インターネット上の仮想空間での土地取引を売り物にしたIT会社「ビズインターナショナル」(さいたま市)をめぐるマルチ商法で、県内の会員12人が6日、利益が出る見込みがないのに高額機器を購入させられたとして、同社などを相手取り約490万円の損害賠償を求める訴えを広島地裁に起こした。
この日会見した弁護団によると、提訴したのは県内の20~70代の男女。訴状などによると、会員らは「確実にもうかる」などと勧誘を受け、同社が会員を募集した仮想空間「エクシングワールド」に参加。同社から08年5月~09年6月にビジネスキットと呼ばれるDVDソフトなどを30万~40万円で購入した。しかし、仮想空間は予定通りに公開されず、利益も得られなかった。
会員らは「ビズ社が仮想空間を開発する意思も能力もなかったことは明らかで、勧誘行為も違法」としてビジネスキットの代金返還を求めている。
同社をめぐっては、大阪地裁でも会員が損害賠償を求めて係争中。消費者庁は09年11月、特定商取引法に基づき同社に業務停止命令(6カ月)を出していた。【中里顕】
毎日新聞 2010年8月7日 地方版