中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

巨人が再奪取 グライ緊急降板…野間口が救った

2010年8月4日 紙面から

巨人−阪神 首位攻防戦に先勝。お立ち台で笑顔の(左から)阿部、野間口、小笠原=東京ドームで(武藤健一撮影)

写真

◆巨人6−2阪神

 マウンド上に予期せぬヒーローが現れた。巨人のグライシンガーが今季初登板を飾った阪神との首位攻防第1ラウンド。チームを救ったのは、右ひじ手術からの復活を目指して先発した助っ人ではなく、2番手の野間口だった。4イニングを投げて、被安打3の無失点。2008年6月11日の日本ハム戦以来となる白星を挙げ、チームを8日ぶりの首位奪回を導いた。

 緊急登板だった。2回、先頭ブラゼルの打球を右すねに受けたグライシンガーが降板。この日、出場選手登録されたばかりの野間口に声がかかった。ブルペンで急きょ、30球弱を投げ込んでマウンドへ。原監督から「全力で投げてこい」と送り出された。

 球が荒れて再三のピンチを招いた。3回は無死一塁、4回は1死満塁。いずれも切り抜け、5回は1死二、三塁と攻め込まれた。マートンに足元を襲う痛烈なライナーを浴びたが、抜群の反応でつかみ取る。「体に当てるつもりでグラブを出したら入った」。すかさず三塁に転送。飛び出した走者を刺して併殺。右手でガッツポーズだ。

 指揮官から「未完の大器」と呼ばれた右腕も、今季1軍にいたのは5月18日からの9日間だけ。2軍でも防御率4・88。「つらかった。自分に腹が立った」。それでも、約2カ月ぶりの1軍で活躍。同じ背番号33を背負った長嶋茂雄終身名誉監督が見守った天王山初戦でお立ち台へ。「いろいろ考えてしまう性格だから、こういう(緊急登板)のが向いているのかも」とおどけた。

 原監督は「堂々と投げてくれた」と野間口を称賛。7月26日以来となる首位返り咲きに「先発にアクシデントが出た中で初戦を取れたのは非常に大きい」とうなずいた。阪神戦は5連敗の後、3連勝。4日は内海に託して首位固めを狙う。 (永山陽平)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