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中国が世界第2位の経済大国に、「肩書きは重すぎる」との声も

8月6日10時12分配信 サーチナ

 中国人民銀行の易綱副総裁が「中国はすでに世界第2位の経済大国だ」と発言したことが世界中のメディアに取りあげられた。中国網日本語版(チャイナネット)は4日、「中国は史上最も貧しい“世界2位”の国。国内総生産(GDP)の数字だけは何の意味もない。しかし、世界各国が中国は世界トップの座を窺っていると考えている。中国は知らないうちにいざこざが絶えない大国への道を歩んでいる」と報じた。

■「世界第2位」が中国の新たな肩書きに

 ロシア紙『ヴズグリャート』は「追いつき追い越す」という文章を掲載した。中国は“追い越す”と同時に自身がまだ発展途上国であることを理解していると記した。韓国経済紙は2日、中国は地域間の両極化、社会階層の分化、覇権争いによる外交の矛盾の増加など、一連の問題に直面していると報じた。

■各国の学者が「世界第2位の問題点」を分析

 中国は本当に世界第2位になる準備ができたのだろうか。多くの評論家は「ノー」と答える。AP通信社は、中国が日本を追い越すことで、中国の国内外での試練が際立つという文章を掲載した。国内の試練は、貧富の差などの矛盾が注目されることを指し、国外の試練は周辺諸国の中国台頭に対する不安を指す。

 イタリア紙『ラ・スタンパ』はフランシスコ・シス氏の文章を引用し、20年後に中国のGDPは米国を抜き去る。さらには、中国は軍事力でも米国を抜く要素はあるが、中国は孤立しては、米国や欧州、日本などアジア諸国の同盟に対抗することはできないと指摘した。

 中国現代国際関係研究院経済安全研究センターの江涌主任は、中国にとって、「世界第2位」という肩書きは重すぎると語る。過去の経験からすると、米国は歴代の「世界第2位」に全力で圧力をかけてきた。これは、中国が世界第2位になった後、多くの予測できない問題に直面する可能性があることを意味する。

 日本のある学者は、世界第2位である中国が経済面で直面するリスクは、当時の日本と似ており、政治体制における米国との溝も、かつての旧ソ連と似ていると話す。中国はこれにより倍の苦難を受ける可能性がある。

■中国は「世界第2位」の試練にどのように立ち向かうか

 今後、世界第2位の役割をどのように演じるかは、中国にとって不可避な難題だ。中国はこの難題をどう乗り越えるべきか。江涌氏は、米国というライバルに対抗するには実力に頼らなければならないと考える。現状では、中国は米国の立場を尊重し、米国が主導する国際規則を守ると同時に、対話などを通して国際秩序を改善し、一部を新興国の利益に反映させる必要がある。

 中国人民大学国際関係学院の〓中英教授(〓はまだれに「龍」)は、「世界第2位」の難題は、これまでの経済と外交の方針を変える必要があることと考えている。思いがけない問題に直面した際、恥を忍んで重責を担うべきか、それとも、怒りをあらわにすべきか。十分に検討する価値がある。〓中英教授は、「中国は怒りをあらわにする能力がないわけではない。周辺諸国と軍事対立のような極端な状況になり、仮に中国が勝ったとしても問題にはならない。しかし、本当に面倒なのは、怒りをあらわにした後にどうするかということだ」と述べた。(編集担当:米原裕子)

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最終更新:8月6日15時0分

サーチナ

 

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