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ブルガリア角界トップが暗殺団組織容疑 マフィアと契約

2010年8月5日4時30分

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 【ウィーン=玉川透】大相撲の大関・琴欧洲関を生んだブルガリア相撲連盟の現会長が、マフィアから金で殺人を請け負う暗殺集団を組織していた疑いで捜査当局に逮捕され、一大スキャンダルになっている。同国でも日本の角界の野球賭博事件が注目されるなか、相撲ファンの多い国民はさらに衝撃を受けている。

 地元メディアの報道によると、先月23日、組織の中心人物の一人として逮捕されたペタル・ストヤノフ氏(34)は、世界選手権で何度もメダルを獲得した同国アマチュア相撲界の「ドン」と呼ばれる存在で、昨年11月に連盟の会長に就任。政界にも顔がきき、同国相撲チームのコーチも務める。連盟の名誉会員である琴欧洲とは旧知の間柄で、今年2月に結婚した際には立会人を頼まれたという。

 当局の調べによると、ストヤノフ氏らは6月下旬、同国のサッカークラブの会長を銃撃して殺害するなど少なくとも10件の殺人事件に関与した疑いがもたれている。同氏の他にも依頼者や実行犯とみられる4人が逮捕、関係者15人が拘束され、マシンガンなど武器も多数押収された。

 ツベタノフ内相は逮捕後の記者会見で「前例のない危険な殺し屋組織だ」と述べ、組織の全容解明を進める考えを示した。組織はマフィアなどの依頼を受け、ボリソフ首相やツベタノフ内相の暗殺を企てていたとの報道もある。

 だが、ストヤノフ氏は一貫して容疑を否認し、今月3日には「証拠不十分」との裁判所の判断で他の3人の容疑者と共に釈放された。今後、検察側は起訴するか判断を迫られるが、ストヤノフ氏側は法廷闘争も辞さない構えだ。

 同国相撲連盟は1995年に創設され、現在、約500人が加盟。相撲の普及に努めた功績が認められ、06年には日本政府から土俵などの整備のための資金援助を受けた。

 同国では、琴欧洲の大関昇進などで一般市民の相撲への関心が高く、体育大に当たる国立スポーツアカデミーの専攻科目に相撲があるほか、相撲クラブも14に上る。琴欧洲と同じ部屋の元琴光喜関らが厳しい処分を受けた日本の野球賭博事件は、連日のように地元メディアが報道した。

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