方は作曲を勉強されてる傍らチューバ奏者でもいらっしゃるそうなんで、低音楽器に注目した視点での写真の撮り方っていうのがちょっと新鮮ですよね(^o^) |
あ、私の大好きな奈美さんもいる〜! |
こちらも多田さん経由でいただいた、大塚さんの撮った写真です。おっちゃんの遠くを見つめる目、雰囲気、いい感じでしょ〜? 写真にマウスを乗せると、もっといい感じのおっちゃんになりますよ♪ でも…何でここにティッシュ?しかも何で縦になってんの? せっかくカッコいいおっちゃんの写真なのに〜!…って文句を言いたいとこなんですが、このティッシュの意味は後ほど明らかになります(^_-)-☆ |
ところで、エンジニアさんはこうした生楽器の録音のあともトラックダウンなどの色んな作業が何日もあるわけですが、今回はそんな作業がちょっと落ち着いたころに「トラックダウンが終わって3日目で、やっと疲れが回復しました〜!」という元気な第一声(メールだから第一文?)とともに、またまた中村さんが面白いお話を聞かせてくれましたよ(^o^)b |
こちらはそのエンジニアの中村さんです。 多田さんが作られた曲の中で打ち込みオンリーっていう10曲に関しては、事前にご自宅で2mixというところまでやって、その後appoスタジオで5.1mixにまで仕上げたそうです。 タイトなスケジュールの中で何とか無事にTDが終わったことに関して中村さんは「多くは多田さんの曲のおかげです。それは一環したオーケストラとしての構成力と事前のシミュレーションを含めた打ち込みのおかげだと思います。」なんておっしゃってました。 |
さて、その中村さんからの貴重なお話の前にまず…スタジオ録音では、指揮者やミュージシャンの皆さんは「クリック」と呼ばれるメトロノームのようなものをイヤフォンで聴きながらやってることはもうご存じですよね? この「クリック」ですが、ピアニッシモで演奏してるときなんかにときどきこの「クリック」の音がイヤフォンから漏れて聴こえてしまうことがあるんだそうです。で、たとえば弦が演奏しててフルートがお休みの曲のときに、フルートの人のイヤフォンから漏れ出たクリック音がフルートのマイクに拾われてしまうのは、あとからそのフルートのマイクを消せばいいんで特に問題ないですよね。でも、たとえばヴァイオリンがソロでやってるときに、その周りで休んでる弦グループの人たちのイヤフォンから漏れ出たクリック音がソロヴァイオリンの人のマイクに拾われたら、それはもう消しようがないんで録り直しってことになるんだそうです。まあ、最近はそう録り直しになったりしないように色々と工夫はしてるそうですが、それでもときどきはあるんだそうですよ。 で、その工夫ってのが今回の中村さんのお話なんです。 オーケストラものは事前にシミュレーションで、弦、木管、ブラスみたいに入っていたものを聞いて、クリック(わたしの場合はスネアのサイド・スティックをEQしてあるものを使用)を音量を1曲ずつ上げ下げの調整をしています。これをしないと、例えば、フォルテの後に休符があって、静かに弦から入って来るような曲のときに、クリックが演奏者がしているヘッドフォンやイヤホンから漏れて録音に入っちゃうんですね。 |
どうですか? それにしても、ほんとに細かくクリックの音量を調節してるんですね〜。ちなみに、おっちゃんのお話によると、こんなふうに細かくクリックの音量を調節してくれるっていうのを始めたのは、おそらく今回の中村さんと、同じくイマジンの吉田俊之さんが最初だと思う…とのことでした。まあ、いまでこそ他のスタジオでもこうした配慮をしてくださるところが増えてきたそうですが、ここまで細かくしてくださるのはやっぱりイマジンさんだけですし、この下準備(?)に初めて出会ったときはとても驚き、そしてとても嬉しく思ったそうですよ。 こうやって、たった1つの作品の、しかも音楽という一部のジャンルの中だけでも、ほんとにたくさんの人の思いやりや支え合いがあって成り立ってるんですね〜! あ、このほか中村さんからは、この日の録音に使った機材についても詳しく話していただけました。それは別ページにまとめてありますので、ぜひ合わせてごらんください♪→CLICK |
