同じことは中高年についても言えることで、転職市場の上限が35歳と言われるのは、それ以上だと賃金水準が高くなりすぎてペイしないと判断されるからに過ぎない。
年功序列というのは、レールに乗って進んでいる人にとっては楽チンきわまりないのだが、一度でも落ちてしまうと、徹底的に疎外されるシステムである。いや、僕みたいに自分の意志で降りたヤツはどうでもいいんだけど、たまたま氷河期にぶつかった人にはご愁傷様というしかない。
解決策は単純明快だ。「年齢や学歴、性別によらず、誰でも働きに応じて報酬を設定できるシステム」に移行すればいい。そう、それは職務給であり、そのためにはいつも言っているように、雇用の流動化が必要となる。
ところで、上記のような話をしてあげると、冒頭の質問をしてきた人たちは、なぜだか急に黙ってしまう。そして、話題を変える。解決のハードルが高すぎてめまいがしたか、それとも、自分自身が損をするかもしれないから「聞かなかったこと」にしたのか。
これを読んだあなた自身は、どっちだろう。「どちらでもない、流動化が必要だ」という人が多数派になるまで、新卒至上主義は決して終わらない。
城 繁幸
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