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三次元顔画像識別システム:3Dで顔識別、道警の新システム活躍 /北海道

 ◇横顔でも鑑定可能

 3D(三次元)の顔写真をコンピューターを使って調整し、防犯カメラなどの犯人画像と重ね合わせて個人を特定する「三次元顔画像識別システム」が、道警の事件捜査で活躍中だ。犯行時に帽子やマスクなどで顔の一部を隠していたり、下を向いていたりしていても画像を比べやすく、余罪の立件などの強力な武器になっている。【金子淳】

 このシステムで使うのは2台の高性能カメラ。それぞれ人物の斜め前方から撮影してミリ単位で測量し、画像を立体的に再現する。コンピューター画面上で大きさや向きを変えることも可能で、平面の顔写真同士を見比べる従来の方法では難しかった横顔などの鑑定がしやすくなる。

 道警は06年9月、科学捜査研究所(札幌市)に導入し(1)類似の事件を重ねている可能性がある(2)防犯カメラの映像などがあるが、犯行を否認している--などのケースで容疑者の画像データを収集している。09年までの3年間で99件の顔画像を鑑定したが、このうち24件で同システムを活用した。

 道警によると、08年2月に男が他人名義のキャッシュカードで現金自動受払機(ATM)から現金を引き出した事件では、下を向いた防犯カメラの犯人画像に容疑者の三次元画像を重ねたところ、輪郭などから同一人物と判明。また同年4月にマンションのエレベーター内であった強制わいせつ事件でも、犯人の顔は一部しか映っていなかったが、三次元画像が一致したことで、立件の有力な証拠になったという。

 道内ではコンビニエンスストアを狙った強盗が4~7月で26件発生し、昨年同期より4件増えている。店内のカメラの位置関係によっては犯人の正面画像がないケースもあるが、3D識別なら鑑定も可能で、捜査幹部は「余罪捜査などで威力を発揮できる」と期待している。

毎日新聞 2010年8月6日 地方版

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