最賃賃金、目標なお険しく 採用抑制の懸念も
2010/08/05 20:13更新
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中央最低賃金審議会の小委員会が5日まとめた平成22年度の最低賃金改定の目安は、全都道府県で10円以上となる大幅引き上げを求める内容となった。政府の新成長戦略にも最低賃金の引き上げを目指す方針が盛り込まれており、賃金は上昇方向に動いている。ただ最低賃金の引き上げは所得の増加につながる一方、企業がコスト圧縮のため採用を絞り込ませるリスクを伴う“諸刃の剣”。菅政権が描く引き上げへの道筋は容易にはなお険しい。
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記事本文の続き 小委員会では経済規模などに応じ、都道府県を大都市圏のAランクから宮崎県などのDランクまで4つに区分して協議。結局、Dランクも大都市圏と同様に2けた台(10円)の目安を示し、底上げを図るという異例の判断を示した。このため仙石由人官房長官は5日の会見で「Dランクで10円引き上げられたのは画期的だ」と胸を張った。
政府が最低賃金の引き上げに意欲的なのは、賃金の底上げが格差問題の解消につながるという理由のほかに、最低賃金で働いた所得が生活保護費を下回る「逆転現象」の緩和にも役立つと考えているからだ。
国際的にみても日本の水準は低く、労働者の平均賃金を100とした場合の最低賃金(2008年時点)は、フランスの50.0や英国の38.0に対し、日本は30.4にすぎない。
ただ、本格的な景気回復が実現しない中で賃金水準の引き上げを急ぐことに対しては不安もある。
「すべてのランクで10円という最低賃金の大幅な引き上げ額の目安が示されたことは誠に遺憾だ」。日本商工会議所の岡村正会頭はこんなコメントを発表。回復が遅れる中小企業の経営への影響に懸念を示した。
引き上げの影響が大きいとされる流通やサービス業でも「賃金が上昇すれば10人雇うところを8人に抑えるといった対応をせざるを得ない」(大手小売業)との見方は強く、大和総研の原田泰専務理事は「本当に貧しい人にためになるのが疑問だ」と指摘。来年度以降の大幅引き上げを実現するには、デフレからの早期脱却や雇用情勢の本格的な改善が不可欠となる。
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