大相撲:理事長代行に村山氏 大嶽親方、琴光喜関は解雇

2010年7月4日 17時51分 更新:7月5日 1時27分

臨時理事会に臨む大関・琴光喜関(左)と大嶽親方=名古屋市内のホテルで2010年7月4日、竹内幹撮影
臨時理事会に臨む大関・琴光喜関(左)と大嶽親方=名古屋市内のホテルで2010年7月4日、竹内幹撮影

 大相撲の賭博問題で日本相撲協会は4日、名古屋市内で臨時理事会を開き、名古屋場所千秋楽の7月25日まで謹慎処分となった武蔵川理事長(62)=元横綱・三重ノ海=の代行に、外部有識者で作る特別調査委員会(座長=伊藤滋・早稲田大特命教授)が推薦した外部理事の村山弘義・元東京高検検事長(73)を起用することを決めた。協会内部では外部理事の起用に反発もあり、内部理事ら幹部は巡業部長の放駒(はなれごま)理事(62)=元大関・魁傑(かいけつ)=の推薦を決めていた。だが武蔵川理事長が理事会の冒頭で「文部科学省の指導もあり、村山さんを指名したい」と言明。監督官庁の強い意向を、協会は受け入れざるを得なかった。

 ◇琴光喜関には退職金

 野球賭博関与者の処分なども決め、大嶽親方(42)=元関脇・貴闘力=と、大関・琴光喜関(34)=佐渡ケ嶽部屋=は解雇処分とした。大関以上の解雇は初めて。大嶽親方は退職金なし、琴光喜関に退職金は支払うが、大関・横綱への特別功労金は支給しない。部屋付きの二子山親方(49)=元十両・大竜=の「大嶽」への名跡変更が承認され、大嶽部屋の存続が決まった。

 2人と同じく懲戒処分勧告された時津風親方(36)=元前頭・時津海=は主任から平年寄へ1階級降格と5年間昇格なし。関与者が多く出た阿武松(おうのまつ)部屋の阿武松親方(49)=元関脇・益荒雄(ますらお)=は委員から平年寄へ2階級降格10年間昇格なしとした。

 関与者を出した部屋の親方、力士、床山ら計29人の4日からの謹慎も決定。このうち阿武松部屋の幕下・古市(34)、床山の床池(29)から辞職の申し出があったが、懲戒処分対象として保留。横綱・白鵬関(25)=宮城野部屋=ら野球賭博以外の賭け事をしたと協会に上申した49人中未成年を除く46人も協会が「社会の逆風が強く、明らかにしないと名古屋場所を開催できない」として公表した。

 役員減俸は7、8月に武蔵川理事長が30%、謹慎役員は20%、謹慎しない役員は10%、役員以外で弟子に謹慎者を出した親方は20%のカット。「ガバナンス(組織の統治)の整備に関する独立委員会」を新設し、全般的な改革案を検討する。

 11日初日の名古屋場所のチケット払い戻しに応じることも発表。協会あいさつや賜杯授与などの一連の場所行事は村山代行が務める。【堤浩一郎】

  ◇日本相撲協会が決めた処分◇

・大嶽親方、大関・琴光喜関の解雇

・時津風親方の主任から年寄、阿武松親方の委員から年寄への降格

・野球賭博関与者ら親方、力士、床山の名古屋場所千秋楽までの謹慎。対象者の武蔵川理事長の代行には外部理事の村山弘義氏

・役員らの減俸。武蔵川理事長は30%、謹慎の役員は20%、謹慎しない役員は10%、役員以外で弟子が謹慎の親方は20%をカット

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