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81歳宅応対なく…民生委員の機転で殺人発見

男性の遺体が見つかった民家
男性の遺体が見つかった民家
Photo By 共同

 行方不明の高齢者が相次ぐ中、京都府木津川市で81歳の男性と連絡が取れなくなったため自宅を確認したところ、4日までに血を流した男性の遺体が見つかった。鈍器で殴られたようなあとがあり、京都府警木津署は殺人事件と断定した。男性の不在を不審に思い、家族に連絡したのは近所の民生委員。各地で100歳以上の高齢者の所在確認が続く中、民生委員の存在感が増している。

 地域をよく知るベテラン民生委員の機転が、殺人事件の早期発見につながった。

 頭から血を流した男性の遺体が見つかったのは、木津川市の無職岩崎勲さん(81)宅。訪れた次男が3日午後6時半ごろ木津署に通報した。

 遺体の頭には鈍器で殴られたようなあとがあることから、同署は殺人事件として捜査を開始した。男性は居間の布団に横たわり、肋骨が折れ、死後数日が経過していた。遺体は岩崎さんとみて身元の確認を急ぐとともに、府警は5日に司法解剖して死因を調べる。

 木津署は連絡が取れなくなっている同居の長男(55)が何らかの事情を知っているとみて行方を捜したところ、3日夜に覚せい剤取締法違反(使用)容疑で大阪府警に逮捕されていたことが分かった。同署は長男が男性殺害について何らかの事情を知っている可能性があるとみて、覚せい剤使用容疑の捜査が終わり次第、詳しく話を聴く方針。

 岩崎さんは長男と2人暮らし。同署によると、民生委員が先月30日ごろと2日に岩崎さん方を訪れたが、いずれも応対がなかったため、非常時連絡先となっていた別の場所に住む次男に連絡を入れたという。捜査関係者は「担当の民生委員はこれまでも定期的に岩崎さん方を訪問しており、2日とも連絡がつかないことを不審に思ったようだ」と話している。

 高齢者の所在確認の発端となった東京都足立区の民家で111歳とみられていた男性住人の遺体が見つかった事件では、民生委員が孫の説明を不審に思い通報し、事件が明るみになった。今回の殺人事件で命を救うことはできなかったが、民生委員の日ごろの巡回と機転が早期発見につながった形だ。

 木津川市社会福祉課によると、見守りの回数などは民生委員の独自判断で決めている。岩崎さんを担当していたのは「ベテランの人」(同課)だったという。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年08月05日 ]

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