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うつ病発症防ぐ脳内分子機能を解明 群大研究グループ

2010.8.4 08:53
このニュースのトピックスメンタルヘルス
強制的に泳がせたマウスの脳の断面。SIRPαがリン酸化した部分が白くなっている(群馬大の的崎尚客員教授と大西浩史准教授提供)強制的に泳がせたマウスの脳の断面。SIRPαがリン酸化した部分が白くなっている(群馬大の的崎尚客員教授と大西浩史准教授提供)

 ストレスを受けた際、特定の脳内分子が反応し、うつ病の発症を防ぐ働きをしていることを、群馬大生体調節研究所・的崎尚客員教授らの研究グループが発見し、4日付の米科学誌「ジャーナル オブ ニューロサイエンス」に発表した。既存の抗うつ剤では効果の表れない患者に適応する新たな治療薬開発につながる可能性があるという。

 的崎教授によると、外部からのストレスに反応していることが分かったのは「SIRPα」といわれる脳内分子。

 研究グループでは、この分子はストレスを受けると細胞内の酵素と結合し、「リン酸化」という化学変化を起こす点に着目。「SIRPα」を取り除いた「ノックアウトマウス(KOマウス)」と通常のマウスのそれぞれに「強制水泳テスト」を行い比較。その結果、KOマウスの脳細胞内では「リン酸化」が起きず、うつ状態を示す無動の時間が増加する結果が出た。

 うつ病を発症する仕組みとしてはこれまで、ホルモンや神経伝達物質の機能異常が指摘され、対応した薬物などが治療に用いられてきた。しかし、薬の効かない患者もおり、発病原因は十分に解明されていない。

 的崎教授は「『リン酸化』を制御できる方法を考案し、自殺の大きな要因にもなっているうつ病対策につなげたい」としている。

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強制的に泳がせたマウスの脳の断面。SIRPαがリン酸化した部分が白くなっている(群馬大の的崎尚客員教授と大西浩史准教授提供)

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