琴欧洲恩人が殺人請け負う？ブルガリアでも“相撲”が大激震

　ブルガリア出身の大関・琴欧洲（２７）＝佐渡ケ嶽＝と親交があるブルガリア相撲連盟会長が、複数の殺人事件を金で請け負ったとして、殺人容疑で先月２３日、地元司法当局に逮捕された。ブルガリアのメディアが５日までに報じた。逮捕されたペタル・ストヤノフ会長（３４）は、琴欧洲の結婚式で付添人を務めたという。同会長は容疑を否認し、裁判所の決定で既に保釈されたが、欧州の中でも相撲ファンが多いブルガリア国民の間では今後が注目されている。

　ストヤノフ会長は相撲の世界選手権などで何度もメダルを獲得してきた実力派として、欧州のアマチュア相撲界で知られている人物。

　今年２月１４日に都内ホテルで行われた琴欧洲の結婚式では付添人を務めた。琴欧洲はこの日、６日から始まる大相撲夏巡業のため、新潟県南魚沼市入り。同市内の老人施設などの慰問を行ったが、「詳しいことが分からないので、お答えしようがありません」と関係者を通じてコメントするだけにとどめた。

　地元メディアの報道によれば、ストヤノフ会長は自ら犯罪集団を組織し、ブルガリアのサッカークラブの会長が銃殺された事件など複数の事件にかかわった疑いで逮捕されたという。また、首相や閣僚らの暗殺ももくろんでいたとの疑惑まで浮上している。

　ブルガリア司法当局はストヤノフ会長ら容疑者を国内各地で一斉に逮捕。ツベタノフ内相は「彼らは金で複数の殺人を請け負い、実行した疑いがある。特に危険な犯罪集団だ」と強調していた。

　ストヤノフ会長は容疑を否認し３日に保釈されたが、ボイコ・ボリソフ首相（５１）は裁判所の決定に「政府に対する挑発だ」と反発。事件に関する新証拠が近く示されると明らかにし、追及への意気込みを示した。

　ブルガリアは欧州有数の親日国。琴欧洲の影響で全国で相撲クラブが組織されるようになり、愛好者は若者から大人まで数千人に上るという。ブルガリア相撲連盟を統括する国際相撲連盟（田中英寿会長）は東京にあるが、連盟関係者は「事件について何の報告も受けていない」と話した。

（2010年8月6日06時02分  スポーツ報知）

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