2010年8月7日
南美江さん
戦前から舞台を中心に幅広く活動し、演劇集団「円」の中心メンバーだった俳優の南美江(みなみ・よしえ、本名南波房江〈なんば・ふさえ〉)さんが、6日、肺炎のため横浜市内の病院で死去した。94歳だった。葬儀は9日午前11時から東京都練馬区小竹町1の61の1の江古田斎場華蔵界で。喪主はおい打木(うちき)宏さん。
上品な雰囲気とはっきりしたせりふ回しが持ち味で、舞台「ガラスの仮面」「天守物語」などの名脇役で知られた。映画「Wの悲劇」やテレビドラマ「ノンちゃんの夢」などにも出演した。
広島県生まれ。横浜第一高女を卒業後、宝塚少女歌劇団で男役に。1941年退団し、翌年に文学座研究生になった。44年、新劇の初舞台。63年に退団してグループNLTの結成に参加、三島由紀夫作「サド侯爵夫人」(65年)で夫人の母を好演。生涯の持ち役となり、83年に紀伊国屋演劇賞を受けた。「円」には75年の創立から参加した。