おおっ、お話したいことが多すぎて最後になっちゃいましたが、いよいよ多田さんの指揮姿を動画でお届けします。でも、今回もまた大人の事情により音は消してあります。また、前にブログのこちらに書いたように、これまで「動画の音を消す」っていうのができなかった私が、松尾早人さんの「電話でパソコン教室」のおかげで無事に「音を消す」ってことだけはできるようになったんです〜。でも、今回は映像の一部にボカシを入れるというさらに高等な技術が必要になったんでまたもや自分ではできず、今度は多田さんご本人がボカシ入れから音消しまで全ての作業をやってくださいました。ほんっと、いつも色んな方に助けてもらってばかりのサイトです。では、そんな優しい多田さんの力強い指揮姿を、どうぞたっぷりとご覧ください(^_-)-☆
[高画質で再生]
どうでしたか!? で、先ほどお話したおっちゃんの横に立ててあるティッシュ箱ですが、実はあのティッシュの箱の上にデジカメを置いて、この動画や先の多田さんの写真を撮ってくれてたんでした〜。あの縦のティッシュの箱のおかげで、手ぶれもないし、撮影のアングルもバッチリでしょ?(^_-)-☆ この映画は、2010年4月17日(土)より全国でロードショーされます。この「クレヨンしんちゃん」は私も多田さんほどではないにしても好きな作品で、映画は多分ほぼ全て見てるんじゃないかと思います。まあ、なかなか映画館までは行けないんで、レンタルDVDになってからかテレビでの放送で…なんですけどね。だからこそ、そして原作者の臼井儀人さんが2009年9月に事故で急逝されてから初めての映画となるこの作品にとても注目していますし、楽しみにもしています。皆さんも是非、多田さんが繰り広げる新しい「クレヨンしんちゃん」の世界を、広い劇場の大音響で大いに楽しんでくださいねo(^-^)o |
528 アニメ「おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」(浜口史郎)
2010年2月23日。サウンドシティのAスタに行きました。この何日か前におっちゃんから「今度、浜口さんの仕事がある」って教えてもらって、そのときに「多分‘おお振り’ちゃうんかなあ?」って言ってたんですが、案の定「おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」の録音でした。この「おおきく振りかぶって」は、ひぐちアサさん原作による漫画で、2003年から講談社の「月刊アフタヌーン」で連載が始まりました。その後、2006年に「第10回手塚治虫文化賞 新生賞」を、2007年には「第31回講談社漫画賞一般部門」をそれぞれ受賞するなどして、2007年4月からは水島 努監督の下でアニメ化されてTBS系列などで放送されました。 その第1期シリーズの音楽も浜口史郎さんで、初回録音レポはこちら、その追加録音レポはこちらと、幸運なことに2回も取り上げさせていただくことができました。そして今回の第2期シリーズの録音も…ほんとに嬉しいし、ありがたい限りです(*^^*) そうそう、前のシリーズの録音では、おっちゃんはケーナ・リコーダー・ティンホイッスル・篠笛など色んな楽器を使ったんですが、当時はまだホイッスルのキーが揃ってなくて苦労した部分も少なくなかったんです。で、今回また運よくスケジュールの調整がうまくいって新シリーズの音楽にも参加できたおっちゃんは、そんな前シリーズの録音を振り返って「あのとき、いまくらい楽器が揃うとったらもっと楽に出来て、もっと浜口さんの色んな要望に応えれたのになあ」と、ちょっと口惜しそうでした。