阪急京都線を走り続ける「2300系」(大阪府摂津市の阪急正雀車庫で)
(撮影:源幸正倫)
阪急電鉄京都線で準急などとして走る「2300系」が今秋、デビューから50年を迎える。大手私鉄での車両の寿命は30年前後とされるが、半世紀も本線で活躍してきた2300系は、“動く遺産”ともいうべき存在だ。
1960年11月に登場。安全性や運転効率を高めるため、トランジスターなど電子機器で速度を制御、先進的な機構から「人工頭脳電車」と呼ばれた。マルーンの車体にアルミ枠の窓という「阪急スタイル」もこの電車で始まった。
78〜81年、制御機器を省エネ効果の高い新型に取り換え、これが「長寿」につながった。現在は4編成28両が運用に就く。車両担当者は「加速は新車にかなわないが、更新のおかげで古い電車という感じがしない。よく走る」と話す。