【トラバースシティー(米ミシガン州)】トヨタ自動車が 組合化されたカリフォルニア州工場の閉鎖に伴い乗用車生産を組合化されていないミシシッピ州工場に移転させる決定を下したことをめぐって、北米トヨタと全米自動車労組(UAW)との間で激しい応酬が続いている。
UAWは、米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁の「NUMMI(ヌーミー)」工場の閉鎖に抗議し、カリフォルニア州にあるトヨタ車のディーラー52店舗でピケを張っている。ピケは3週間目に入っている。
これに対し北米トヨタのエンジニアリング・製造担当のスティーブ・セント・アンジェロ副社長は「ディーラーは工場労働者とは何の関係もない。なぜピケを張っているのか分からない」と不満をぶちまけ、「組合を作りたいならトヨタの労働者に最終的な決定権がある。われわれの労働者は、組合化に対し過去25年間ノーと言ってきた」と強調した。その上で、トヨタは従業員の組合加入を奨励していないので、UAWが同社工場内で集会を開くことは認められないだろうと述べた。
トヨタは、GMが撤退したためNUMMIを閉鎖し、カローラの生産をミシシッピ工場に移した。NUMMIには組合があったが、ミシシッピ工場には労働組合がない。