最終更新: 2010/08/07 11:05

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復興と投資に沸くスーダン南部に現れ始めた地元の成功者を追いました。

内戦から復興へ向かうスーダンの南部では、国内外のさまざまな思惑と、復興の熱波にうまく乗ったサクセスストーリーが、住民の口に上り始めています。
現れ始めた地元の成功者を追いました。

スーダン南部では、20年を越す内戦を経て、目覚ましい復興が始まった。
復興と投資に沸くスーダン南部には今、成功者が現れ始めている。
しかし、その成功の裏には、ある存在があった。
アフリカ東部のスーダン。
南部の中心都市ジュバでは今、あらゆるものが売れているという。
中でも、業務用の日本製中古車の市場が目立っている。
さらに自動車ビジネスでは、消耗部品だけでなく、アクセサリーなどの販売を行う大きな店も登場した。
車を扱う業者は「今はジュバへ人が働きに来ていて、車が必要な状態なんです。カーアクセサリーもとても好評ですよ」と話した。
消費生活を楽しむ市民も現れたジュバで、取材班は、1人のスーダン人男性を訪ねた。
エルネスト・ロファイル氏(55)は2年前、スーダン南部初のミネラルウオーター事業を立ち上げ、資産を築いた。
8つの広い部屋に、豪華な調度品をしつらえた建物は、会社のゲストハウスとして借りているという。
ロファイル氏は「(スーダン南部には)豊かな未来が待っています。南スーダンは石油がとても豊富なんです」と話した。
スーダン南部は、過去20年以上にわたった南北間での内戦を経て、近い将来、現在の北部政府から、分離・独立するものとみられている。
その場合、南部はその豊富な石油資源から、新たな産油国になるとみられ、今、各国は、将来の石油ビジネスをにらんだ投資を南部で行っている。
これにともない、雇用や消費は拡大したが、それを支えるインフラは追いついていない。
南部では、今でも水道施設がなく、井戸や貯水タンクに頼るという状態が続いている。
そんな中で、ロファイル氏のミネラルウオーター事業は大当たりした。
ロファイル氏は今、外食事業にも進出しており、手始めに、アイスクリームの店を出店している。
アイスクリームの次は、レストランの準備など、積極的な設備投資を展開するが、その機材は中国製が目立っている。
取材班は、サクセスストーリーの原点となったミネラルウオーター工場に案内してもらった。
スーダン南部で最大規模の工場では、自前の水源を確保し、ペットボトルの成型から製品化までの作業を、半自動化で進めている。
ボトルがたまに外れるのはご愛嬌(あいきょう)だが、この製造ラインを構成する機械は、すべて中国製となっている。
取材班の前に、中国人スタッフが現れた。
彼らは機器のメンテナンス、さらに水質や製品の品質管理を行っており、稼働時からここに滞在しているという。
たった2年間で大きな成功を収めたこの事業には、この地で急速に拡大する中国の存在が大きいようだった。
特に北部のスーダン政府は、ダルフール問題などで、欧米諸国から非難を受けているが、その石油資源を目当てに、中国が接近。
現在、スーダンの貿易相手は、輸出入ともに中国が第1位を占める。
この北部と現在、物流でつながるスーダン南部にも、中国からのものや人が流入している。
ロファイル氏は「みんな様子を探っていたけれど、これからは世界の企業がくるべきです。豊かな未来が待っていますよ!」と語った。
スーダン南部で、すでに優位を固めつつある中国、そしてこれに続く各国。
スーダン南部では今、石油資源をにらんだ、し烈な国際競争が始まろうとしている。

(08/07 01:39)


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