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武蔵川理事長退任…一連の不祥事で引責

 午後3時50分、訪問した武蔵川部屋を後にする放駒親方。車内には出羽海親方、友綱親方も=武蔵川部屋
 午後3時50分、訪問した武蔵川部屋を後にする放駒親方。車内には出羽海親方、友綱親方も=武蔵川部屋

 日本相撲協会の武蔵川理事長(62)=元横綱三重ノ海=が一連の不祥事の責任を取り退任する見通しであることが4日、分かった。5日に協会を訪れ、理事会で役員に体調や進退の意思を表明した後に、記者会見を開く予定だ。武蔵川理事長は2008年9月に弟子の大麻陽性反応問題で辞任した北の湖前理事長(元横綱北の湖)の後を受け就任。難局での協会運営を託されたが、過去最短となる約1年11カ月でトップの座を離れることになる。

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 この日、協会では臨時理事会が行われた。暴力団対策について話し合った後、武蔵川理事長の復帰について議題は移った。5日に協会を訪問する報道があったことを受け、「体調や進退についてどう考えているのかを確認すべきだ」という議論が起こった。

 そこで、理事会を中断し、出羽海親方(元関脇鷲羽山)、友綱親方(元関脇魁輝)、放駒親方(元大関魁傑)の3理事が武蔵川部屋に赴いた。席上で、同理事長は退任の意向を伝えたとみられる。友綱親方は「思ったよりもやつれていた。声に張りがなかった。やせていたようにも思う」と振り返った。

 3理事が国技館に戻った後、理事会が再開され、5日にあらためて理事会を開くこと、席上で理事長が直接、役員に体調や進退について説明することでまとまった。ある役員は「詳細は私には分からないが、やるかやらないか、腹は決まっているようだ」などと、理事長の胸中を思いやった。

 協会広報部はあくまで5日の記者会見は「復帰」に向けてのものと説明したが、友綱親方は「それはご本人がどう話すか」としており、必ずしも周囲はそう認識していない。ただし、複数の役員は「理事長に解任を求める声はなかった」としており、協会内部による“クーデター”である可能性は低い。

 川端達夫文科相が7月30日の会見で村山代行の続投を求めた。同31日にはガバナンスの整備に関する独立委員会の奥島孝康座長も「理事長は代わるだろう。監督官庁の意向は考えなければ」と発言。理事長の復帰を模索する動きは協会にもあったが、文科省の姿勢が理事長退任の流れを後押しした。

 早ければ5日の会見で、対外的に退任を表明する。その場合、理事会での互選で後任を選出することになる。すでに不祥事が続発していた08年に就任し、外部理事導入など改革に尽力したが、止まらぬ不祥事と、健康問題、文科省の意向で職を退くことになる。

(2010年8月4日)
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