[掲載]2009年8月30日
文学、芸術を中心にコアなファンを獲得している晶文社が、来年2月に創業50周年を迎えるのを前に、1〜30日に、東京都民銀行神田支店(千代田区神田小川町)で、復刊本などを記念展示するほか、同7日から約1カ月、紀伊国屋書店新宿本店で希少本を集めた記念フェアを開く。
同社は60年に中村勝哉・先代社長と思想家の小野二郎が創業。60〜70年代に映画、ジャズ、ミステリー、海外文学などの評論で絶大な人気を博した植草甚一の著作を多数刊行するなど、背表紙のサイのマークとともに親しまれてきた。
だが、出版不況の厳しい風は、同社にも吹いているようだ。中村哲司社長によると、ここ数年はとくに売れ行きが厳しい状況が続いており、文芸一般書の新刊については、今までの半分以下の点数にまで減らすことにしたという。すでに準備していたラインアップも含め企画を見直しているほか、社員の希望退職も募った。中村社長は「いったん少しひいて態勢を立て直し、次を狙いたい」と話し、今後は、学習参考書や実用書の改訂新版や既刊本を中心に据える方針だという。(久保智祥)
ここから広告です
広告終わり