谷議員の民主スポーツ議連会長抜てきに異論噴出！

民主党のスポーツ議連会長就任を了承され、あいさつする谷亮子参院議員

　柔道五輪金メダリストで新人の谷亮子参院議員（３４）の民主党スポーツ議員連盟会長選出をめぐり、ひと波乱が起きた。６日の同議連総会で、一部議員から反対意見が噴出。特に、谷岡郁子参院議員（５６）は「“お飾り会長”とレッテルを張られかねない」と厳しかった。結局、人事は了承されたが、新人で異例の抜てきを受けた谷会長の、今後の苦労を予感させる船出となった。

　民主党スポーツ議連の奥村展三幹事長（６５）が、すでに公表済みだった谷議員の会長抜てき。この日の総会で即了承され、シャンシャンで終わるはずだったが、すんなりといかなかった。

　人事案が諮られると、まず石井登志郎衆院議員（３９）が「会長というのはリーダーなのか、象徴なのか」と議連幹部に質問。さらに「谷さんは、まず事務局次長などをやられるのが、ご本人のためではないか」と、会長就任に反対意見を述べた。また、至学館大（旧中京女子大）学長である谷岡氏も「素晴らしいスポーツ選手だから、すぐ“大学教授”になるのか。まず講師なり、助教授でというのが、大事な育て方だと思う」と厳しく指摘した。

　空席の会長位に谷氏を指名した奥村幹事長が、総会に諮る前に公表した、という根回し不足がまずあった。また、谷氏の議員経験の少なさを不安視する考えも一部にあり、反対意見となったようだ。結局、満場一致には欠ける拍手で会長就任が認められたが、総会後も谷岡氏は収まらない。

　「言ってみれば、“お飾り会長”というレッテルを張られて見られることは、彼女の仕事の障害にもなる。賛成できない」。レスリングの五輪女王・吉田沙保里を輩出した大学のトップだけに、スポーツと政治のかかわりには、一家言ある。「今朝は議連を脱退するつもりだった。谷さんを支えたい気持ちはあるけど、迷っている」と、強い口調だった。

　「私は批判と受け止めていない。協力して、政府とも連携していきたい」。反対意見にも、しっかりした口調で決意をにじませた谷新会長はこの日夕、官邸を訪ね菅直人首相に就任を報告。首相からは「サッカーのワールドカップ誘致も控えている。スポーツは超党派の機運がある。谷さんが呼び掛ければまとまる。日本のスポーツが盛んになるよう、手伝えることは何でもやる」と全面支援を約束された。

　身内からも就任を疑問視されながら、１００人近い議連でリーダーシップを発揮しなければならない谷新会長。議員デビュー早々、大仕事だ。

（2010年8月7日06時02分スポーツ報知）

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