サザン・桑田、声出せた！６時間手術成功

　先月２８日、初期の食道がんであることを公表した「サザンオールスターズ」の桑田佳祐（５４）がすでに手術を終え、無事成功したことを４日、所属事務所アミューズが発表した。同事務所は手術日時、手法を明らかにしていないが、５日発売の女性誌「女性セブン」は先月３０日に入院し、今月２日に６時間以上にわたる手術を受けた、と報じた。術後の経過は良好で目標としている年内復帰を目指していく。

　日本中に衝撃を与えた食道がんの公表から５日。今月２日、桑田は都内の病院で極秘裏に手術を受けていた。

　手術の日時や手法は一切、明かされていないが、女性セブンによると、手術は６時間を超える長時間にわたり、午前中に始まり、日が暮れるまでの時間を要したという。万全の態勢の中、無事成功。術後の経過は良好で、数日間は集中治療室で様子を見ることになるという。

　この日、所属事務所は「麻酔から覚めてすぐに声が出せたり、翌日（３日）には少し歩いたりと、担当の先生も驚かれるほどの回復を見せております」とコメント。一日も早い完全復活に向け、桑田は強い意欲を見せている。

　先月３１日放送のレギュラー番組、ＴＯＫＹＯ　ＦＭ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」では手術方法に言及し、自らの口で「扁平（へんぺい）上皮がんで、（患部は）食道の真ん中よりも下で胃の位置に近いところ。胃と食道をつなげる手術をする。入院は２、３週間ぐらいだろう」と語っている。

　気になる手術方法についてはこの日、「なるべく体に負担をかけない方法を選んだ」と関係者は説明した。内視鏡を使って患部を切り取る方法もあるが、手術時間から見て、開胸手術を行った可能性が高い。世田谷井上病院の井上毅一理事長によると「右胸部とおなかを開ける外科的な手術が一般的。時間は大体６、７時間くらいかかる。心臓、肺など周囲に大変な臓器があるため、内視鏡手術ではなく、キチッと開いて手術する必要がある」という。

　前述の手術を行った場合、気を付ける点として同理事長は「食道と胃のつなぎ目の縫合不全」を挙げ、「縫合不全を起こさなければ、大丈夫でしょう。５～７日は様子を見た方がいいかもしれない。早い人なら、１０日ぐらいで食事ができるようになる。一時的に体重は減るかもしれないが、心配はいらない。声帯にも影響ないでしょう」と話した。

　桑田は日頃からジムに通うなどトレーニングを欠かさなかったこともあり「回復も早いでしょう」と井上理事長。桑田自身は「入院は２、３週間」と話しているが、「これからがある方なので、大事を取って１、２か月間、病院で療養した方がいい」と万全を期すためにも長期間の静養を勧めた。

　桑田のそばには妻の原由子（５３）が連れ添い、献身的に介護している、と女性セブンは伝えている。桑田がラジオで「原さんには頭が上がりません」と繰り返したように、夫婦二人三脚で病を乗り切っていく。

　◆所属事務所コメント
  関係各位
  　いつも大変お世話になっております。
  　さて、皆様には桑田佳祐の件で、大変ご心配をお掛けしておりましたが、お陰様で無事に手術を終える事が出来ました。
  　術後の経過も良好で、麻酔から覚めてすぐに声が出せたり、翌日には少し歩いたりと、担当の先生も驚かれる程の回復を見せております。
  　ファンの皆様を始め、多くの方々より励ましのお言葉を頂戴しました事、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。
  　今後は、復帰に向けて頑張って参りますので、引き続きご支援賜ります様、よろしくお願い致します。
  　また、マスコミの皆様へは、桑田が治療に専念出来るよう、本人や家族、近隣の方々、サザンオールスターズのメンバー、及び、関係する医療機関へのご取材は、くれぐれもご遠慮頂けます様、改めてお願い申し上げます。
  ２０１０年８月４日

　◆扁平上皮がん　上皮性の悪性腫瘍（しゅよう）の一つ。日本では食道がんの約９５％が扁平上皮がんで、残りの約５％が腺がん、そのほかのがん。食道は口と胃をつなぐ約２５センチの細長い管のような臓器で頸部（けいぶ）食道、胸部食道、腹部食道に分けられる。胸部食道がんが８０％以上と大部分を占める。