こうなると「ほな、あのときにできんかったことを今回の録音で!」と思うんですが、皮肉なことに今回はフルートだけだったそうです(^^ゞ ふむ…なかなか上手くいきませんねえ。でも、今回はフルートだけってことは、もしかすると前シリーズの音楽もそのまま使うってことなんでしょうか。あとでこの録音時の編成を書きますが、それを見てもちょっと小さめ?軽め?なんですよねえ。もし前シリーズのも続けて使われるとしたら、これは嬉しいんだけどなあ。桐青高校との試合で、マウンドでへたれ込んだ三橋くんにチームの皆が「オレたちが受け止めてやるから」って言って励ましたときの感動的な曲とか、コミカルなシーンでよく使われたおっちゃんのリコーダーが愛らしく飛び跳ねた感じの曲とか…とにかく、印象的で大好きな曲がいっぱいなんです。セリフや効果音のないサントラでじっくりと音楽だけを聴くのもいいんですが、またテレビを通して聴いてみたいもんです。 |
こちらはおっちゃんの入ったブースから見たフロアの様子です。 写真にマウスを乗せると中央にいるマサさんがアップになりますが、何やら指揮者席の譜面台の上にあるものに見入ってるようです。何があるんだろう…やっぱり譜面かな? ん?手前にはビデオカメラがありますね。録音の様子を撮るのかなあ。単なる記録用なのか、いつかどこかで私たち一般人も映像として見られるのか…と思ったら、指揮が綺麗に見えないブースの中の人のためにこのカメラで指揮者を撮って、それをブース内のモニターで流すんだそうです。 |
| この日の編成は、弦(マサさんのグループ:66442)、フルート(おっちゃん)、オーボエ(石橋雅一さん)、クラリネット(十亀正司さん)、ホルン(藤田乙比古さん他)、ギター(田代耕一郎さん)、指揮(多田彰文さん)、エンジニア(吉田俊之さん)でした。
ね?ちょっと軽めでしょ〜? |
こちらは浜口さんとおっちゃんです♪ 浜口さんはこの「おお振り」の音楽を書いてた同じ時期に「ジュエルペット」の書きも抱えてらしたんで、ほんとに大変な毎日だったと思います。何せ、曲数が半端じゃなく多いですからね〜。 でも、思ってたよりずっとお元気そうで、良かった良かった(*^^*) |
ところで、今回のこの「夏の大会編」の見せ場の1つに、阿部くんの負傷シーンが挙げられると思うんです。どういう状況で怪我をするのかは原作を読んで方のないために伏せますが、何とも胸が詰まるシーンなんですよね。で、「おお振り」2期の制作が正式に決まって、その音楽を作っていくに当たって原作を読み直したという浜口さんも、このシーンではほんとに泣きそうになったって言ってた気がします。 …あ、何でこんな曖昧な書き方かというと、2期の制作が決まった2009年12月ごろに浜口さんに何度もメールの相手をしていただいて、作品に込める思いや作曲に向かうまでのエピソードなど素敵なお話をたくさん聞かせていただいたのに、しかもそれをレポに使おうとメールの保存だけはしてあったのに、その1ヵ月後に突然やってきたパソコン故障の際に全てのデータが吹っ飛んでしまったんですよね(>_<) 何はともあれ、浜口さんって見た目は格闘技系かスポーツジムのインストラクター系ですが(やっぱり高田延彦さんに似てる気がするなあ!)、中身はものすごく繊細で優しい方なんだと思います。確か、2008年に浜口さんが手がけられた映画「たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?(508番参照)」のときにも、その可愛くて笑えるキャラの裏に隠された意外な人間ドラマにウルウルしてましたもんね〜。普段のメールからも、とてもまっすぐでピュアで、それでいてどんなときでも相手への気遣いを忘れない、見習いたいと思うところがいっぱいの素敵な方ですよ(*^-^*) |
