韓国軍:西海で単独演習始まる
海では哨戒艦が爆雷投下、延坪島ではK9自走砲が実弾射撃
リンクス・ヘリ、揚陸艦「独島」などを投入し仮想の敵潜水艦を捕捉
北朝鮮による哨戒艦「天安」攻撃への軍事的対応措置の一環として行われる、韓国軍単独の陸海空軍西海(黄海)海上機動訓練が、5日に始まった。
5日午前7時ごろ、アジア最大規模の揚陸艦「独島」(排水量1万4000トン級)など、訓練に参加する艦艇が出港した。この日行われたのは、戦術機動訓練や対潜追跡訓練、海上自由攻防戦、K9自走砲の射撃訓練など。
同日午前、敵潜水艦を探知し攻撃する対潜訓練のため、格列飛列島付近の海に揚陸艦「独島」、韓国型駆逐艦「崔瑩(チェ・ヨン)」「文武大王」(4500トン級)、「乙支文徳(ウルジムンドク)」(3200トン級)などが集まった。参加艦艇は、海中の敵潜水艦を探すため、輪形陣を組んだ
崔瑩が引っ張るえい航ソナー(TASS)が、敵潜水艦と推定される水中物体を探知すると、護衛艦(1500トン級)や哨戒艦(1200トン級)も攻撃陣形を組み、水中物体の方へ移動した。付近の上空で哨戒飛行を行っていたP3C海上哨戒機も、水中物体の位置を確認するため、音響探知機「ソノブイ」を水中に投下した。
崔瑩から出撃したリンクス対潜ヘリが敵潜水艦の位置を確認して仮想の魚雷攻撃を行い、哨戒艦「大川」は4秒間隔で爆雷2発を投下した。爆雷投下から7秒後、大きな爆発音と共に、20-30メートルの水柱が噴き上がった。続いて大川は、韓国製の軽魚雷「青鮫(さめ)」(模擬訓練弾)で、仮想の敵潜水艦を攻撃した。
午後になり、北方限界線(NLL)隣接地域の延坪島で、海兵隊が保有するK9自走砲が火を噴いた。海兵隊は、北朝鮮を刺激しないよう、NLLの反対方向に当たる南西側の海上に向け、K9自走砲はじめ155ミリ砲、105ミリ砲、バルカン砲、迫撃砲などの実弾射撃を実施した。今回の訓練期間中、ペンニョン島や延坪島など西北島しょ地域では、海上射撃訓練が行われる。
一方、北朝鮮の対南機関・祖国平和統一委員会(祖平統)は、この日始まった韓国軍の西海海上機動訓練を「計画的な軍事的挑発」と非難し、改めて「打撃」の威嚇を行った。北朝鮮は今月3日にも、北朝鮮前線西部地区司令部の「通告」という形で、今回の海上訓練を「強力な物理的対応打撃で鎮圧する」と威嚇した。韓国軍関係者は、「北朝鮮の威嚇にもかかわらず、まだ北朝鮮軍に特別な動向はない」と語った。
西海海上=国防部共同取材団
ユ・ヨンウォン記者