協議テーマは普天間問題だけではない。これまでに韓国哨戒艦沈没事件を受けた北朝鮮などへの対応として米軍の核抑止力(核の傘)維持や、日米のミサイル防衛(MD)協力などについて議論。今年4月の中国海軍ヘリの海上自衛隊護衛艦への異常接近を踏まえ、海洋や宇宙の安全保障もテーマとなった。
岡田氏は「来年も51年。50年を踏まえてということになる」と述べ、来年の宣言発表をあきらめていない。当局者の間では「日米関係が現政権でも好転しなければ、中国や北朝鮮が増長し、東アジア情勢が不安定になる」との懸念もある。外務省関係者は「米国内でオバマ政権の対日政策は、菅政権に代わってもうまくいかないとの声が出かねない」と指摘する。
しかし、日米関係を取り巻く環境が好転する兆しはみられない。大統領は来日直前に中間選挙を控え、「結果次第では対日政策どころではなくなる」(別の外務省幹部)との懸念もある。宣言先送りで「日本に来る必要性が薄れた」とオバマ氏来日を危ぶむ声さえ漏れ始めている。(鶴岡正寛)