yabumoto

唐桑へ

2010-08-05 19:43:12 テーマ:ブログ

誰からも愛され、信頼されていた日本テレビの同期が亡くなった。

ため息ばかりの日々だが、それでも、時間は前に進んでいく。

昨日は久しぶりに、講演だった。

古河市の教職員や、市の職員らが700人ぐらい集まっていた。

タイトルは「みんな大事な命ー取材現場より」

ふぅっ。


命について、考えることばかりだ。

もう何年も前から。

先週末、京都に父と二人で行ってきて、

そのときも、いろいろ考えた。

記録しておきたいことがたくさんあるのだが、

あまりにも、いろいろありすぎた。


明日から、子ども二人を連れて、気仙沼市唐桑へ、4泊の旅。

ダンナは、急に仕事が入ってNGなので、おんなこどもだけ。

唐桑には何をしに行くのかというと、

あの、鈴木重雄さんゆかりの地を訪ねに行くのだ。


・・と書いて、反応する人はほとんどいないだろう。

私にとっては、彼は君子。

ハンセン病と診断され、療養所へ行くが、

中央官庁などの人脈を生かし、地元の唐桑に国民宿舎を誘致し、

唐桑を国定公園に指定するのに走り回ったり、

地元の人に要請され、町長選挙に出馬も果たし、

惜しくも敗れたものの、

その後、知的障害者施設の高松園を建設したり、

それはもう、誰もが認めるスゴイ仕事をされた人なのだ。

70年ぐらいから、カミングアウトし、マスコミもこぞって報じた。

あの時、「らい」は治ると多くの人が理解した・・・はずだった。


でも、結局は、それから長くかかってしまった。

96年まで法律はそのままだったし、

地裁判決後、徐々に理解者は増えたものの、

大きくは変わらない。ふるさとの実家の敷居をまたげた人が

どれだけいるのか。ほとんどいない。


今も変わらないのはなぜか。

それが知りたくて、深みにはまっている。

重すぎて、もうやめたい、卒業したい、と思いながら、

どこかで、面白いとも思っている。


そういえば、若いときにハンセン病を患ったことのある

伊波敏男さんの前でこういう取材が「面白い」と

言ってしまって、一瞬、表現を間違ったかな、と思った。

でも、すかさず、伊波さんは、「でしょう?私もです」と言った。

「人間を知ることだから、面白いんです」と。


うん。うん。そんな感じがする。

powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト