内山、ＷＢＡ５位の強敵ムクリスを３連続ＫＯで叩きのめす！

防衛戦がインドネシアのムクリスに決まった内山は、インド料理店での会見のためナンと一緒に相手も食ってやるぞとばかりにポーズ

　◆報知新聞社後援　ＷＢＡ世界スーパーフェザー級（５８・９キロ以下）タイトルマッチ（９月２０日・さいたまコミュニティアリーナ）　ＷＢＡ世界スーパーフェザー級王者・内山高志が、「リアル・チャンプ」としての実力を証明する。９月２０日にさいたまコミュニティアリーナで同級５位のロイ・ムクリス（インドネシア）と２度目の防衛戦を行うことが３０日、都内で発表された。Ｖ２戦の５日後に控えるＷＢＡ世界フライ級王者・亀田大毅（亀田）の初防衛戦に世間の関心が集まりそうだが、世界戦２戦連続ＫＯ勝利中の王者は、圧巻のＫＯ劇を披露し、実力でファンの注目を引き寄せることを宣言した。

　ジム近くのカレー店という型破りな記者会見場。写真撮影で報道陣の要望に応じ、カレーのお供、ナンにかぶりついた内山は「何だか亀田くんみたいですね」と照れ笑いした。１月の王座奪取、５月の初防衛はいずれもＫＯ決着。Ｖ２戦も相手を力でねじ伏せて評価を高める気概だが、陣営は周囲の環境も逆利用する。

　渡辺均会長（６０）は「話題性がある亀田選手の試合と日程が近いというのはチャンス。ボクシングに注目が集まる時期に、一般ファンに内山を見てもらう機会になる」と話した。

　ボクシング界は今秋、内山の試合を始め、１０月にかけ、世界戦３試合が組まれている。内山の試合の５日後にはＷＢＡ世界フライ級王者の亀田大毅対元王者の坂田健史（協栄）の一戦が控える。内山陣営は初防衛戦直後から９月にＶ２戦を行う構想を持ち、両者の日程が近くなったのは偶然だという。

　大毅―坂田戦は、元同門同士の因縁や大毅の父・史郎氏（４５）の動向など話題は豊富。ボクシング界に世間の注目が向く中で、「ＫＯダイナマイト」の愛称の王者は自らの拳で存在感を強くアピールする。

　大毅より１か月早く今年王者となった内山は「亀田選手の試合と日程が近いし、僕も少しは注目してもらえればいいかな」と大人の対応で意気込んだ。インドネシア人のムクリスは２３勝中１８ＫＯというハードパンチャーで、内山の初防衛戦の候補にも挙がっていた。「パンチ力がある選手同士の試合だからお客さんは楽しめると思う」と相手にとって不足はない。世界戦３戦連続のＫＯ勝利で「内山」の名前を世間に知らしめる。

　◆内山　高志（うちやま・たかし）１９７９年１１月１０日、埼玉・春日部市出身。３０歳。花咲徳栄高入学同時にボクシングを始める。拓大４年時から全日本選手権３連覇。０５年７月、プロデビュー。０７年９月、東洋太平洋スーパーフェザー級王座を獲得し５度防衛成功。今年１月にＷＢＡ世界スーパーフェザー級王座を奪取し５月に初防衛に成功。１７２センチの右ボクサーファイター。

　◆ロイ・ムクリス　１９８６年１２月２９日、インドネシア生まれ。２３歳。０２年６月に１５歳でプロデビュー。０７年４月にＷＢＡ傘下のＰＡＢＡ（パンアジアボクシング協会）スーパーフェザー級王座を獲得し６度防衛。０７年１２月、ＷＢＯオリエンタル同級王座を獲得。０９年１月、ＷＢＣインターナショナル同級王座を奪取し５度防衛。戦績は２３勝（１８ＫＯ）２敗２分け。身長１７５センチの右ボクサーファイター。