全国高校総体の相撲団体に出場した広島・尾道高のラグビー部員たち=沖縄県うるま市
「全国高校総体第7日」(3日、沖縄・那覇)
相撲の団体に出場した広島・尾道高は隠岐水産(島根)、宇治山田商(三重)に完敗し、予選で敗退した。実は尾道高に相撲部は存在せず、メンバー全員がラグビー部員だった。
8年前からラグビーの練習に相撲の動きを取り入れていたが、「真剣勝負をやれる」(梅本勝監督)と昨年の高校総体県予選から相撲でも大会に参加。昨年は個人戦で、今年は団体でも全国の舞台を踏んだ。
ラグビーでは全国高校選抜大会で2年連続8強入りしている強豪。梅本監督が「相撲で前に出る力があればラグビーでも通用する」と始めた相撲の練習は大会出場を決めてから本格化。今ではラグビーの練習後に、しこ、ぶつかり、すり足のけいこを行う。月に2回程度は土俵がある竹原高(広島)まで車で約1時間かけて出向き、技を磨いた。
70人のラグビー部員から7人を選抜して臨んだ今大会。決勝トーナメントには進めなかったが、ラグビー部のレギュラーで大将を務めた金成雄は「県では味わえない(当たりの)プレッシャーだった」と興奮を隠せなかった。
二つの競技を経験することで「いろんな角度から物事をみられるようになる」と梅本監督。スクラムやモールにもすり足を取り入れる選手の次の目標は、冬の全国高校ラグビーでの初優勝だ。
(2010年8月3日)