婦女子誘拐・売買事件が多発、犯罪グループの組織・分業・プロ化が進む―中国
8月4日18時5分配信 Record China
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3日、中国公安部はこのほど、中国で多発する婦女子誘拐・人身売買事件の犯罪者グループは組織・分業・プロ化が進んでいると指摘した。写真は湖北省武漢市で、誘拐された子供の情報を求める保護者や支援者。 |
中国公安部刑事偵査局婦女子誘拐犯罪撲滅弁公室の陳士渠(チェン・シーチュー)主任は、中国の誘拐・人身売買犯罪の特徴として、1)犯罪が多発しており、犯罪グループの組織化や役割分担が明確になっている。2)犯罪手段がエスカレートし、プロ化が進んでいる。3)社会に与える影響が深刻化している―の3点を挙げた。
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また、犯罪根絶に至らない原因として、次の4点を指摘した。
1)農村地区では「家系の継承」「老後の面倒を見てもらうための養育」「子どもが多いほど幸福」「男女2人揃って完全」などの封建的な概念が根強く、法律による制約が及びにくいため、人身の“買い手市場”が形成されている。
2)都会へ出稼ぎに出てきた農民工は日々の仕事に忙しく、子供の面倒をみる余裕が無い。一方で、子供を預ける施設が少なかったり、経済的に困難など、社会的な受け皿が完備されていないため、子供は放任されており、犯罪者の格好のターゲットになっている。
3)若い女性が農村地区から出稼ぎに出てくる際に容易に騙される。
4)法知識の宣伝不足などによって、一部の農村地区では誘拐・人身売買が犯罪であるとの意識が欠落している。子供や嫁を“紹介”してくれるのは犯罪でなく、人のためになる良いことであり、“手数料”を取られても当然との思い込みさえ存在している。
こうした状況に対し、最高人民法院、最高人民検察院、公安部、司法部は今年3月、「法に基づく婦女子誘拐・売買犯罪の根絶に関する意見」を公布し、取り締まりをさらに強化する方針を示した。
中国公安部刑事偵査局の白少康(バイ・シャオカン)局長は「今後は誘拐事件の解決に力を注ぐとともに、違法なルートを通じた養育行為を摘発し、買い手側を厳しく取り締まるなど、誘拐・人身売買犯罪に全面的に対応していく」と語っている。(翻訳・編集/HA)
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最終更新:8月4日18時6分
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