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<航空連合>成長市場アジア狙い争い激化

8月6日8時9分配信 毎日新聞

<航空連合>成長市場アジア狙い争い激化
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航空連合に加盟する主な航空会社
 航空会社がマイレージや共同運航などで連携する航空連合の間で、アジア系航空会社の争奪戦が熱を帯びている。各グループとも、成長市場・アジアの需要取り込みに力を入れており、アメリカン航空が日本航空(JAL)の支援を強めるのもその一環だ。アジアでは、航空連合に属しない格安航空会社(LCC)が新たな競争相手に浮上する可能性があり、さらなる再編の台風の目になりそうだ。【山本明彦、赤間清広】

 「さらにアジアの航空会社を加え、アジアの航空連合として成長させたい」。米デルタ航空などが加盟する航空連合「スカイチーム」(加盟13社)が6月22日、ニューヨークで開いた理事会で、エールフランス出身のマリ・ジョセフ・マレ常務理事はアジア重視の方針を鮮明にした。6月にベトナム航空が加盟してアジア勢は3社。アジア勢6社を擁し、航空輸送規模(旅客数×輸送距離)シェア首位の「スターアライアンス」(同28社)を追う構えだ。

 スカイ陣営は4月、中国3位の中国東方航空(上海)の加盟を決めた。既に同最大手の中国南方航空(広州)が加盟。同2位の中国国際航空(北京)はスター陣営に加盟しており、業界関係者によると、東方はスカイ陣営と2年ほど前から水面下で折衝する中で、「南方と連携を深め、中国国際に対抗する」という戦略を固めたという。

 一方、シェア3位でアメリカンが加盟する「ワンワールド」(同11社)は、アジア勢が日航とキャセイパシフィック(香港)の2社しかない。日航を失えば、アジアを巡る競争で他陣営に完全に水をあけられる。米デルタ航空は昨秋、日航に支援を持ちかけたが、アメリカンは経営ノウハウの提供などで、必死に提携維持を図った。

 日航は、ワンワールド陣営からスカイ陣営に移籍すると、作業に1〜2年かかることなどから、デルタへの乗り換えは困難と判断。国土交通省の前田隆平航空局長は「なるべく早い再生のためにワンワールドを選んだ判断は正しい」と支持した。

 日本航空機開発協会の予測によると、航空旅客市場でのアジア太平洋地域のシェアは、09年の26%から20年後は32%に上昇。北米は30%から25%に、欧州は28%から24%に低下する見通しで、アジアは北米地域を抜いて首位に浮上する。各航空連合は、アジアでの存在感が将来の収益力を左右することになるとみている。

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最終更新:8月6日8時9分

毎日新聞

 

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