地方場所宿舎の登記簿提出は取りやめ

　日本相撲協会は２日、両国国技館で師匠会を開き、特別調査委員会の村上泰弁護士が地方場所の宿舎の実態を調べるアンケートなど調査方法への説明を行った。当初は宿舎の土地の登記簿と貸主の身上書などの提出を求めたが、多数の親方が猛反発。登記簿などの提出は取りやめとなった。

　「宿舎は長年の信頼関係で貸主さんから借りている。今さら登記簿を見せろなんて人と人のつながりの中で言えるわけがない」とある親方。こうした道義的理由から、宿舎の住所、貸主の氏名を調査票に記すにとどまり、６日までに返答することで収まった。

　一連の問題で外部の意向を親方衆がはね返したのは初めて。ある若手親方は「調査には協力するが、もっと相撲界のことを分かった上でやってほしい。宿舎の調査が必要なら委員会が独自にやればいい」と明かした。

　協会は４日の臨時理事会で、独立委員会が７月３１日の会合でまとめた暴力団排除への提言を採用するか否かを決議する。暴力団排除については受け入れることは確実だが、他の改革案では今回のように対立することも十分に想定できる。