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英の監視社会、反省ムード 人権重視の新政権が見直しへ(2/2ページ)

2010年8月3日7時30分

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写真:ロンドンの街角には、監視カメラを複数据え付けた塔(中央)があちこちに立っているロンドンの街角には、監視カメラを複数据え付けた塔(中央)があちこちに立っている

 6月には、英中部バーミンガムのイスラム系住民地区で、隠しカメラを含む約220台の設置が発覚。住民から「差別だ」と抗議され、警察はカメラの作動を止めた。

 内務省のブロッケンシャー政務次官(保守党)は行き過ぎを認め、「国民の信頼をつなぎとめるには(何らかの)規制が必要」との考えを示した。

 また、英国では00年に反テロ法が制定され、警官が通行人を呼びとめ所持品や身体を検査する権限が与えられた。ところが、しばしば平和的なデモの参加者が対象になり、昨年は、未成年者を含む25万人が調べられた。

 この身体検査に対して、「人権侵害だ」と批判する平和活動家が提訴し、欧州人権裁判所(フランス・ストラスブール)は今年1月、「権力乱用の歯止めがない」と違法判決を出した。メイ内相は7月、身体検査について「封印」を命じた。

 人権団体リバティー代表のチャクラバーティー弁護士は「私たちが10年間続けてきた批判がやっと実った」と話す。長年の論争相手だった内務省から、治安対策見直し作業への参加を求められ、「喜んで加わります」。テロ容疑者の行動制限命令や、団体規制も見直しの対象になるという。

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