日本相撲協会、独立委の「暴力団排除対策案」全面受け入れ

　日本相撲協会は４日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、協会の全般的な改革を目的に設置された第三者機関「ガバナンス（統治）の整備に関する独立委員会」から提示されていた暴力団排除対策案の骨子を受け入れることを確認した。

　独立委が提示した暴力団対策案は、〈１〉暴力団対策の協議会設置〈２〉「暴力団排除宣言」の実施▽暴力団関係者との交際禁止〈３〉違法な賭博行為の禁止〈４〉禁止行為の情報に触れた場合の報告義務など。独立委の前田雅英氏（首都大学東京教授）と深沢直之氏（元日弁連民事介入暴力対策委員長）がこの日、理事会で説明した。

　協会の陸奥広報部長（元大関・霧島）によると、独立委の会議にオブザーバーとして出席していた５人の親方衆からも、骨子について異論は出なかった。独立委は次回１２日の第４回会議で、５人の現役力士からも意見を聞き、最終的な対策案を決定する。協会は今月下旬の評議員会で、正式に提言を採用する。

　また理事会では、暴力団関係者の観戦が問題となった維持員席についても協議。維持員はこれまで、一般客と同じ正面入り口から入場していたが、９月の秋場所では、力士や協会関係者らが使用する南門入り口に維持員専用の受付が新設されることになった。さらに正面入り口には「暴力団排除」を告知する特大看板を掲げることも決定した。