口蹄疫:宮崎・都城の肥育牛「陽性」 208頭殺処分

2010年6月10日 11時14分 更新:6月10日 14時1分

徹夜の作業を終え、現場から帰ってくる市職員ら=宮崎県都城市で2010年6月10日午前6時10分、小原擁撮影
徹夜の作業を終え、現場から帰ってくる市職員ら=宮崎県都城市で2010年6月10日午前6時10分、小原擁撮影
口蹄疫が発生している自治体(疑いも含む)
口蹄疫が発生している自治体(疑いも含む)

 農林水産省と宮崎県は10日、都城市高崎町の農家で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)特有の症状を示していた肥育牛の遺伝子検査の結果が陽性を示し、感染疑いを確認したと発表した。日本最大級の畜産地帯である都城市での感染疑いの確認は初めて。県と都城市は同日未明、農家が飼育する208頭すべての殺処分を約2時間で終了、隣接地への埋却を進めている。一方、隣接する鹿児島県は10日、伊藤祐一郎知事が「準非常事態」を宣言。宮崎県境の一般道路を封鎖して車両通行を幹線道路に限定し、徹底的に検疫を集中させる意向を示した。

 県と市は10日夕、この農家を中心に、家畜を動かせない移動制限区域(半径10キロ)、運び出せない搬出制限区域(同10~20キロ)を設定する。既にJA組織を通じて周辺農家には移動自粛を求めている。周辺道路を封鎖し、消毒ポイントも増設する。移動制限区域内にあるJA系列の食肉処理場も稼働を停止した。

 県によると、半径5キロ以内の畜産農家の家畜には現時点で異常は見られないという。

 発生農家で診察した獣医師から9日、よだれを垂らしている牛がいると県に届け出があり、県が立ち入り検査。3頭に舌のただれなど口蹄疫特有の症状がみられた。農水省も写真で確認し、同じ部屋で飼育されている9頭の殺処分を決定した。

 県は当初、この農家の飼育頭数を250頭としたが、精査の結果、208頭だった。県央部を中心に拡大した口蹄疫は感染またはワクチン接種済みの約27万頭が殺処分対象となっている。

 鹿児島県が開いた対策本部会議では宮崎県都城市に隣接する鹿児島県曽於(そお)市財部町の一部が搬出制限(発生地から20キロ圏内)に入ることが報告された。県によると、区域内の畜産農家は約30戸。飼育頭数は牛約200頭、豚約1400頭。【石田宗久、川島紘一】

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