こちらは多田彰文さんとマサさんですね♪ 多田さんの爆笑に近いような笑顔と携帯を手に持つマサさんっていう構図からして…思うに、マサさんが仲間内に毎日のように送ってる面白画像を見せてるとこなんじゃないかなあ。 このマサさんの面白画像についてはずっと前にブログのこちらにも書きましたが、あのころからずっと今も変わらず、ほぼ12時きっかりに色んな画像が送られてきてます。いや、ブログに書いたころよりバージョンアップしてるかも?(^^ゞ |
さて、多田さんのお写真が出たところで、とっておきの動画を1つ♪
[高画質で再生]
勇ましい指揮っぷりでしょ〜? おっちゃんにとってこの多田さんの代棒というのはポケモンの録音に続いて2回目となるわけですが、今回も「もともと多田さんの棒はバッチリやし、宮崎さんのときと同じく浜口さんとも同じ事務所ってことで気心が知れとるだろうし…で、コントロールルームにおる浜口さんとのコミュニケーションもスムーズだったわ。浜口さんから細かい指示が出てもすぐに的確な対応をするし、さすがやと思うたなあ!」と、こちらも元気を分けてもらえそうなお話が聞けました。 余談ですが、前にアップした「刀語」というアニメの追加録音レポの中で「どうやっても自分では動画の音を消すってのができなくて、最後は松尾早人さんに‘代わりにやって〜!’って泣きついた」みたいなことを書いたんですが、実はそのときに今回の多田さんの動画も一緒に送って、その「音を消す」っていうのをやってもらいました。浜口さんのお仕事に同じイマジンの多田さんが代棒で参加され、さらには意外なところから松尾さんも参加です(^^ゞ 前シリーズは原作で言うと第8巻、西浦高校が桐青高校を下して1回戦を突破したところまでだったんですよね。今後、この西浦高校がどこまで駒を進められるのか…アニメの中で使われてる効果音は本物の高校球児がやってる練習の音を使う、スタンドでの応援曲も本物の高校生ブラスバンド部にやってもらうなど色んなところに熱いこだわりを見せているこの「おお振り」こと「おおきく振りかぶって」の第2期は、2010年4月1日よりTBSとMBSにて放送されます。どうぞ、お楽しみにo(^-^)o |
527 映画ポケモン「幻影の覇者 ゾロアーク」(宮崎慎二)
2010年2月5日。サウンドシティのAスタに行きました。この日の録音については事前に宮崎慎二さんのお仕事ということは分かってたんで、おっちゃんと2人で「この時期やと…やっぱりポケモンかなあ?」なんて言ってました。とにかく、宮崎さんとは2009年11月に行なわれた田中公平さんの作家生活30周年記念コンサートで少しだけお話して以来なかなかゆっくりメールもできなかったんで、今回こうしてレポを作らせていただける機会に恵まれたことを嬉しく思っています(^o^) さて、そのお仕事は案の定、2010年7月10日(土)から公開される映画「幻影の覇者 ゾロアーク」の予告音楽用の録音でした。全部で約10曲。予告音楽らしく、テンポが速く短いものが多かったそうですが、それでも細部まで配慮が行き届いた楽譜におっちゃんも感心しきりでした。おっちゃんがときどき声を大にして「よう書けとる!」って褒める作曲家さんが何人かいるんですが、宮崎さんはその中のお1人なんですよ(^o^)b 映画の公式サイトの「ストーリー&見どころ」というページを見ると、いくつかの画像とともにあらすじが紹介されてるんですが、またまた絵が綺麗ですよ〜。ポケモンの映画を観るといつも思うんですが、ほんと風景の描き方が見事なんですよね〜。で、私はその町並みから何となくイタリアのフィレンツェあたりを想像してみたんですが、どうやら今年はベルギーとオランダにロケハンに行ったみたいです。そのときの様子は、同じく公式サイトの「ロケハン」ページに何枚か写真が掲載されてますし、今後も増えていくみたいなので要チェックですよ♪ |
