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警察無線:デジカメ、GPS機能も 容疑者画像素早く送信

 「現場の状況を報告せよ」「直ちに画像を送信します」。ピッ--。警察庁は警察無線を20年ぶりに更新し、従来の無線機に加え、デジタルカメラやGPS(全地球測位システム)の機能を備えた独自の携帯端末を今年度内に導入する。外勤の地域警察官全員に行き渡るよう約4万台を配備する。無線機を使って音声のみで行ってきた現場と警察署との交信が、新型の「ポリスモバイル」で画像などを送受信し、現場の状況や逃走車両の特徴など、素早く正確な情報伝達ができるようになる。【合田月美】

 警察庁は、従来の無線機は(1)音声通話しかできない(2)約500グラムと重い(3)長時間使用できない--ことから、軽量化など無線機の改善を図る一方、09年度補正予算に160億円を計上、情報通信局が新端末の開発、導入を進めてきた。

 新しい携帯端末は、携帯電話会社の電波で通信し、外見も市販の携帯電話とほとんど変わらない。素早く画像送信できるようボタン操作を簡略化するなど細部にこだわった。

 現場の警察官からの画像は、警察本部の通信指令室と警察署に同時に送信される。GPSで把握する警察官の位置情報は通信指令室や警察署のモニターに表示され、事件発生の際に効果的な緊急配備ができるようになる。通信指令室などから現場にも、110番通報や指令、地図、写真などが送信できる。

 警視庁と千葉、岡山、茨城県警は09年以降、カメラ、GPS付き携帯端末を既に配備し事件・事故などで活用されている。岡山県警では昨年11月、「爆発物とみられる不審物がある」との通報で駆け付けた警察官が携帯端末で不審物を撮影して送信。その画像から爆発物処理班が適切な装備や機材を選択して出動、効果を発揮。「状況を聞き直さなければならない無線と違って、視覚情報を共有できる携帯端末はとても便利だ」(千葉県警警察官)と現場の警察官にも好評だ。警察庁地域課は「素早く正確な情報の共有によって、初動段階での警察活動に役立つ」と期待している。

毎日新聞 2010年8月3日 15時02分

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