大阪市西区のマンションで幼い姉弟の遺体が見つかった事件で、母親の下村早苗容疑者(23)=死体遺棄容疑で逮捕=が、子どもを置き去りにしたとされる6月下旬以降、海水浴に行ったり、酒を飲んで踊る「クラブ」で遊んだりしていたことが、知人らへの取材でわかった。ネット上の会員制サイトに友達らと遊ぶ様子の写真を100枚以上掲載していた。
知人によると、下村容疑者はインターネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に会員登録し、複数のページに日記や写真を投稿。書き込みは6月以降に頻繁になっていた。
下村容疑者は府警の調べに「6月下旬、部屋のドアを粘着テープで固定し、2児を閉じこめたまま家を出た」と供述している。ほぼ同時期の6月29日夜〜30日未明、サッカーW杯日本代表のユニホームを着てパラグアイ戦をテレビ放映する店を訪れた様子や、南アフリカ大会で話題になったブブゼラを持つ姿などの写真約20枚も投稿していた。
「夏は遊ぶぞ」「ジェット(スキー)いこね」。7月19日の日記には神戸の須磨海岸を訪れたことを「今年初海なう〜」と報告し、友人たちとはしゃぐ姿を掲載していた。
大阪・ミナミのクラブで友人らと酒を飲む写真も多く、7月24日、「ノリで」訪れたという未明の大阪城公園での写真も掲載されていた。最後の写真は逮捕2日前の7月28日。夜明けの空の写真とともに、一言「元気ですか」とつづっていた。
下村容疑者が訪れていた大阪・ミナミのクラブの関係者によると、同容疑者は愛想がよく、店で知り合った友人らに「さなちゃん」と呼ばれ、初対面の男性らとも朝方まで一緒に飲むことが多かった。関係者は「一度『誰かに優しくされたいんです』と話していたのが印象的だった。振り返ってみると、何かを忘れるためにはしゃいでいたようにも思える」と話した。