東京中日スポーツ 55周年企画
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【大相撲】武蔵川理事長 まさかの続投表明 辞意のはずが…内部事情くむ2010年8月6日 紙面から 日本相撲協会の武蔵川理事長(62)=元横綱三重ノ海、本名石山五郎=が5日、東京・両国国技館での臨時理事会の後に記者会見し、当面、理事長職を続けることを明言した。しかし、関係者によれば、7月下旬に胃がんの手術を受けた体調面の不安や賭博問題の不祥事の引責で辞意を固めているという。早ければ12日、次回の臨時理事会のタイミングで辞意を表明する可能性がある。また、23日にも臨時の理事会が行われる。後任の人選は、2人の外部理事を含めた12人の理事による互選で決める。 まさかの理事長復帰、続投会見になった。体調面の不安などから、辞任を表明するとみられた武蔵川理事長は、会見で「5日をもって理事長に復帰させていただいた」と述べた。「今後、全親方、全関取衆、協会員全員で団結して、協会再生に向けて頑張っていきたい」と決意を語った。 所管する文科省から理事長交代へ強い要望もあり、理事長自身も辞任に気持ちが傾いたが、協会内部からは続投への強い希望があった。この日理事会より先に、若手の親方衆約30人が集まり「(武蔵川)理事長のもとで、協会員一丸となって頑張っていきたい」という意思を理事会に伝えた。 さらに後任の理事長人事が固まっていない上に、復帰した直後に辞任すると体裁も良くないとして、役員も続投するように強く説得。武蔵川理事長はこれを受け入れ、当面は職務を続けることになった。 ただしこの日、公にした胃がんの摘出手術など、体調面の不安は隠せない。胃がんは7月12日に判明し21日に手術。10キロほどやせ、足取りも重そうだ。復帰に批判の声が噴出する可能性も高く、病後の体で難局を乗り切れるか、常に不安がつきまとうことになる。もともと「ウミを出し切って、新しいレールで出発できれば、いつでも責任は取りたい」と、協会改革が軌道に乗るという条件付きで辞任の意思も持っている。 ひとまずトップには復帰した。しかし相撲協会の動揺はまだまだ続きそうだ。 (田中一正)
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