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絶対に野村證券で口座を作るな〜証券リテールの真実〜

2010-08-05

野村證券の社員の頭に「お客様の為に」の精神はない

長くなった(僕の愚痴も兼ねた)前置きはさておき、本題に移りたいと思います

「なぜ野村證券で口座を作ってはならないのか」

この記事はいままでのような体育会系の嫌がらせを綴ったものとは違った触りの記事となっております

読んで理解して頂くのに10分ほど時間がかかるかも知れません 予めご了承ください


まず結論から述べると

野村證券の社員は、資産運用のプロとしての自覚はない」

ということである

もっと分かりやすく言うと

野村證券リテール社員の希望と、顧客の希望のベクトルは、全く違う方向へ向いている」

ということである

簡単に説明すると、野村證券内の営業マンの評価体制は全て「手数料(コミッション)ベース」となっている

手数料とは金融商品の売買(主に株や投資信託)の際に発生するもので、分かりやすく言えば消費税みたいなものだと考えていただければいいと思う

野村證券では毎朝「営業成績表」が営業全員に配られ、今月、自分が何万円の手数料を稼いでいるのかが明確に分かるようになっている

営業マンはこの「手数料」にのみ頭がいっている そのため、いま自分が何万円の手数料を稼いでいるのかは空でいえる人がほとんどだ

ではここで何が問題として発生するのか

それは顧客にとっては、もっとも重要なことは

「自分の資産が運用によっていくら増えたのか」

であるが、これは全く野村證券リテールの評価体制の中には入らないのである

つまり1億円持っている人の資産を300万円の手数料をもらい5年かけて1億1000万円に増やすことよりも、1億円株の売買をくりかえし、仮に1億パーにしたとしても、手数料で350万円を稼いでいる営業マンの方が評価は高いのである

これにより発生するのは

「高リスク商品の短期の回転売買」

である

本来、資産運用というものはかのウォーレン・バフェットの言うよう、「長期で時間をかけて少しずつ増やしていくもの」である

顧客も大半は既に退職し、年金で生活している人や、高年齢層の方々がほとんどである

こうした人達の資産は、いわゆる「間違ってもリスクにさらし半分になどしてはならない」資産である

しかし野村證券リテールではそのようなことは考えない

彼らの頭では

「この客が持っている資産をどれだけ株や投資信託などの高リスク商品に変え、頻繁な売買で手数料をひねり出すか」

しかない

実例をだそう

僕の所属していた支店には「スーパーセールスマン」と呼ばれる人がおり、その人は常に全国でもトップクラスの手数料を稼ぎだし、支店の誰よりも評価されていた

しかし、僕はその「スーパーセールスマン」の運用状況をPCでのぞき見して唖然とした

(僕の記憶では)約30億円はあった某大手顧客の資産が、繰り返す売買により(しかもそれをことごとく外していたため)わずか2ヶ月ほどでマイナス20億円ほどにまでなっていたのである

このような運用成績で、どうしてこの人がこれほど評価されているのか、僕には全く理解できなかった

この人のセールスパターンはこうだ

1 まず一気に20億円ほど株や投資信託を買ってもらう

2−1 その商品の値段が上がれば「もっと突っ込みましょう」といって同じ商品をさらに5億ほど買わせる

2−2 その商品の値段が下がれば「これで取りかえしましょう」といって、別の商品をさらに5億ほど買わせる

3 その人の資産がなくなるまで2−1と2−2を繰り返す 

この人の稼ぐ手数料は増えていくが、顧客の資産はどんどん減っていく

そしてこの顧客の資産がなくなったら、今度は別の顧客を見つけてきて、同じことを繰り返すのである

まるで餌を食い回すイナゴのように


僕の考える資産運用のリターンとは、本来運用に成功し「資産運用の成功報酬ベース」で発生するべきものである

それは外資系投資ファンドのように

「年率15%のリターンを目指し、そこで稼ぎ出した収益の5%をいただきます」

というように、運用の成功報酬としてもらう代償である

野村證券の現在のリテールで用いられている手数料ベースの評価体制では、必然的に短期の株式売買などの繰り返しを推奨しているようなものである

本来は国債ユーロ円債(為替リスクのない外国債券)などで長期に考えなければならない高齢者資産を、ほとんどギャンブルのように短期で売買させている

顧客がもし「YES」しか言わない顧客ならば、一日で3回同じ商品を売買させられてもおかしくはない

売買の回数が増えれば増えるほど、手数料がそのたびに発生するのだから

しかもその手数料の%もネット証券の5〜10倍ほどある

もう一度結論を言おう

「現在の野村證券リテールのように、手数料ベースのみで評価を行い、資産運用の成功に対しての評価を行わない限り、野村の営業マンは顧客に儲けてもらうよりも何度も売買してもらう方を優先する」

このようなずさんな評価体制のもとで資産運用が、現在の日本トップの証券会社のしていることである