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【プロ野球】阪神陥落 11安打も10残塁で2点だけ2010年8月4日 紙面から
敵は戦前に警戒心を強めていた先発グライシンガーではなかった。難敵を早期降板に追いやったまではいいが、ここからが大誤算だった。格落ちする2番手・野間口の前に強打を誇る阪神打線が沈黙してしまった。 「ツキがなかったのが大きい。ツキがないといってもしょうがないんで、何とか点を取っていかないといけなかった」 真弓監督の言葉通り確かに不運もあった。その最たるシーンが「取られたというより、入ったという感じ」と悔しがった5回の場面。1死二、三塁の好機で打席には虎の安打製造機であるマートン。ここが大きな分岐点となった。 強烈な打球は投手・野間口を襲ったが、なんとそれをスーパーキャッチ。三塁走者の鳥谷が飛び出し、一瞬にしてチャンスがついえた。マートンも「アンラッキーだった」と言うしかなかった。 グライシンガーには通算3勝11敗、しかも8連敗中だった。和田打撃コーチがイースタン・リーグでの調整登板のビデオでチェックするなどしたが、ブラゼルの打球が右すねに直撃、マウンドから引きずり降ろす結果となった。しかし、この先が予想外の難所だった。 不運だけでなく、今季31度も逆転勝ちしている虎がなぜか野間口からあと1本を打てない。結局は11安打で2得点、残塁10とらしくない攻撃を繰り広げた。首位攻防第1ラウンドに敗戦し、8日ぶりに首位から陥落。指揮官は首位陥落について最後一笑に付したが、いら立ちは隠せなかった。 (島田明)
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