阿部より

皆さん、はじめまして。
弊社でシステムエンジニア並びにWEB制作の担当をしております、阿部です。
今回は僕からのコメントとしては第1回目となるので、とりあえず今回は簡単な自己紹介とFINEBLUEに対する思いから述べてみたいと思います。
僕は、弊社の社員のうち、数少ないノンケ社員です。
性別は男で一児のパパに最近なりました。
元々、僕は音楽スタジオでレコーディングエンジニアとして勤務しており、スタジオを退社後フリーで仕事をしていました。
ところが、実際にその仕事も年々減っているのが実情で、エンジニアとしての仕事だけではなかなか食べていけないもので就職を決意。
今から3年ほど前にインターネットの求人募集サイトで見つけた某薬局に入社いたしました。
それから、半年後に僕は尾崎さんと出会いました。
その時まで、ゲイやホモ、オカマ、おなべ等という言葉は知っていても、詳しくは知らなかったのですが、尾崎さんと出会って、その実際を知ることが出来ました。FTMという言葉や性同一性障害という言葉さえも知らなかったのですが、前の会社でナベシャツの開発を通じてそういった事の理解を深めてきました。
そんなこんなで2年ほどたち、僕は前の職場は個人的理由で尾崎さんよりも前に退社したのですが、それから2ヶ月ばかり過ぎたある日、尾崎さんから「一緒に会社をやらないか」という誘いが。
なんでも、「FTMのために」という理念の会社を作りたいということでした。
最初は、論理的で具体性が無いなぁと思ったのですが、尾崎さんのこの会社に対する思いをひたすら聞いているうちに、気がつけば僕は二つ返事で承諾していました。
そして今に至ります。
僕が、この会社を一緒にすることに賛同した理由は、なかなか一言ではいえません。
あえて言おうとするならば、困っている人がいれば助けたいという気持ちで例えるのが妥当かもしれません。
でも、それが最適だとはあまり思わないのですが。
災害時などでボランティアにきてくれる人たちがいるでしょう。多分その人たちと同じような思いだと思います。
ただ物珍しいだけとか、会社を経営して儲けたいとか、そんな浮ついた気持ちで一緒に行動している訳ではありません。
僕は、五体満足に生まれ、自分の性と自覚している性は一致しています。
それ故に、そうでない人々の気持ちは初めは理解しがたいものでした。ただそれは、単純に自分の頭が固かっただけでした。
みんな同じ人間なのだから、どうして平等に扱えないのかと考えると、今の世の中の不便な点が自分なりに少しずつ気がついてきて、尾崎さんの言う「FTMのために」という理念に賛同しようと思ったのです。
弊社は、今はまだトランスシャツのみしか製品はありません。
同じような商品を販売している業者が弊社の他にもありますが、そういったところにに比べると商品数も少ない方です。
ただ、弊社の社員のこの仕事に対する気持ちは他社には決して負けないと思っています。
僕も男なので、男だから思うことや男ならではのアイディアというのもあると思っています。
現時点では、僕自身がトランスジェンダーや性同一性障害などの事については勉強中で、まだよくわからないところもあります。
勉強といっても教科書や参考書があるわけでもないので、そういった方々とふれあう事が何よりの勉強と今は思います。
そういったふれあいから、また新しいことが生まれると僕は思います。
今後、弊社で商品開発をするにあたって、やっぱり使う人の立場に立って、使っているときの気持ちを真剣に考えていかなければいけないと思っています。
先日、テレビでミニスカートをはいてもばれない義足を作った話の番組を見ました。
義足技師の方は足が無いわけではありません。足が無くなった人の気持ちは、足が無くなってみないとわからないと思ったのですが、その技師の方は真剣にその足の無い女の人の要求を聞き、何度も失敗を重ねて、最終的には見事に希望通りの義足を作り上げました。
その時に、僕はその技師の方は素晴らしいと思いました。
商売として、利益重視ならそんなことはどこもしないでしょう。失敗すればするほど、コストがかかってしまいますから。それでも、要求される最高のものを作るといういわば職人魂みたいなものを、僕はその義足技師さんに感じました。
利益重視、商売第一でお客の要求も聞き入れない会社が多い中、僕はこの会社をそんな会社にはしたくないと改めて思いました。
会社は利益を追求するのは当たり前ですが、そんな人の心が通っていない会社にするつもりはありません。
今は、弊社の方針は「FTMのために」です。今後はもっと対象を広げていきたいと僕は思います。
そのためにも、まずは「FTMのために」という理念から達成できるように頑張るしかないと思っています。
何が出来るのかはわかりません。無知故の失敗もしてしまうかもしれません。今後ホームページやまたその他の印刷物などで、僕の書く文章も少なからず載るわけですが、不適切な表現などあったらぜひ教えて頂きたいと思っています。
また、弊社の商品や、またその他何でも気がついたことは遠慮無く言ってください。
はっきり言えば弊社はサービス業です。お褒めの言葉を頂くとそれはやはりうれしいですが、さらなる進歩の為にはクレームの方が重要になります。
自分たちが考えて世に出したものの本当の評価を知ることで、さらに良いものが出来ると思います。
FTMの為になるものは、僕たちが作っていくのではなく、お客様と一緒に作り上げていくものだと僕は考えます。
それは、商品だけにとどまらないと思います。
僕は、今後この仕事をしていく上で、求められているものをいかに正確にそして敏感に感じ取れるかということを一番に考えて頑張りますので、皆さまどうぞ宜しくお願いします。
そして、オフ会等何かしらのイベントでお会いした時は、どうぞ宜しくお願いします。