インターネット上の仮想空間「OZ(オズ)」と現実がリンクしながら存在している「現代」。誰もがOZ上での自分の分身「アバター」を使って、メールやチャット、ショッピングにスポーツなどを楽しんでいた。現実のライフラインなどもすべてOZが管理・統制。世界一安全なセキュリティを誇るOZは、生活になくてはならないシステムだ。
夏休み。高校生の健二(神木隆之介)は、友人の佐久間(横川貴大)と一緒にOZの保守点検のアルバイト中。ギリギリのところで数学オリンピックへの出場権を逃し、失意の真っ只中にいた。そんな中、健二は学校のアイドル・夏希(桜庭ななみ)に頼まれて、長野県上田にある彼女の実家に行くことに。憧れの先輩との旅行に、健二の夏休みは一気に華やぐかと思われた。
夏希の実家・陣内家は、戦国次第から続く旧家。毎年、夏希の曾祖母・栄(富司純子)の誕生日を祝うために、一族郎党が集まるのだという。一度では覚えきれないような大家族を前に、戸惑う健二。しかも夏希がついたウソのせいで、彼女のフィアンセとして振る舞うことに。眼光鋭い栄から夏希の恋人として認められ、個性の強い親戚たちの遠慮のないツッコミにタジタジになりながらも、人生で初めての賑やかな食卓を楽しむ健二。
そこに大祖父の隠し子で、家の金を持ち出したまま行方不明になっていた侘助(斎藤歩)が帰ってくる。親戚たちはあからさまに迷惑そうな表情だが、侘助に好意を寄せている夏希は喜びを隠せない。
その夜、健二の携帯に謎の暗号が届いた。数字を見ると解かずにはいられない健二は、眠気も忘れて暗号の解読を開始。徹夜で出した答えを返信し、気が抜けた健二はそのまま眠ってしまった。しかし翌日、何者かによって乗っ取られた健二のアバター「偽ケンジ」のせいで、OZが大混乱。健二は知らない間にOZ荒らしの犯人に仕立て上げられてしまう。昨夜解読したのはOZのセキュリティを守っているパスワードで、暗号が解かれたせいでOZのシステムが丸裸の状態になってしまったのだ。真犯人は「ラブマシーン」という謎のアバター。夏希のハトコ・佳主馬(谷村美月)は、格闘王として人気のアバター「キングカズマ」を駆使してラブマシーンを挑発。格闘技の師匠である祖父の万助(永井一郎)譲りの技を連発してラブマシーンを追い詰めるが、あと一歩のところで負けてしまう。そして健二は、夏希のハトコで警察官の翔太(清水優)によって逮捕されてしまった。
健二は翔太の車で署に護送されることになるが、上田市内の道路は大渋滞。ラブマシーンがOZを好き放題に荒らしまわったせいで、消防や救急、ガス、道路などのシステムは麻痺状態に陥っていたのだ。結局、再び陣内家に引き返すことになる健二。そんな状況を目にした栄は、古くからの友人たちに片っ端から電話をして、事態の収拾に一役買うことに。栄の前向きなパワーに背中を押されるように、健二はOZの管理棟に入るための暗号を解読、表面的にいったん混乱は収束した。
しかし、ラブマシーンは膨大な数のアバターを自分の体に取り込み、凶暴さを増していた。健二と佳主馬は再びラブマシーンと戦うことを決意するが、侘助から一笑に付される。ラブマシーンは侘助が開発したハッキングAI(人工知能)だったのだ。世界中を混乱させておいてまるで悪びれない侘助の態度に、栄は激怒。傷心した侘助は、家を出て行ってしまう。
ラブマシーンの次のターゲットは、地球に帰還しようとしている小惑星探査機「あらわし」。「あらわし」の軌道を変えて、原子力発電所に落とそうというのだ。核ミサイル以上の脅威が、刻一刻と地球に向かっている…。それを防ぐためには、ラブマシーンが吸収している4億人分のOZのアカウントを取り戻し、ヤツを弱体化させるしかない。
覚悟を決めて臨戦態勢に入る陣内家全員と健二。ラブマシーンの暴走を止めなければ、世界がどうなるかわからない! 武家の魂を継ぐ現代の戦士たちによる、一世一代のバトルが幕を開けた!