ところで、今回の現場では、いままでのポケモンの予告音楽録りと1つだけ大きく変わったところがあります。それは何と、宮崎さんと同じイマジンの作曲家である多田彰文さんが代棒を振られてたってことです。 …とは言っても、何も聞かされてなかったおっちゃんは、録音が始まるちょっと前にスコアを持って指揮台で広げてる多田さんに驚いて「あれ?今日は宮崎さんの仕事のはずやのに…?」っていう心の声がそのまんま表れたような顔をしてたら、多田さんの方から「代棒デビューです(^^ゞ」なんてお返事があったそうですよ(^o^)b その後「オーディションみたいなものですよ(>_<)」「いやいや、バッチリですよ。多田さん、棒も上手いものね〜!」と、多田さんのお仕事で多田さんの棒を見て知ってるおっちゃんとの間で軽いやりとりがあって、録音は始まったようですが、この「代棒」について、ちょっと多田さんにお話を伺ってみました♪ |
その多田さんからは「いままで自分の曲で10年ほど指揮を振らせていただいて、今年からはほかの作曲家さんのお手伝いもしていこうと代棒を始めました」と、まずは代棒をされることになった経緯を聞かせていただけました。指揮法は、ホルンの藤田乙比古さんのアンサンブル仲間で、チューバ奏者&指揮者の大澤健一さんに教えていただいたそうですよ。この大澤さん、国立音楽大学と玉川大学でチューバやアンサンブル&指揮法などの講師をされてるそうですが、今までに、ハーツ室内オーケストラや東京シティ・フィル、それにドイツ学友協会管弦楽団や東京佼成ウインド・オーケストラにシエナ・ウインドオーケストラなども指揮をされてるという、すごい方のようです。 さて、ここで私に1つの疑問が…。いくら今回は宮崎さんという同じ事務所の作曲家さんだとは言え、同じ「作曲」というお仕事をされてる方からすると、ほかの方が書いた曲に触れるのに抵抗はないのかなあと思ったんですが、ここでとっても素敵なコメントをいただきました(^o^) 自分のプログラムではなくても、指揮をすることで作家さんと一緒によりよい音楽が作れることがとてもうれしく、まるで自分も一緒に書いたような気持にもなれて楽しいです。 …だそうです。どうです、思わず読みながら微笑んでしまいそうな良いコメントでしょ〜♪ そんなこの日の編成は、弦(マサさんのグループ:6422)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん)、クラリネット(元木瑞香さん)、トランペット(菅坡雅彦さん・横山 均さん他1名)、トロンボーン(中川英二郎さん・松本治さん・山城純子さん)、ホルン(藤田乙比古さん他2名)、パーカッション(高田みどりさん)、打ち込み&オペレート(丸尾 稔さん)、指揮(多田彰文さん)、エンジニア(中村充時さん)でした。予告編のための音楽ということもあってか、少し軽めの編成だったみたいですね。 そうそう、多田さんのブログのこちらの記事では「代棒に必要な7つ道具」なるものを紹介してくださってます。すべて写真つきですし、それらをどういう時にどんなふうに使うのかを詳しく書いてくださってて、ものすごく面白いです。そして、よりスタジオでのお仕事の様子が分かって、ますますおっちゃんたちのお仕事に興味を持ってもらえるんではないかと思ってますので、ぜひ読んでみてくださいね(^_-)-☆ こうして全体の録音のあとにパーカッションの高田さんはダビングがあって居残りしてたそうですが、あとは全員すんなりと1時間で終わったそうです。そういえば、去年の予告編の録音は機械のトラブルが色々とあったんでしたっけ…それを思うと、ほんと今回は良かったねって感じですね♪ 次はまた今年も6月ごろに本編の録音があるのかなあ…そのときもレポを作らせてもらえたらいいなあと思いつつ、いまはこれからあちこちで流れるであろう映画の予告音楽を楽しみにしているところですo(^-^)o |
526 アニメ「刀語」の追加録音(岩崎 琢)
2010年1月29日。この日は岩崎 琢さんとのお仕事で、サウンドインのAスタに行きました。お仕事の内容は、2010年1月から月に1度60分の枠で放送されている「刀語」というアニメの追加録音です。この「刀語」に関しては初回録音のときもレポを作らせていただいてるので(こちら)、合わせて読んでみてくださいね♪ いつものように少し早めにスタジオに着いたおっちゃん。すると、ロビーには人があふれてる上にスタジオではクラリネットのダビングをやってたので、ちょうど空いてたお隣のBスタでしばらく時間をつぶしてたそうです。そうしてダビングが終わったのを見計らってスタジオに入ると、Aスタのメインフロアは弦セクションでいっぱい、木管とブラスはガラス戸で隔てられたサブのフロアに入るような配置になってたとか…。ブースの中の席によっては棒が見えないところもあるそうですが、そういうところには大型のディスプレイが設置されてたそうですよ。こうして、岩崎さんがあらかじめ用意してきてた打ち込みの音源に弦と金管と木管でのダビングするという形で、追加録音が始まったそうです。 あ、本題に入る前に初回録音の音楽について私が感じたことなんぞを少し…。このレポを作ってる時点では第2話までがオンエアされてるわけですが、その第1話の方の中で主人公の鑢七花(やすりしちか)に「本土の人間はどいつもこいつもこんなに喋るのか?」っていうセリフがあるんです。その言葉の通り、後に鑢七花の相方となる「とがめ(白い髪の女の子)」がほんっとによく喋るんですよ〜。そらもう某「渡る世間〜」のごとく、その場の状況説明から自分の気持ちや周りの人の気持ちまで喋りたおすんです。そのせいか、ちょっと音楽の音量が小さめかなあというのが私の印象です。でも、大きくするとあの長いセリフを聞き取れないでしょうし、このあたりは他の作曲家さんともときどき話題になりますが、ほんとに難しいところですね。 とにかく、まずは音楽に意識を集中して最後まで見て、2回目はセリフに注意してストーリーを理解しようと見てたんですが、気がつけばまた音楽に意識がいってて内容が理解できなくて、結局1つのお話を3回ずつくらい見ちゃってる私です。ほんと不器用というか、飲み込みが悪いというか…。そこで気づいたんですが、この「刀語」は使われる音楽の1曲1曲の尺が長いってことでしょうか。ほかの番組では、ちょっとシーンが変わるたびに音楽もころころと変わって、あとでサントラを買って聴いたときに「あら、この曲ってこんなに長かったん?」って驚くことが多いんですが、この作品は1人のセリフが長いから自然と1つのシーンも長くなるってことのほか、ちょっとシーンが変わっても音楽はそのままつながってることがあったりするんで、1曲をじっくり楽しむことができます。あとはまあ、そのいう音量かなあ(^^ゞ |
そうそう、今回の岩崎さんの音楽の大きな特徴に、西田社中さんの民謡があると思います。これがほんとに、あの「刀語」の世界によく合ってましたね〜。そんでもって、すごいインパクト! また、同じ西田社中さんの歌声でも、日本の民謡的な雰囲気のときもあれば、どこかインドの音楽のような雰囲気のときもあって、すごく面白かったです。 さらに言うと、個人的にはそのインドっぽい雰囲気の歌声の下で聴こえるサヌカイトみたいな綺麗な音は何だろう〜なんて気になってたり、第2話の冒頭で流れたフルートがメインのゆったりした曲が、初回録音のあとで岩崎さんに教えてもらった「オケをバックにした、おっちゃんメインの曲」のことなのかな〜なんて思ったり、とにかく聴きどころ満載でした(*^^*) |
