「幽霊高齢者」長寿ブランド崩壊と韓国紙

　６日付の韓国紙、朝鮮日報は、日本で高齢者の所在不明が相次ぎ発覚したことについて、日本メディアが報じた事例を詳しく取りあげて「幽霊高齢者問題」が日本を揺さぶり「社会システム自体に対する疑問を拡大させ、長寿天国のブランドは崩壊した」と報じた。

　同紙は、大阪府東大阪市で１００歳以上の高齢者の１０％以上の行方が分からなかったとの報道を紹介し「どれだけ不明者が増えるか予想できない」と指摘。家族が老齢年金を継続受給するため死亡届を出さなかったケースがいくつもあり「福祉大国の闇」とした。

　数十年間所在不明でも捜索せず、連絡も取らないなど、子供が親を見捨てたような事例が相次ぎ、日本メディアも「いつからこんな国になったのか」と嘆いているとし、原因として日本社会で家族関係が希薄になった面があると分析した。

　また、自治体職員が生存確認に訪れた際に「（高齢者）本人が会いたくないと言っている」と家族に断られると、個人情報保護法に抵触するのを恐れて放置していたとし、プライバシーに対する「過剰保護」と指摘。政府が本格的な調査に消極的だとして「日本の国家ブランドに汚点を残した」と強調した。

　日本の高齢者所在不明問題に関して海外メディアの関心は高く、韓国の夕刊紙、文化日報やイタリア主要紙コリエレ・デラ・セラ（電子版）が、相次いで報道している。

　［2010年8月7日8時57分　紙面から］