裁判所が失そう宣告を行い、15年前に死亡したと見なされていた鹿児島県出身の63歳の男が、東京・国立市の花屋に盗みの目的で侵入したとして逮捕されていたことがわかりました。
逮捕されたのは鹿児島県出身で無職の宗方正治容疑者(63)です。警視庁によりますと、宗方容疑者は先月、東京・国立市の花屋に窓ガラスを割って忍び込んだとして建造物侵入の疑いで逮捕され、その後、店内から現金およそ20万円を盗んでいたことも判明し、盗みの疑いでも追送検されています。警視庁が宗方容疑者の身元を調べたところ、家族の申し立てで去年1月、裁判所が失そう宣告をし、行方がわからなくなった15年前の平成7年の時点で死亡したと見なされていたことがわかったということです。失そう宣告は、行方不明となった人の生存の確認が長期間できない場合、家族などからの申し立てを受け、7年以上の失そう期間があれば死亡したと見なす制度です。警視庁によりますと、宗方容疑者は鹿児島県内の高校を中退したあと、全国を転々とし、盗みの罪で刑務所への出入りを繰り返していたため、家族と連絡がとだえていたということです。警視庁の調べに対し、宗方容疑者は「ここ10年でおよそ200件の盗みを繰り返し、家族には迷惑をかけた」と供述しているということです。