さて、ようやく今回の録音のお話なんですが、この日は全体的にタイトなスケジュールで、「テスト録音したものの出来が良かったら、そのままそれを本番テイクにする」なんて曲も少なくなかったようです。しかも、ゆっくりプレイバックを聴くこともなく次々と録っていったにも関わらず、ゆったりしたテンポで尺の長い曲が多かったので、おっちゃんたち木管さんも最終的には30分押しになってたとか…。ひょ〜ただでさえ岩崎さんの曲は難しいって聞くのに、こんなぶっつけ本番に近いような録音は大変でしょうね(^^ゞ この「打ち込み+生楽器」には、いかにもシンセらしい音に生楽器を被せるもの、かなり生楽器に近いような音色の打ち込みのオケにいくつか本物の生楽器を被せるもの、同じ種類の楽器を打ち込みと生楽器でハモらせるもの(つまり打ち込みのフルートに生のフルートを被せるもの)などなど色んなスタイルがあり、それらをほぼ毎日のように聴いてるおっちゃんの耳に、今回は何かよほどキラッとするものがあったみたいですね♪ |
ところで、「初回録音レポ」の中で「次にチャンスがあったら、ぜひ岩崎さんの指揮姿の動画を…」なんて書いてたでしょ? で、まずは岩崎さんに「あのぉ…今度の現場でおっちゃんに休みの曲があったら、デジカメで動画を撮らせてもらってもいい?」って聞いてみたんです。 そしたら「いいけど、旭さんは吹きっぱなしだと思うよ」「じゃあ、誰に頼もうかなあ…マネージャーさんはどうかな?」「マネージャーは無理だと思う…撮れる可能性があるのは金子さんかな?」なんてやりとりがあったんで、そのままフルートの金子奈美さんに伝えたときのお返事メールがこれです(^^ゞ |
奈美さん、おかしいでしょ〜?(^o^) で、このあと「ホントに素敵なのよねぇ〜韓流スターみたい そんなオモロイ奈美さんのご紹介と、この場を借りて岩崎さんにも、奈美さんと私との間でのみ「タク様」呼び決定のご報告でした(^^ゞ こうして、快く承知してくれた奈美さんが撮ってきてくれた動画っていうのが↓なんですが、著作権などの関係で音は消してあります。無音というのでちょっと不思議な感じがするかもしれませんが、ぜひ岩崎さんの華麗な指揮っぷりと、ブースの中にいるミュージシャンの視点っていうのを感じてみてください。ちなみに、前にブログのこちらにも書きましたが、この「動画から音だけ外して無音にする」っていう加工は色んな方からアドバイスをもらったにも関わらず出来なかったボンクラな私のために、最後はエンジニアの伊豫部さんがやってくださいました〜!(岩崎さんと伊豫部さんは1回目と2回目の飲み会で面識があるし、そのまえに一緒にお仕事をしたこともあったとか何とか…) あ、再生の前にちょっとだけ状況の説明をすると、動画全体を通してずっと小さな音でストリングスが鳴ってます。これはおっちゃんたちのいるブースのガラスの向こうにいる弦セクションの音が漏れ聴こえてきてるんです。で、その弦と岩崎さんの指揮に合わせて、オーボエの庄司さんのソロ→おっちゃんのソロ→クラリネットの山根さんのソロ→庄司さんのソロ…と順番に吹いていくんです。フルートの運指が分かる方は、この動画を見ただけである程度のメロディーが浮かんでくるかもしれませんね。まあ、そんな状況を想像しながら、ではどうぞ〜♪ [高画質で再生]
どうでしたか? この動画、今まで色んな人から「棒を振る姿が素敵なのよ♪」って聞かされてた念願の岩崎さんの指揮姿が見えるのと同時に、ブースから見るスタジオ風景、しかもガラス越しに…またはモニター越しに指揮者を見て、それに合わせて演奏するっていうミュージシャンの皆さんの様子がちょっとだけ体感できて、ものすご〜く気に入ってます。この動画の中の音楽がオンエアで流れたら、ブログででも「これがあのときの音楽!」ってご紹介しますね(^_-)-☆ で、実はあと2つほどこうした現場での動画があるんですが、その「音を消す」っていう処理ができてないんです。さすがに2つも3つも伊豫部さんにお願いできませんしねえ…。