東京中日スポーツ 55周年企画
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【スポーツ】佑ちゃんぼう然… 米にリベンジならず日本V逸2010年8月6日 紙面から 世界大学野球選手権第7日は5日、横浜スタジアムで準決勝2試合が行われ、日本は4連覇を狙う米国に2−4で敗れ、2大会連続の決勝進出はならなかった。初優勝を逃した日本は韓国との3位決定戦(7日・神宮)に回った。日本は1回に先制したが、その裏にエースの斎藤佑樹投手(4年・早大)が満塁本塁打を浴びて逆転された。準決勝のもう1試合は、キューバが韓国を11−1で下して決勝進出。KAITスタジアムで行われた順位決定予選は、台湾が21−0でスリランカに5回コールド勝ちした。 日本ベンチは通夜のようだった。がっくりとうなだれる者、タオルを顔に押し当て忍び泣く者…。決勝進出を逃し、悲願の金メダルの可能性を失った。その前に立ちはだかったのは、またも米国だった。この世界大学では第1回大会から7戦全敗。榎本保監督(55)は「必勝態勢で臨んだが、1球の怖さとそれを救えなかった打線…。あと1点が取れれば流れが変わると思ってやったが、その1点が取れなかった。暴れてほえたいくらい悔しくて悔しくて仕方ない」と、拳を握った。 開幕戦から中5日、満を持して斎藤が登場したが、不安定な立ち上がりがすべてだった。2四死球と左前打で1死満塁とした後、5番・スプリンガーへの初球、129キロのチェンジアップを左中間席へ運ばれた。2回以降は内野安打2本のみの粘りの投球で6回まで無失点に抑え降板。乾、大石も3人ずつで仕留め反撃を待ったが、打線は散発3安打に抑え込まれた。伊志嶺主将は「斎藤が2回以降粘り強く抑えてくれたので、なんとか取り返してやりたかったが、自分たちの力不足。申し訳ない気持ちでいっぱい」と目が真っ赤だった。 その斎藤の姿が、会見にはなかった。報道陣からの要請に、榎本監督は「会見に出るよう促す以前に、出せる状態じゃないと、監督として僕が判断した」と斎藤への取材を拒否。その代わり「彼は4年間日の丸を背負ってきて、この試合にかけていた。勘弁してやってください」と頭を下げてかばった。 中1日で、開幕戦で下した韓国との3位決定戦が待っている。「メダルだけは死守したい」と、悔しさを押し殺し最後のとりでを取りに行く。 (竹村和佳子)
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