ことし半年間に全国の警察に摘発された児童虐待は181件と、これまでで最も多くなり、虐待によって死亡した子どもは18人に上りました。
警察庁によりますと、ことし半年間に全国の警察に摘発された児童虐待は、前の年よりも24件、15%増えて、181件に上り、統計を取り始めた平成12年以降で最も多くなりました。このうち、▽暴行を加えるなどの身体的虐待が最も多く140件、▽性的な虐待が31件、▽子育ての怠慢や拒否といった、いわゆる「ネグレクト」が10件でした。事件で被害を受けた子どもは、6年前の2倍近い187人と、半年間としてはこれまでで最も多く、このうち18人が死亡しています。子どもが死亡したケースは、1月に東京で小学1年生の男の子が両親に暴行されて死亡した事件など、ほとんどが身体的虐待ですが、3月に奈良県桜井市で5歳の男の子が十分な食事を与えられずに餓死した事件など、ネグレクトの末に死亡した子どももいました。また、検挙された199人のうち、最も多かったのが実の父親で30%、次いで実の母親が26%、義理の父親が25%などとなっています。警察庁は、ことし2月からNPO法人が匿名で通報を受け付ける制度を始めるなど、被害の早期発見に向けた取り組みを進めることにしています。