そんなわけで、今度は自分で頑張ってみて、音を消す処理ができ次第ここにアップしていきたいと思います。何ていうか…その処理ができるのを待ってたら第3話がオンエアになっちゃうんで、まずは動画1つで見切りアップってことで…(^^ゞ …とレポをアップした当時には書いてたんですが、無事に残りの2つの動画も「音を消す」処理ができました。ただ、今回も自分ではどうにもできなくて、今度は松尾早人さんにやってもらっちゃいました。それも、とある深夜0時前後にほぼチャット状態で「クィックタイムプレイヤーのバージョンは何?」「バージョンって、どうやって見るん?」「バージョンの見方はね…」「次はメニューバーの…」「メニューバーってどこ?」「メニューバーはね…」って感じで何度もド素人級のメールに付き合ってもらいながらトライしたものの、結局「もうあかん。お願い…動画をそのまま送るから、音を消したのを作って送り返して〜!」ってことになって、ようやく完成しました。このときのさらに詳しい状況はブログのこちらにも書いてありますので、合わせて読んでみてください。ほんと、いつも優しく根気づよく応対してくれる松尾さんには感謝感謝です。おかげで、またまた素敵な岩崎さんの指揮姿をごらんいただけると思います。それでは、2つ続けてどうぞ♪
[高画質で再生]
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そうそう、この日の面白エピソードを1つ。初回録音のときに続いて今回も「とがめの○○」「とがめの△△」って感じで「とがめ」っていうキャラのための曲がいくつかあったそうなんです。それを見たオーボエの庄司さんが「これ面白いから、十亀さんに送ろう!」なんて言って、携帯でその楽譜の写真を撮って、クラリネットの十亀さんに送ってたそうですよ(^^ゞ |
この日の編成は、弦(今野 均さんのグループ:86442)、フルート&ピッコロ(おっちゃん・金子奈美さん)、オーボエ(庄司知史さん・浦 丈彦さん)、クラリネット(山根公男さん・女性)、ファゴット(井上俊次さん)、トランペット(2)、トロンボーン(2)、ホルン(西條貴人さん他)、指揮(岩崎 琢さん)、エンジニア(Yoshi Tamlaさん)でした。ごらんの通り、木管はファゴット以外は2管編成、弦も86442なので、劇伴の録音としては大編成の部類に入るみたいです。 余談ですが、この日おっちゃんたち木管さんより先に帰った金管さんが入っていたブースは、四季を問わず、何故かそこだけがいつも妙に寒いことで有名なブースなんですって。いや〜ん、それ何か出るんちゃうの〜?スタジオって、そういう話が多いらしいし…。あ、いやいや…それで、この日も金管さんが「寒い〜っ!」って騒いでたらアシスタントさんが電気ストーブを持ってくるという、いまどきのスタジオとしては珍しいエピソードもあったようですよ。 あと、おっちゃんや奈美さんからは「不思議な雰囲気の打ち込みに巧みなオーケストレーションが見事に融合するって曲があったり、しっぽりしたいい雰囲気の曲があったり、今回も岩崎さんの新しい引き出しを感じる、すごくやりがいのある音楽ばっかりだった。だからこそ、ほんとはもっとじっくり時間をかけて、しっかり味わいながら演奏したかったなあ(>_<)」とのコメントがありました。これにはスタジオの都合とか他のミュージシャンの都合とか色んな事情があるのかもしれないんで何とも言えませんが、おっちゃんたちがこんな気持ちを抱いてしまうのはちょっと残念かな…でも、それと同時に、おっちゃんたちにこんなふうに言わせてしまう岩崎さんの音楽、ほんとにすごいなあって思います♪ そんな岩崎さんの音楽の魅力がたっぷり詰まった待望の第3話は、フジテレビが3月 8日(月) の深夜、 毎日放送が3月10日(水)の深夜、BSフジが3月27日(土)の深夜に放送予定です。どうぞお楽しみにo(^-^)o |