すべてのスマートフォンは、携帯通信用アンテナを備えています。そして、
ほとんどのスマートフォンで、持ち方によっては電波の強度が弱まることがあります。
iPhoneのアンテナが十分な性能を発揮できるよう、Appleは高度なアンテナ設計・試験室を
1億ドル以上を投じて建設しました。Appleのエンジニアたちは、
この最先端の施設で膨大な時間を費やし、iPhone 4の設計とテストを行いました。
電波の減衰と損失について。
増幅とは反対に、減衰は電波が妨げられた時に発生します。これは、テレビ、ラジオ、GPS、携帯通信用アンテナを含む、すべてのアンテナで起こりうる現象です。ほとんどのアンテナにとって、人間の手の密度と組成は、他の素材よりも減衰の原因になりやすいと考えられます。携帯電話の場合、一般的には、アンテナの最も敏感な部分を手でさえぎった時に電波の損失が発生します。iPhone 4では、アンテナバンドの左下のすみにある黒い線状の部分です。
先進的な研究施設。
Appleでは製品の発売前に、必ず徹底したテストを行っています。アンテナ設計・試験室も多額の資金を投じて建設しました。この施設には、アンテナとワイヤレス性能を正確に測定するために作られた、17種類のアンテナ特性評価室(無響室を含む)があります。
試験室で性能をテストする。
試験室の無響室は、携帯基地局、Wi-Fiネットワーク、Bluetoothデバイス、そしてGPS衛星をシミュレートする最先端の機器に接続されています。無響室では、まったく何もない空間での性能、人間の組織を模した素材(疑似的な頭や手など)がある場所での性能、そして人間が実際に使った場合の性能を測定します。Appleのエンジニアたちは、1〜2年の開発サイクルにもとづき、この試験室で膨大な時間をかけてアンテナ試験とワイヤレス試験に取り組みます。
実地試験で性能をテストする。
Appleのエンジニアたちは、様々なシナリオ、環境、条件のもとでiPhone 4の性能評価を行いました。通話音質、通話の切断が起きる状況、通話の開始と終了の状況、通話時間の試験を、米国と世界中の都市で長期間にわたって実施。テスト環境は、静止状態、高速と低速での移動時、そして都市部、都市の密集地、高速道路と多岐にわたります。通信品質の良いエリアもあまり良くないエリアも、ピーク時の時間帯もオフピーク時も、それぞれ全世界の様々な通信事業者の環境と設備を使ってシミュレート。iPhone 4の実地テストは、想定されるほぼすべての使用状況を網羅しています。